hakuunの未来ノート

将来のため、人生やビジネスに関して、考えたこと、感じたことを綴ります。

研修講師アドバンス講座 1回目 行動変異

2012-09-24 | 研修講師

一昨日は、研修講師のアドバンス講座を受講した。
基礎講座に対して、上級コースである。
しばらくの間、基礎講座と同時進行して、レベルアップを図るつもりでいる。


●参加者のレベルが高い

今回の参加者は、10名。
大半の人は、現役の研修講師である。
4年間で、数百本の研修をこなした女性講師、年間100本以上の研修をこなす人、などプロの研修講師の方も参加したレベルの高いものであった。
このようなレベルの高い人々と一緒に勉強できることは、当方のモチベーションも上がり、うれしいことである。
彼らに一歩でも近づき、並んで、さらに、一歩前進するように頑張っていきたい。


●行動変異

今回も学びは、数多くあった。
研修講師として、どのレベルを目指すのか。
自分で一方的に話すのではなく、ワークショップなどを取り入れながら、講師と受講生双方向のコミュニケーションをとりながら、受講生のレベルアップを図っていくことである。
具体的は、講座を受講した受講生が、どんな行動を起こすか、が大切である、ということである。
さらに、プロの受講生から、良い言葉をいただいた。
継続的な研修講師をやることで、3ヶ月後、6ヶ月後に受講生が途中で突然変異することがある。
幼虫がさなぎになり、チョウに孵化するように、受講生も変わることがある。
このような「行動変異」は単発の講習や講演では味わえないものである。
講師として、受講生の「行動変異」を確認することがこの上なく楽しい、というコメントがあった。
私のようなまだアマチュアの講師からすると、見えない世界である。

「行動変異」

良い言葉である。
研修講師として、相手の心と共鳴することができ、受講生がその気になって、受講生自らが行動を変え、受講生の努力で成果を上げることができる。
素晴らしいことである。

中小企業の経営者に対するアドバイスも同じである。
企業経営という切り口で、経営者自らが自分たちで、考え方、知識、行動を改善して、経営体質を改善することで、収益アップを図ることである。
中小企業診断士は、そのアドバイザーである。
まさに、我々のアドバイスで、経営者の皆様が「行動変異」を起こして、成果を上げてくれることほどうれしいことはない。

この「行動変異」について、まとめをテキストから引用する。
・教えることは、科学的であり、肉体学習であり、話し方そのものではない。深く理解させ、実行させること。
・教育は「愛」すなわち「思いやり」を欠いては成り立たない。無条件に相手本位であり、学習者の利益を大切にする。
・相手をその気にさせるには、「動機付け」が必要である。
・学習目標水準まで達したら、後は自律学習。
・学習するのは本人、講師は仕掛け人。
・動機づけとは、緊張感を取り除く、参加型技法、メリットを訴える、上手にほめる。

このような心構えで、取り組むことで、受講者は「行動変異」を起こす。
また、講師の人間性も磨かれていくと思う。


●魚の釣り方を教える

今回、講師が好んで引用する2つの寓話を学んだ。
一つ目は、「空腹な二頭のライオン」
神様が二頭のライオンに向かって、話しかけた。
「お前たち、お腹がすいているだろう。かわいそうだから一つだけ望みを叶えてやる」
とすると、一頭目のライオンは
「神様。お腹がペコペコです。どうか最高の子羊の肉を腹いっぱい食べさせてください」
と懇願した。
二頭目のライオンは
「神様。私もお腹がペコペコです。どうしたら上手に獲物を取ることができるか「チエ」を授けて下さい」
と懇願した。
という話である。

もう一つの寓話は「魚を与えるより、魚の取り方を教えよ」というものである。
人に一匹の魚を与えても、それは1日の食糧にしかならないが、魚を釣る方法を教えれば生涯食べるに困らない、という話である。

英語で表現すれば次のようになる。
Give me a fish and I can eat for day.
Give me fishing and I can eat forever.

まさに、研修講師としての心髄であり、中小企業診断士としても、経営者に対する態度として学ぶ点である。


●失敗事例と自己開示

研修講師には、「自己開示」が必要である。
成功事例を話すと、とかく自慢話になる。
むしろ、失敗事例を話すことで、受講生からみると「あの先生もこんな失敗をするのか」と親しみを持つようになる。
一方で、何でもかんでも「自己開示」するのも考えものである。
やはり、秘密のベールに包まれている部分はある。
研究講師としての「自己開示」は、小さな失敗事例が微笑ましい。

これからの作業として、過去の失敗事例を集めたい。
5個や10個はでてくるだろう。
ただ集めるのではなく、その失敗事例から、何を学ぶかが大切である。
どのような教訓を得ることができたか、を若い受講生に伝えることが大切である。
失敗事例の効用はまだある。
この失敗事例を研修の中で活用することにより、話がより具体的になり、さらに説得力を増すことができる。その結果、5分の話が10分になり、話を膨らませることができる。
このように様々な効用があるので、積極的に活用していきたい。


●将来の三本柱

将来は、講演講師をしたいと、考えていた。
今回、現役の研修講師の方々から話を聴くと、研修講師の面白さが分かってきた。
さらに、情報は常に新鮮さが求められるので、コンサルタントの業務も必要である、と聞かされた。過去の経験に基づいて話をするのもよいが、それでは、「信長、秀吉、家康」の話と同じになってしまう。現役講師の話には説得力がある。
常に新鮮な情報を伝えることで、研修講師や講演講師としての質も高まってくる。
自分の勉強の意味でも、コンサルタント業務を行い、現場感覚を養っておくことが必要だと再認識した次第である。