そよかぜ日記

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つゆくさ

2011年08月24日 | 文芸


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  月草に衣は摺(す)らむ朝露に濡れてののちはうつろひぬとも
   『万葉集』 寄草 作者不詳

露草で着物を摺り染めにしよう。朝露に濡れた後では色褪せてしまうとしても


花の汁を衣に摺り付けて染めることを「衣に摺る」と表現しています。
露草の青は美しく、好んで染め付けに用いられましたが、色はすぐ褪せてしまいます。
この性質を利用し、現在でもツユクサの栽培種であるオオボウシバナは友禅などの下絵作業に利用されています。
ツユクサの褪せやすい色は、恋歌では人の心のうつろいやすさの象徴とされています。


ツユクサの植物学的な内容については、こちら で記事にしています。

コスモス

2010年11月07日 | 文芸
 秋はやはりコスモスでしょうか。 昨日の記事でもコスモスに関するコメントをいただきましたので、もう一枚、コメントでいただいた短歌を添えて・・・。


   コスモスの写真は 2010.11.3. 堺市南区泉田中にて撮影

 たわたわに 吹かれ乱るる コスモスは
 風道の中に あるにやあらむ
   宮 柊二

宮 柊二(みや しゅうじ)
  1912年8月23日-1986年12月11日
 宮中歌会始や新聞・雑誌歌壇の選者として活躍
 1976年に第10回迢空賞を、1977年に日本芸術院賞を受賞

はまごう

2010年10月24日 | 文芸


 はまごうの あはきむらさき いまも咲きて
 わがふるさとの 磯は変らず

生方たつゑ(うぶかた たつえ、1905.2.23.-2000.1.18.)
三重県出身。第七歌集『白い風の中で』(1957)で読売文学賞、『野分のやうに』(1979)で迢空賞受賞。

ハマゴウの記事は こちら でどうぞ。