Sの動きまとめ

　FAによる補強もスタータークラスは高年齢や怪我人などの悪条件が無い選手は大方売れましたし、ドラフトまでは大きな動きは無いのでしょう。


　このオフ、一番大きな動きが有ったのはSになります。
UFAだったNate Allen,Kurt Coleman,Colt Andersonの3人のうちAllenとは再契約しましたが、ColemanとColtは放出。Patrick Chungをカットして現段階で3人抜けました。
　NOからMalcolm Jenkinsを獲得、SEAからChris Maragasを獲得して2人加入。
　去年から契約が残っている2年目になるEarl Wolff、12月に契約したものの試合出場は無いKeelan Johnsonの2人。現在4人のSがロスター上に登録されています。


契約切れでUFA　　Kurt Coleman　　Colt Anderson
カットしてFA　　Patrick Chung
契約切れから再契約　　Nate Allen（1年2ミリオン）
FA市場から契約　　Malcolm Jenkins（3年16ミリオン）　Chris Maragas（3年4ミリオン）

　
　デプスチャートを作るとこうなります
SS　Nate Allen　　Earl Wolff　　Keelan Johnson
FS　Malcolm Jenkins　　Earl Wolff　　Chris Maragas
　2巡指名後4年間スターター経験の有るAllen、1年目はCBで2年目から4年間FSのスターターだったJenkinsの試合経験に問題は有りませんが、Wolffは怪我も有って11試合出場6試合スターターの2年目。KeelanとMaragasはST専用でしょう。
　能力で見れば、Jenkinsは平均的～平均よりやや上のFSと言った所。Allenは平均よりやや下～平均レベルのSSで相場は固まっていると判断します。Wolffの1年目はミスの多いルーキー、身体能力の高さをまだ活かせていません。Allenとどちらが上か？越える可能性も有るでしょうけれど、まだAllenが上だと思います。AllenとWolffでSSを争う事になるのでしょう。
　上位3人でスターター争いをするはずです、3人ともSS,FS兼任で使える事になっています。ST要員として残る2人が争う形で最終的に4人編成（またはST重視で5人編成）になると予想します。


　ここにドラフトでスターター候補の上位指名を加えるのか？または素材型・ST要員的な下位指名を加えるのか？を考えてみます。
　AllenとWolffでAllenが上とコーチ・フロント陣が考えているならば上位指名も有るでしょうけれど、Allenに期待しているなら1年契約ではないはずです（競合が有る状態ではないでしょうし、今年我慢して来年大金貰うJeremy Maclinのような形の1年契約ではないはず）Wolffの2年目に期待している、Allenは育つまでの繋ぎ兼バックアップ。そう考えているのならばWolffとJenkinsを組ませて開幕を迎える。Wolffが期待通りの成長をしていなければAllenで我慢する。保険としてのAllen再契約の可能性が高いような気がしてきました。
　今年のドラフトで取らないとしてもAllenがまたFAになりますし、来年もう一回中期的な補強は再検討する事になります。Wolffの成長をもう1年待って来年のオフに判断する、こう考えると今年のドラフト上位指名は他のポジションに使う（または使える）状況のように思えます。

　逆に、上位指名を使う予定だからFA市場で大金を使うトップ3に行かず、次のグループのJenkins+Allen再契約で我慢した。とも考えられます。チームがWolffを買っていない場合は嫌でも指名する事になります。
　Wolffが怪我で欠場したシーズン後半にディフェンスが立ち直った事をどう評価しているのか。前半の頑張りを見れば悪い評価ではないと思いますけれどね・・・


　プロボウル級の選手は居ませんが、スターターになれる選手を3人用意しました。ここに上位指名のスターター候補を加えるも良し、このまま3人で競わせるも良し、下位での素材型ギャンブル指名をするも良し。Sに対するドラフト戦略は柔軟でしょう。ただ、LBとSのST要員はたくさん居るのでそう言う指名は必要有りません。

