そよかぜ日記

写真、メモ、日常のできごと etc. 拡大できる写真も、あちこちに

二上山の地質と人々の生活

2011年09月25日 | 歴史探訪
 二上山はトロイデ型火山で、さまざまな火山岩が見られ、地質学的にもおもしろい所ですが、人々はこの地質学的特性をずっと昔から利用してきました。
 まず、この山から採れる安山岩の一種であるサヌカイトは、縄文時代の石器の中心でした。 近畿各地で発掘される石器のほとんどは、二上山のサヌカイトで作られたものと推定されています。


  サヌカイト

 二上山は現在は死火山ですが、過去には何度も噴火を繰り返し、火山灰が降り積もりました。 この火山灰は層になり、固まり、凝灰岩となっています。 この凝灰岩は、下の写真のように、登山道脇のあちこちで見ることができます。



 二上山の凝灰岩は、古墳時代の石室の石材として利用しやすく、たくさん使われています。 下は山の中腹にある凝灰岩の石切場跡に8世紀頃に造られた鹿谷寺(ろくたんじ)の跡で、十三重の塔は地山を掘り残して造成されたものです。



 また下の写真の岩屋遺跡は、凝灰岩をくりぬいた石窟で、壁面には仏像が浮彫されているのですが、剥落が著しく、はっきりとは見えません。




二上山

2011年09月24日 | 歴史探訪

  大阪側から見た二上山

 二上山は雄岳(517m)と雌岳(474m)の二つの峰からなる双峰岳で、国土地理院の名称では「にじょうざん」ですが、古来より「ふたかみやま」とも呼ばれ、歌にもたくさん詠まれています。
 双峰岳は、峰の片方が男神、もう片方が女神の宿る場所とみなされるなど、信仰の対象となりやすい山です。 特に飛鳥の都の西に位置し、日の沈む所となればなおさらです。
 天武天皇の皇子(みこ)で皇位継承争いで謀反の罪を着せられ、自害させられた大津皇子の墓がこの二上山にあることは、大伯皇女の歌
   宇都曽見乃 人尓有吾哉 従明日者 二上山乎 弟世登吾将見
  (うつそみの人にある我れや明日よりは二上山を弟背と我が見む)
と共によく知られているところです。


  雄岳山頂近くにある大津皇子の墓

 また、古墳時代から飛鳥時代にかけては、海上交通の要所である大阪湾の住吉津や難波津から政治の中心である飛鳥地方へ行くには二上山の近くを通ることになり、二上山の南には日本で最初の官道である竹ノ内街道が作られました。



 現在は竹ノ内街道のすぐ近くに、新竹ノ内街道とも呼ぶべき国道166号線が通り、この峠から山頂にかけては、「二上山・万葉の森」として整備されています。



   (地図はクリックで拡大します)

 明日は二上山の地質学的な特徴とその利用について書くつもりです。

大和葛城山110918

2011年09月19日 | 
 '11年9月18日に大和葛城山(標高959.2m)に登ってきました。 8月28日にも登り、その時にソウシチョウの移動する大きな群に出会ったのですが、レンズ交換に手間取り、写真には撮れなかったので、今回は・・・と勇んで出かけたのですが、会えませんでした・・・。
 ということで、山頂からの眺めをどうぞ。 写真はクリックで拡大します。



   奈良・大和三山方面



   大阪市内方面 積雲って大きかったんだ・・・

 大和葛城山の山頂は野生のツツジでよく知られているのですが、今は一面のススキの間に、オミナエシ、ヒヨドリバナ、マルバハギ、アキノキリンソウ、ヤマハッカなどが花を咲かせていました。

9月上旬の伊吹山登山

2011年09月08日 | 
 伊吹山に花を求めて多くの人が訪れるのは夏、2010年の7月31日に行って来た時の様子は「そよ風のなかで」のこちらに載せています。
 しかし、半月も違えば花の様子はガラリと変るもの。 いろんな時期の様子も見たいと、今年の6月中旬にも行き、今回は夏の終わりを狙って行ってきました。
 9合目まで車で行く予定が、ドライブウエイの入口まで行くと、大雨の影響で土砂崩れがあったとかで封鎖されていました。 しかたなく上野登山口(標高220m)まで回り、歩いて登ることに。
 花や虫を撮りながらで、山頂までけっこう時間がかかり、山頂のお花畑をまわる余裕はほとんどありませんでしたが、撮った花や虫などは「そよ風のなかで」に載せていくこととし、ここでは風景を中心に秋の気配の出てきた登山道の様子を紹介したいと思います。



 坂の上の雲をめざして、登山のスタートです。



 上は5合目(標高880m)と6合目の中間から山頂を見たところです。 石灰岩の山で森林の発達が悪いことが分かります。 山頂付近には、白い点々が見えますが、これは岩が露頭している石灰岩地特有の地形で、カレンフェルト(石塔原)と呼ばれています。



 上は6合目付近から登ってきた方向を撮ったものです。 3合目から下の傾斜がきつく、1合目と2合目は見えていません。



 上は8合目の西に屹立する行導岩です。 伊吹山は修験の霊場でもありました。 この岩の上で瞑目したり、岩を回る修行がなされたようです。 岩の上には祠があります。



 山頂(標高1,377m)近くからの琵琶湖の眺め。 この日は遠くまでよく見えました。

 標準のコースタイムでは、山麓から3合目までが1時間15分、山頂までが3時間20分ですが、この日は花や虫を撮りながら、1時間ほど余分に時間をかけて、ゆっくり登りました。