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30年ぶり、フランシス・ベーコン展

2013-03-08 | art
待望のフランシス・ベーコン展が竹橋・近代美術館で始ま
る。生前の1983年に同館で回顧展が開催されて以来、30年
間日本では個展がなかった。その間ベーコンは1992年に没
している。

代表作がきているので、それは凄い体験だけど、点数は
30数点とこぶりだし、セレクションは割とマイルド。き
つい絵というか、えぐるような圧迫感な絵は来ていない。

近代美術館のサイトからピックアップできる絵について
書くね。


叫ぶ教皇の頭部のための習作 1952年

二つの作品がイメージソースになっていて、ベラスケスの
《インノケンティウス10世の肖像》とエイゼンシュタイン
の《戦艦ポチョムキン》で叫ぶ保母。

「ベラスケスは完璧な作品だから実物をみると手なんて入
れられなくなる」と、インタビューで話しているベーコン
が上映されていた。

実物である必要はないどころか、かえって印刷などの方が
創造の源になったのかも。彼にとって意味ある絵画、映画、
写真を記号のように作品に取り込んでいく。

評価すべき映画監督を聞かれて「エイゼンシュタイン、ブ
ニュエル、レネ、ゴダール」を挙げたそうだ。


三幅対 1991年

亡くなる数ヶ月前に描いた最後の三幅対。右端は自画像と
すぐわかる。左端はF1ドライバーのセナとも友人とも言わ
れる。こちらの現世とあちらの彼岸を行き来する様だ。影
はない。

そして中央。ベーコンのコアなんだろう。他のふたつとの
間に物語は発生しない。彫刻のような肉体、動きのあるフ
ォルム、強いのに溶解しそう、光で反射するつや。

一度みたら忘れられない絵の数々。5/26まで。

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