噂の段階で騒ぐような事ではないのに

　DeSean Jacksonをトレード候補として売りに出している、そう言う情報があります。

　キャリアベストの1332ヤード9TDを記録し、繰上げですがプロボウルにも出たシーズンの後に売りに出す。27歳と言う事を考えても、今売る意味が分かりません。
　Nick Folesとの相性が合わない可能性を数字で調べると、Folesが出て20パス以上投げてる5-7週と9週以降+ワイルドカードプレイオフの12試合で926ヤード7TDで平均77.2ヤード、Michael VickとMatt Barkleyが主に投げた1-4週と8週の5試合で456ヤード2TDで平均91.2ヤード。平均で14ヤードの差が有りますがTD率はほぼ同じです。1試合14ヤード、あまり大きな違いではないと思いますけれどね。
　10ミリオンを越える給料が問題としても、プロボウルに人気ではなく実力（数字）で出た事を考えれば、高すぎる訳では有りません。
　Chip Kellyの方針とDeSeanの人間性が合わない。最初にDeSeanトレードの話が出た時の理由はここでした。ただ、お馬鹿なお調子者ですけれど、練習しないとかチーム内に不和を起こすような事件は聞いていません。給料面でごねた事も有りますけれど、再契約後はそれだけの活躍をしています。

　1巡+3巡程度のオファーが有れば考えても良いですけれど、今回の噂では2または3巡と言う事ですから、全く持ってお話になりません。こんな安く27歳全盛期のプロボウラーを売るなんて言う暴挙は余程の裏（薬物や逮捕されるような事件）が無ければ受け入れる事は出来ません。
　こういう形で公になってしまう事でフロントまたはコーチと選手の関係が壊れてしまい、放出するしかなくなってしまう。今回のトレード話、Eaglesのフロントから出た物なのか、何か意図の有る他者からのリークなのか。Eagles側からDeSeanをこんなに安く売る理由が有るとは思えないです。

Allenと再契約

　2010年のドラフト2巡指名でUFAになっていたNate Allenと単年契約で再契約しました。速報では2ミリオン（サインボーナスなど不明）と言う事です。

　お値段としては4年スターターを続けた選手として考えれば安く、能力として考えても高くは無い（このオフはST専用のような選手に2ミリオン強払っているのですから）そう考えれば、S陣総入れ替えでの補強と言う願望とは少し違う形になりましたが、Patrick ChungをMalcolm Jenkinsに入れ替えた事でのパワーアップは果たしたと言えるでしょう。

　過去のAllenはレシーバーとの体の入れ方が下手で簡単に弾き飛ばされるカバー下手、プレイアクションに面白いように引っかかる判断の悪さ、この致命的な欠点が直らなかったのですけれど、2013年システムが変わるとスロットレシーバーに対峙したり、ゾーンカバーでもある程度のカバーを見せるようになりました。一番改善されたのはタックルでオープンでのミスタックルが減り、最後尾のランディフェンダーとして起用できる選手になっています。
　SSにAllenでFSにJenkinsの並びは悪くないと思います。Earl Wolffを加えた3人でのスターター争いと考えれば、ドラフトで必ず上位指名権を使う必要は無くなった（もちろん、上位で指名する可能性は残っています）と好意を持ってAllenの再契約を受け止めます。


　Allen,ChungのスターターコンビにKurt ColemanとWolff,ST要員Colt AndersonのS陣がAllen,Jenkinsのスターターコンビ、WolffとST要員Chris Maragosに変わった。C-からB-かBくらいにはパワーアップしたと評価します。

