そよかぜ日記

写真、メモ、日常のできごと etc. 拡大できる写真も、あちこちに

古事記編纂1300年と太安万侶

2012年07月14日 | 歴史探訪
 今年(2012年)は古事記が編纂され、時の天皇に献上されてから1300年目にあたります。 これを記念して、淡路島(国生み神話)、島根県(出雲神話)、奈良県など、古事記ゆかりの地では様々な記念事業が行われます。
 古事記は、稗田阿礼が誦習していたものを太安万侶(おおのやすまろ)が編纂したと伝えられています。 太安万侶生誕の地である奈良県田原本町に行ってきました。 田原本町では、古事記編纂1300年を機に「やまとのまほろば田原本」のブランドイメージ構築を図っていました。



 太安万侶は有力豪族であった多(おお)氏の出身で、安万侶は存命中に「太」に改姓したと伝えられています。 多氏は日本最古の皇別氏族(皇室から臣籍降下した氏族)とされていて、その名は現在も地名として残り(田原本町多)、ゆかりの地には「多神社」(正式名称は「多坐弥志理都比古(おほにますみしりつひこ)神社)があります。 多氏は現在も多神社の宮司を勤めておられます。
 1979年に偶然太安万侶の墓が奈良市で見つかり、遺骨は2011年に多神社宮司のもとへ分骨されています。
 大神社は延喜式内大社で、本殿は東西に1間社が並ぶ四殿配置の形式をとっています。


   多神社拝殿


   多神社本殿

 多神社のすぐ近くに「小杜(こもり)神社」があります。 ここは多神社の摂社で、太安万侶を祭っています。 この地に古事記編纂1300年の記念碑が建てられ、2012年7月7日に除幕式が行われました。



 古事記は、内容はおもしろいのですが、現代語訳のついた本も出版されている(例えば講談社学術文庫)とはいえ、読むのはなかなかたいへんです。
 青空文庫(著作権が消滅した文学作品などを収集・公開しているインターネット上の電子図書館)には、鈴木三重吉著の「古事記物語」があります。 重厚さはありませんが、童話のような感覚で読んでみるにはお勧めです。 私はこれをスマートフォンに入れて読みました。 青空文庫を読むためのアプリを入れておくと、ルビも振ってくれていますし、しおりを挟んでくれたりと、なかなか便利です。 青空文庫も、読むためのアプリも、もちろん無料でダウンロードできます。