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井上孝治・第一写真集『思い出 の街』

2015-04-03 | photo
昨日書いた、井上孝治さんの最初の写真集『思い出
の街』(河出書房新社 1988)は1955年(彼が36歳)
から3年間のストリート写真。

なにもかも変わったと思う。着るもの、髪型、顔形。
建物、車。土だらけの地面。木村伊兵衛さんを「心
の師」と仰いでいたとは、乗り移った様だ。



写真を撮る人へのまなざし・・今ではなんで写真撮
るんだというご時世で、カメラを向けることさえは
ばかれる。

撮影後の約30年後、博多の百貨店「岩田屋」のキャ
ンペーンで、昭和30年代の写真を探していた。提案
したのは中畑貴志さん。



たまたま息子さんの一(はじめ)さんによって「発
見」されて新聞、テレビ、ポスターに採用。開始直
後から大反響だったそうだ。1989年、年号が昭和か
ら平成にかわった年。

写真展も開催する運びとなり、井上孝治さんは地元
の新聞やテレビで相次ぎ取り上げられ「一躍時の人
」になっていたそうだ。そして本写真集出版に。



昨日書いた黒岩比佐子さんが詳細な年譜を担当。こ
の時は10年後、取材を再開して評伝にまとめるとは、
誰も知る由もない。そして黒岩さんも井上孝治さん
も鬼籍に入られた。合掌。



孝治さんは一さんがプロの写真家になったことをとて
も喜び、誇りに思ってらした。スタジオを博多に構え
商業写真家として成功されているそうだ。

一さんはお父さんの写真美術館「井上孝治写真館」
設立。糸島郡志摩町といって博多から北のはずれ、玄
界灘に面する丘の上にあるそうだ。



完全予約制。設計は柿沼守利さん、故白井晟一さんに
師事した方。行ってみたいなぁ。

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