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ねがうこと、ゆだねること

『なぜ動物を観るのか』

2009-12-11 | art
ライアル・ワトソンの『思考する豚』が
何度か引用しているジョン・バージャーの
『なぜ動物を観るのか』(1977年)という批評が
『見るということ』(ちくま学芸文庫)に収められている。

動物を観ること、動物から観られることを
絵画論や動物とのかかわりの希薄化など縦横無尽に駆け巡る;

「動物と言葉を交わす能力が欠けているのは人間であるという確信がしばしば生じる」
「絵画の最初の主題は動物であった」
「いたるところで動物は説明に使われている」
「擬人化は動物の譬を乱用した名残である」
「人間が動物を知れば知るほど、彼らとの距離は遠ざかる」

動物に出会ったからといって、動物のことが理解とは限らない。
それは事実に出会ったからと言って、真実がわかると限らないことに似ている。

もちろん動物との接触を(とくに豚と)いろんな形で実現したいが。



著者のジョン・バージャーは
御年80歳を超えた1926年ロンドン生まれ。
Gという小説がブッカー賞をとり(1972年)
詩や映画TVのシナリオも書くそうな。

本書は大学でのテキストに頻繁に利用されている
とのことだから、そんな頃に本書に出会える学生は
ちょっと羨ましい。

BBCでもシリーズ化されたようで(1972年)、
一部はたまたま見れる。今度じっくり見ようっと。

松岡正剛の千夜一夜にブログの命名者は
ジョーン・バージャーとの記述があるけど別人かも?

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