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ねがうこと、ゆだねること

アンドレアス・グルスキー展 日本編

2013-07-23 | photo
昨日に引き続き、グルスキー展なんだけど日本のことを
継続して撮っている。欧米以外で初めて撮ったのが日本。
1990年の国立近代美術館開催のグループ展の参加のため
来日し2点の作品を制作したんだけど、その1点がこちら;


東京証券取引所 205cm x 260cm 1990年

バブル崩壊の1年前。兜町が絶頂だった頃。いまやコンピュ
ータによる人気のない場所になっている。ここで写っている
人達は株式業界でどう生き延びたのだろう。

グルスキーにとってこの作品は転機になったそうで、モチ
ーフとして群衆が登場したこと、資本主義経済の象徴とい
える場所を対象にしようとすることが始まっていく。

海外の写真家やアーティストの作品を日本で開催する場合
の幸せな、そして意味あるケースだと思う。日本に来たの
なら日本を題材にした作品が生まれ、それが創造者に示唆
なり影響が生まれるだとしたら。

福山 305.4cm x 207cm 2004年

牛小屋のこの写真が日本の風景だと、キャプションを見て
驚く。今回の展示はキャプションが作品から離して設置さ
れているので、いったん写真を離れてキャプションまで歩
いて行く仕組みになっている。

その作品の意味を知ったり驚いたりし、再び作品を見に戻
るということの繰り返しやった。


カミオカンデ 228.2cm x 367.2cm 2007年

今回のポスターにも採用された作品なので、地下鉄とかど
こかで見たことがあったけど、実物を見て驚く。宇宙から
降りそぞぐニュートリノを受け止める大きな実験施設とし
て、小柴さんがノーベル物理学賞を受賞されて始めて知っ
た研究施設だ。

その偉容と異様よりも、ボートを漕いでる人が2人いるで
はないの。しかもパナバ帽をかぶった観光客風の。行って
みたいって検索すると一般人でも見学は可能だ・・そりゃ
行こうって思って調べはじめた時、やられたって思う。

デジタル加工で二隻のボートと人達が追加されたのね。作
品全体も彼が表現したい様に手が加えられている。5万トン
の純水で充たされた水面を、一般人がボートに乗れるわけ
ないか。まさに写真を使った画家やね、彼は。

展示会のサイトはこちら。ART iTによるインタビューは
こちら。9/16まで。


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