もう一人、スタータークラスを

　Eaglesのオフシーズンの動きを並べてみます

　UFA　
QB Michael Vick　　未契約、スターター待遇のチームは無く、ドラフトまでFA市場に残る可能性。再契約の可能性も有り。
WR Jeremy Maclin　　1年5.5ミリオンで再契約
WR Riley Cooper　　5年22ミリオンで再契約
DE Clifton Gathers　　WASと契約
S　Nate Allen　　未契約、チーム訪問などの噂は聞きません。
S　Kurt Coleman　　未契約、チーム訪問などの噂は聞きません。
S　Colt Anderson　　未契約、ST要員Chris Maragasと契約したので再契約しない模様。
P　Donnie Jones　　3年6ミリオンで再契約

RFA
OLB　Phillip Hunt　　RFAオファーはしていない模様。

ERFA
DE　Cedrick Thornton　　ミニマムの単年契約で再契約、来年はRFA。

　カットされた選手
WR　Jason Avant　　Cooper.Maclinの再契約後に解雇。UFAのまま未契約。
S 　Patrick Chung　　Jenkins加入後に解雇。UFAのまま未契約。

　契約延長をした選手
OT　Jason Peters　　4年41ミリオンで契約延長。
C 　Jason Kelce　　6年37ミリオンで契約延長。

　FA・トレードで新契約した選手
FS　Malcolm Jenkins（元NO　　3年16ミリオンで契約
S/ST　Chris Maragas（元SEA　　3年4ミリオンで契約
LB/ST　Bryan Braman（元HOU　　2年3ミリオンで契約
RB/KR　Darren Sproles　　NOとトレード、3年10.5ミリオンで契約
CB　Nolan Carroll（元MIA　　2年5ミリオンで契約

　
　10ミリオン級の大物は取っていませんが、中堅スターターJenkinsの獲得、2年間MIAでスターター扱いだったCarrollにマルチタレントSprolesの加入。FAでも悪くない動きを見せています。

　人数的に、Sが4人流出で2人加入なのでEarl Wolffが居る事を考えてももう一人は取る必要が有ります。
　CBはCurtis MarshやRoc Carmichaelを頼る必要が無くなりました。ダイムまでの4人の平均点はかなり高いユニットです。ただLCBでエースWRとは戦えません。
　LeSean McCoyのバックアップにSprolesが入った事が飛び道具なのかMcCoyの負担軽減になるのかはChip Kelly次第です。
　OLはあと3年間同じメンバーでユニットを組む事が出来ます。ただ30歳以上の3人が何年やれるかは怪我などフィジカルコンディション次第でしょう。
　WRはCooperとMaclin残留+DeSean JacksonのユニットでAvant放出。
　動きとしてはこんな感じでしょうかね。まだキャップに余裕はあります、DE/OLB Robert Ayers、S Chris Clemons、S Major Wright辺りですかね、欲しいと思うタレントは。

CB補強（ただしDimitriに負ける）

　MIAからUFAになっていたCB Nolan Carrollと契約合意したようです。

　Maryland大から2010年5巡指名でMIAに入団、3年目の2012年からスターターに昇格しています。ドラフト時のデータは身長5-11 1/2で204ポンド、プロデイで40ヤード4.42、ショートシャトル4.21、スリーコーン6.81、垂直飛び37インチ、幅跳び10フィート3インチ、ベンチプレス17回を記録しています。
　27歳で13シーズンは16試合出場で12試合先発、47タックル3INT2サック11PDの成績。懐かしのDimitri Pattersonと2番手CB争いをしていて、Dimitriが元気な時は3番手だったようです。

　書いてる途中に詳細が出ました。2年5ミリオンと言う事ですし、実績を見てもBradley Fletcherと良い勝負のNo2CB程度の選手になります。3番手ならBrandon Boykinが居ますし、スターター候補なのかちょっと微妙な感じです。
　実は、FA2日目が終わった段階でCBのFAリストを見ていて若い事と身長（公称6-0）から取りそうな候補に入れていたのですけれど、本当に取るとは思いませんでした。
　スターター確定でもないですし、ドラフトでCB取り損ねた場合の保険でしょうかね。悪い契約ではないと考えます。