阿部直樹 写真展 「黒風のまえ」

銀座ニコンサロンで阿部直樹さんの写真展 「黒風のまえ」が
開催中。4/8まで。阿部さんの写真は初めて見る。抑制の効い
た白黒。人物が写っていることはほどんとなかったと思う。

都市を撮ってはるるけど、人や物語といった簡単に惹かれるモ
ノを排除し、形や構成、光と影といった要素に削られている。



いっぽう、撮影日時と場所に関しては詳しいデータがキャプシ
ョンに記述されている。場所や日時の記載は彼の写真にはほど
遠いというか、不要に思えるだけに面白い。

調布、市ヶ谷、北京国際空港の周辺で近年撮影。調布は自宅周
辺、市ヶ谷はスタジオか事務所周辺、出張か旅で行かれた北京、
と想像する。

☆

撮影場所に至っては、マンションの部屋まで特定されている。
市ヶ谷の住所を検索すると、銀座から車で10分。これは誘わ
れている、というか、行ってみたいという誘惑に一瞬かられる。

市ヶ谷のマンションで撮影された写真は4枚。洗濯ばさみがペア
平行に壁に並んでいる不思議な写真。写真を乾燥させるためでは
ないかと思い、ここはスタジオかと想像した次第。

室内の階段写真。メゾネットタイプだとすると高級なマンション
かも。あとの2枚は2階の窓から外を見る写真。電線ケーブルが細
く強い線を描く。