卓袱台の脚

団塊世代の出発点は、狭いながらも楽しい我が家、家族が卓袱台を囲んでの食事から始まったと思います。気ままな随想を!

M210510 PHILIPPE 軽合金ステム 65mm

2021年05月09日 16時16分32秒 | Marchel

M210510 PHILIPPE 軽合金ステム 65mm

 

 

1970年代のヴィンテージなラグドスタイル、軽合金ステムです。OEMのミルレモや同系のATAXにもある一部分が朱色にペイントされたオシャレなステムです。エクステンションは実測65mm、クランプ径Φ25.0mm、ステム径Φ22.0mmのフランスB.N.A規格のものです。ステアリングコラムに挿入した部分には擦れたキズの痕跡のある中古品になります。著しいキズは見当たりませんが、引き上げボルトの座金逃げの切れ込み当たりに研磨・修正の跡が見られます。古いものですので、他に僅少のサビ・キズはありますが、ヒビ・割れもなく実用出来るものです。エクステンションの両側に「PHILIPPE」の刻印があります。メイン写真のものが全てになります。

 

 

(PHILIPPE 軽合金ステム 65mm(左側))

 

 

(PHILIPPE 軽合金ステム 65mm(右側))

 

 

ATAXは、南フランスのリヨンの工業地区にあるOullins(ウラン)に拠点を置いた会社です。ATAXとPHILIPPEの名前でステム・ハンドルバーを製造していました。また、「SPIDEL」用に、ステムとハンドルバーのPHILIPPEモデルも製造、供給しました。

 

「SPIDEL」は、1970年代後半から1980年代前半にカンパニョーロ、シマノ、サンツアーに対抗してフランスの主立ったメーカーにより形成されたトップエンドのコンポーネントグループでした。その名称はメタブランドで、それ自身はコンポーネントメーカーではありません。マハック、マイヨール、ストロングライト、サンプレックスが主力メンバーで、その後終焉を迎えたマハックに代わりモドロが参加、前述のようにPHILIPPEも参画、スーパーチャンピオンも一角を担ったとされています。SPIDELブランドの製品は、フランス最高のコンポーネントを目指しましたが、かつて繁栄した業界の最後のコンポーネントになりました。競技車として世界的に飛躍しつつあったカンパニョーロのイタリアン規格、シマノのJIS規格を迎え、また、1980年代のBMXを含む革新的な変化に抗うことができず、汎用性に欠けたフランス規格のパーツメーカーは姿を消していきました。

 

リタイア後の ゛戻りサイクリスト ゛として、それ以前数十年のブランクがあったAとしては、SPIDEL製品を見たことはありませんでした。ただ歴史の波に飲まれていったフランスメーカー、MAFAC、SIMPLEX、ATOM/マイヨールを懐かしむだけです。

 

 

(PHILIPPE 軽合金ステム 65mm 上部より)

 

 

(PHILIPPE 軽合金ステム 65mm 部品分解図)

 

 

(PHILIPPE 軽合金ステム 65mm 後部穴あき)