そよかぜ日記

写真、メモ、日常のできごと etc. 拡大できる写真も、あちこちに

馬見丘陵公園・ナガレ山古墳

2012年02月21日 | 歴史探訪
 奈良県の広陵町と河合町にまたがる馬見丘陵公園は、4~5世紀に築造された馬見古墳群と豊かな自然環境の保全・活用をめざして、奈良公園に次いで県下2番目の広域公園として整備が進められている県営公園です。
 この馬見古墳群に属する古墳の一つに「ナガレ山古墳」があります。 被葬者は不明ですが、5世紀前半に作られたものとされています。 全長105mの前方後円墳で、発掘調査と整備工事が行われ、現在は、斜面を葺石で覆い円筒埴輪を配置するなど、築造当初の姿が復元されています。



 前方後円墳は、後円部に埋葬施設を設け、前方部は死者を祀る祭壇であったようですが、時代が下ると、前方部にも埋葬がなされるようになりました。 ナガレ山古墳でも前方部にも埋葬がなされており、その位置がレンガで示されています(下の写真)。



 前方後円墳は日本独自の墳墓であり、日本古代の秘密を解きあかす情報源としても、重要な存在です。 復元された前方後円墳を目の前にして、しばし古代のロマンに浸るのも悪くないものです。


平城京跡

2012年02月14日 | 歴史探訪
 奈良時代の都といえば平城京が思い浮かびますが、じつは奈良時代の都は、平城京 → 恭仁京 → 近江紫香楽宮 → 難波京 → 平城京と、転々としています。
 つまり平城京は2度造営されています。 朝廷の正殿であった大極殿(だいごくでん)跡も2ヶ所あり、現在は第一次大極殿が復元されています。


   復元された第一次大極殿

 平城京跡はとても広く、現在復元されている建造物は、第一次大極殿、朱雀門、東院庭園のみで、大部分は空き地です。 訪れた時にはたくさんのヒバリが飛び交っていました。



雪の千早城址

2012年02月06日 | 歴史探訪


 標高1,125mの金剛山は大阪府下の都市部からの足の便も良く、富士山や東京都の高尾山と肩を並べる登山者の多い山です。 金剛山の登山ルートはたくさんあるのですが、ロープウェイ利用者は別にすると、多くの人が利用するコースは、「金剛登山口」のバス停からでしょう。
 ほとんどの人は、バス停から山に向かって左側の、駐車場や店が並んだ谷沿いの道をとります。 しかし、このバス停から山に向かってすぐ右側に、千早城址を経て金剛山頂に至る登山道に合流する道があります。 この道は、地図上の平面直線距離にすると200mあまりに過ぎないのですが、急な石段の曲がりくねった道が、登り始めから千早城址までず~っと続きます。 道の両側は急峻な谷です。 しかしこの急峻さこそが、楠木正成の智謀と併せ、鎌倉軍を引き付け、攻めあぐねさせさせることで、手薄になった鎌倉を新田義貞が攻め落とすという、鎌倉幕府滅亡の引き金になった要因なのです。
 太平記などによれば、千人にも満たない楠木軍が立て篭もる千早城を、鎌倉幕府軍は百万と号する大軍で攻め立てますが、100日を経過しても落城させられなかったとあります。
 千早城は四方の殆どを深いに谷に囲まれ、ただ1本の細い尾根道が金剛山の山頂に続いているという、自然の地形を利用した要塞でした。 鎌倉軍は山の斜面を攻め上ろうとすれば岩を落とされ、谷をまたぐ橋を作れば、軍兵がその橋を渡っている最中に油で橋が焼かれ、兵は橋と共に谷底に落下し、猛火に包まれ、数千人が犠牲になったとあります。 周囲を囲んで水と食料を断とうとしても、城内の貯えは十分で、また金剛山に通ずる細い尾根道を利用して、修験道の行者による物資の補給もあったようです。
 また、こんな戦いもあったそうです。 鎌倉軍が攻めあぐねて膠着状態になった時、正成は夜のうちに甲冑を着せた藁人形を麓に並べ、後ろに兵を潜ませて夜明けに鬨の声をあげて矢をいかけさせます。 当然反撃に出た鎌倉軍に対し、正成は矢を放ちながら兵を城内に引かせ、鎌倉軍が藁人形に到達した所を見計らい、大量の大石を投下し、大きな被害を与えたとのことです。
 今、城址のあちこちに置かれた甲冑を着たような藁人形が、訪れた人を迎えてくれています。



 現在は二ノ丸の場所に、八幡大菩薩に楠木正成らを合祀している千早神社があります。 金剛山へ登る人は多いのですが、雪の千早城址は静寂に包まれていました。 雪上には野ウサギの足跡と共に人の足跡はあるものの、登山道に合流するまで、だれにも会いませんでした。



※ 楠木正成や赤坂城などについては、このブログの【こちら】に書いています。



金剛山120204

2012年02月04日 | 
 この冬いちばんの寒波襲来で諏訪湖も4年ぶりの御神渡りが見られたとか。 豪雪で被害が出ている日本海側の人たちには申し訳ないとは思いつつ、大阪府と奈良県の境にある金剛山の霧氷を見るにはいい機会。 とはいっても、寒波のピークに登って吹雪の中を歩くのでは、なかなか写真も撮れません。 寒波のピークを過ぎるのを待ちかまえて、今日行ってきました。
 本日の大阪の最高気温は8℃でしたが、金剛山山頂の気温は10時半現在で-4℃、風もそんなに強くなく、きれいな雪景色を見ることができました。




   まるで水墨画


   霧氷


   霧氷


   ササの葉の上の雪の結晶