hakuunの未来ノート

将来のため、人生やビジネスに関して、考えたこと、感じたことを綴ります。

傾聴について 沈黙への対応

2012-09-11 | コミュニケーション
久しぶりに、傾聴について書く。

8月20日から24日にかけて、産業カウンセラーのテキストから、「傾聴」について復習していた。
今回、その続きを行う。



g)要約 

要約は、カウンセラーがクライエントの話の要旨をまとめて伝え返すことで、クライエントが述べた内容を正確に把握できたかどうか確認できる。
さらに要約によって、
・クライエントのまとまりのない考えや感情の整理ができる
・あるテーマについての話を終結する
・クライエントが自分の課題を客観的に見つめ、さらに深く探究できる

以上が、テキストからの引用である。

傾聴のポイントは、価値観の異なる相手の感情、気持ち、心を理解することである。
自分と価値観が異なる相手の気持ちを理解する場合、丁寧に聴いていても間違えたり、勘違いすることもあろう。
その場合、要約することで、相手に確認することができる、ということである。
なぜ、このように書くかというと、私自身コミュニケーション下手である。
そのため、今まで、要約の意味を正確につかんでいなかったと思う。
今回、このようにテキストを写すことで、自分自身を見つめることができる。

さらに、感情面を含めて要約することで、気持ちのキャッチボールをすることができる。
その結果、クライエント自身が気持ちの整理を行い、自分自身を深く見つめるきっかけとなる。
要約は、そのトリガーとなるので、積極的に使っていきたい。


h) 質問 

『質問は、カウンセラーがクライエントの理解に必要な情報を得るために、あるいはクライエントの自己探索を援助するために行う。
質問は、クライエントへの関心を示すものであり、質問を通じてお互いがわかりあえたとき、カウンセリング関係はより深まる』

以前、会社でパンフレットを作ることがあった。
インタビューに来られたか雑誌社の記者が、当時若かった私のところに来た。
インタビューを受け私の話す様子を、カメラマンが写真を撮り続けていた。
このような経験は、初めての経験だったので、よく覚えている。

この時、どのような内容を話したかは覚えていないが、スムーズに、よくしゃべったことを覚えている。
記者の質問に答えているだけであるが、次から次へと話をした。
というよりも、私が話す内容について、関連質問が適切にあった、というのが正解かもしれない。
つまり、記者の引き出す力が優れていたのである。
逆に、私が記者であったならば、そうはいかない。
お互いに、黙りこくって、記事にはならなかったに違いない。

なんでも質問すればよいというわけにはいかない。
テキストによると、
・質問責め、誘導質問、無関係な質問、思いつきの質問、興味本位の質問は避けるべきである。さらに、プライバシーを侵害する質問も当然ダメである。


●質問の方法 

○閉ざされた質問

「はい」「いいえ」で答えられる質問で、答えは明確である。
カウンセリングの場合、この質問を使う場合は少ない。
クライエントが緊張している場合や話し下手の場合などには有効かもしれない。
しかし、通常、この「閉ざされた質問」を多用すると、会話がカウンセラー中心となり、誘導質問につながるので注意が必要である。

TVの刑事ドラマなどで、警察官が容疑者に質問するケースかもしれない。
ドラマ上ではあるが、誘導質問を行い、検挙しようとするシーンを見たことがある。
TVドラマであるから、第三者として眺めることができるが、カウンセリグの場でこのようなことをしたら、クライエントとの信頼関係は築くことはできない。


○開かれた質問

テキストから引用する。

クライエントに、考えや感情などを自由に語ってもらう質問である。
クライエントの話のなかの曖昧な点や不明な点を詳しく具体的に話してもらう場合、クライエントの感情に焦点を当てる場合などに有効に用いられる。


「最近の職場はいかがですか?」
「どういうやり方がいいと思いますか?」
「それを聞いて、どんなお気持ちになっていますか?」
「それって、どういうこことですか?」

開かれた質問はクライエントを的確に理解するうえで重要な方法であり、特に「どのように」(How)を尋ねる質問は、クライエントの状況や個人の感情、行動、意味などの把握に役立つ。
しかし、自由度が高い分、対応できない状態のクライエントもいるので留意すべきである。
また「どうして」(Why)の質問は、クライエントを防御的にさせる恐れがあるので気をつけたい。

テキストに書いている通りである。
しかし、適切に質問ができるかは、別次元の問題である。
以前、「質問力」の講座を受けたことがる。
講師の方は、ジャーナリスト出身の方で、その質問力はさすがであった。
質問力を高めるために、講師の方のアドバイスとして、「100の質問」をつくる課題があった。
100個の質問を書きだすだけでも、かなりの時間を要した。
つまり、質問することに慣れていないのである。
今考えればわかることだが、この「質問力」もスキルである。
たくさん練習して、初めて上達するものである。
特に、相手の気持ちに焦点を当てて、場数を踏むことが重要である。


i)沈黙への対応 


テキストから引用する。

クライエントが沈黙を続けると、重苦しい雰囲気、気まずさ、緊張、不安などを感じるものである。しかし、沈黙もひとつのメッセージである。
カウンセラーは、沈黙にどう対処するかという前に、いまクライエントがどんな意味をもっているか、よく理解する必要がある。

1)沈黙の意味とカウンセラーの耐性

クライエントの沈黙には、多用な意味が考えられる
・自分を語ることへの抵抗、ためらい、不安、迷いなど否定的、消極的な気持ちの表れ
・胸にためていた思いを吐き出してほっとしている安堵感
・自分の考え、感情などを探索しているような肯定的、積極的な気持ち
・自分を理解してくれないカウンセラーへの不満、怒り、反発、不信感

2)沈黙への対応
よくありうる沈黙のケースから原則的な対応策をテキストから引用する。
・クライエントが一応話し終わった小休止や、次にどう話すか考えているときには、カウンセラーは黙って待つ。
・クライエントが、明らかにカウンセラーの発言を待っているときには、カウンセラーは対応する。
・クライエントが緊張しているとき、あるいは話すことについて決心がつかない様子のときは、カウンセラーはクライエントのその気持ちを伝え返し、話しやすくする。
・クライエントから、話すことについて、拒絶や抵抗などが感じられるときには、その気持ちについて話し合う。
・カウンセラーがじっとクライエントの沈黙を待つ場合も、あまりに長い沈黙はクライエントに不安や疑問を与えるので、カウンセラーはクライエントの沈黙の意味をとらえて、状況に応じた対応をする。

この沈黙への対応もスキルである。
テキストを読んだからできるというものでもない。
スキルアップするには、日常生活の中で、トレーニングと意識して行う必要がある。
やはり、多くの場数を踏むことで、相手の気持ちを察することもでき、そのスキルも向上する。

この傾聴、スキルの塊と考えると、十分納得する次第である。