大阪側から見た二上山
二上山は雄岳(517m)と雌岳(474m)の二つの峰からなる双峰岳で、国土地理院の名称では「にじょうざん」ですが、古来より「ふたかみやま」とも呼ばれ、歌にもたくさん詠まれています。
双峰岳は、峰の片方が男神、もう片方が女神の宿る場所とみなされるなど、信仰の対象となりやすい山です。 特に飛鳥の都の西に位置し、日の沈む所となればなおさらです。
天武天皇の皇子(みこ)で皇位継承争いで謀反の罪を着せられ、自害させられた大津皇子の墓がこの二上山にあることは、大伯皇女の歌
宇都曽見乃 人尓有吾哉 従明日者 二上山乎 弟世登吾将見
(うつそみの人にある我れや明日よりは二上山を弟背と我が見む)
と共によく知られているところです。
雄岳山頂近くにある大津皇子の墓
また、古墳時代から飛鳥時代にかけては、海上交通の要所である大阪湾の住吉津や難波津から政治の中心である飛鳥地方へ行くには二上山の近くを通ることになり、二上山の南には日本で最初の官道である竹ノ内街道が作られました。
現在は竹ノ内街道のすぐ近くに、新竹ノ内街道とも呼ぶべき国道166号線が通り、この峠から山頂にかけては、「二上山・万葉の森」として整備されています。
(地図はクリックで拡大します)
明日は二上山の地質学的な特徴とその利用について書くつもりです。
竹内街道をクルマで進んだことがありますが、途中から道が細くなって諦めました。^_^;
檜原神社の鳥居越しの二上山の眺め、特に秋の落日は、おっしゃるように美しく哀しいものですね。
下は檜原神社のすぐ下の「下の井寺池」から撮ったものです。
https://blog.goo.ne.jp/grove_jp/e/52d58a4cb610a9623a185ab558ab9b00