与党の総裁選が連日報道されている。与党の総裁が変わるということは国の総理大臣が変わるということを意味するので、マスコミ・報道も注目し取り上げるのは当然だと思う。しかし、与党と言えども一政党内の代表争いに過ぎず、視聴者のほとんどが投票権を持っていないにも拘らず総裁候補の政策発表を公共放送で延々と放送することには疑問が湧く。与党総裁選挙の後に来る、衆議院選挙のための宣伝と感じ取るのはひねくれすぎだろうか。
さらに、総裁選立候補者の政策を並べて討論会などが催され、ニュースで取り上げられてもいる。だがそこから聞こえてくるのは、選挙の行方が政策の良し悪しで決まるという観測ではなく、結局は派閥や大物議員の影響力で決まるのだということばかり。つまり、与党の総裁選びは「政策の違いに関する議論」によるのではなく、「党内有力者による勢力争い」によって決まるということだ。政党の総裁選は政党内の主導権争いなのだから、内部で勢力争いに終始するのは勝手だが、それなら「そのほとんどが党員でもない視聴者」に向けての宣伝報道は必要最小限にして欲しい。
政策に関しては「新しく決まった総裁の下で決定される与党の政策」について取り上げたので十分。結局、世論が最大の疑念を抱いている問題には各候補揃って手を付けず、 ”党内有力者達に都合の悪い事は蒸し返さない” というのが「総裁選立候補者に共通する政治路線」となっているように見える。そこが変わらないのならば、与党の総裁が誰に成ろうが今とは大して変わらないように思えてしまう。