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光州事件の舞台化「ちゃんぽん」

2012-01-26 | art
第2回日韓演劇フェスティバルを観る。
日本演出者協会と韓国演出家協会が主催。
日韓の演劇文化の交流を深め、両国関係を
考えることを目的としている。

2009年に第1回が開催されて、今回は
東京、大阪、福岡で開かれるそうだ。
観たのは『ちゃんぽん』。

ご案内をいただいた広田豹さんが演出・出演の
「リーディング in ホワイエ」。
つまり台本を持ちながら、読み合わせ
をするような舞台稽古風なもの。

衣装、音楽、小道具は充実していたし、
ちょっとした演技付だったので、ないのは
大道具くらいで十分楽しめた。


広田豹さん

1980年の市民と軍隊の衝突「光州事件」を
笑いとばしながら真実に迫っていく。

どういう背景だかの説明も簡潔にされていて、
言論統制がなされたとか、軍事独裁政権だったとか、
予備知識なしでOK。

原作はユン・ジョンファンさん。2004年の初演以来、
韓国では何度も上演されていて小さい舞台だけなのに
観客は10万人を越えているそうだ。


韓国の舞台写真から。

中華料理店が舞台で、お金をためてやっと店を
もてた主人公が開店2ヶ月目で遭遇する光州事件の
数日間を描いた物。

戒厳令下、軍隊が市民を守らないどころか攻撃してくる。
主人公はうろたえ自分達や店を守ろうとするのが、
最後には店のスタッフで軍部の衝突にかけつける
変化が描かれる。

食のシーンも多い。韓国のちゃんぽんは唐辛子で赤い。
料理店のスタッフが軍部に尋問されて好きな料理は
ちゃんぽんと答えることで「赤だ、北のスパイだ」と
決めつけられる。



去年のニコンの第36回目伊奈信男賞の最優秀作品賞が
韓国の写真家李尚一さんで、光州事件をずっと追っている
作品だったことはここに書いた。

小説、映画、テレビをはじめ様々な形で取りあげられている。
人々の心の奥に沈んでいるんやろう。どう向き合っているの
だろうか。

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