2025年 自作アルスト ゛Solo Camper ゛燃焼データ
(アルスト2種の本体データ比較)
「燃料用アルコール」は、揮発性が高く、引火性も高い液体燃料です。ほぼメタノールが主成分で、毒性が高く、目に入れば失明、誤って飲んだ場合には生命に関わる危険のあるものです。しかし、キャンパーにとっては、燃焼時、高カロリー、刺激臭が少なく、低コスト、単一成分のためススなどが少ない、有り難い液体燃料でもあります。
アルストの中には、スクリューキャップで使用後の残った燃料を密閉、持ち運び出来るものもありますが、Aの「自作アルスト」は、上記の液体の性質上、都度、使い切るのを良しとしています。そのため、湧かす、炊く、蒸す、揚げる毎の燃焼時間の目安が必要となり、今回のデータ取りとなりました。燃料が多く入る容量のものが、燃焼時間に余裕があるのは当然ですが、10ml単位で使用する微妙な量で燃焼時間に差が出るアルストの特徴を具体的に把握しておくのも、面白いと思いました。
今回使用した「自作アルスト」はアルミビール缶で、中央炎孔直径・ジェット孔Φと数は、50個以上試作した中より決めたもので、長時間燃焼を求めた結果でもあります。中央炎孔直径は、大きいものは着火しやすく、大きく強い燃焼を生み出しますが、時間は短くなります。小さい15~20mm位のものは着火しづらく、一度着火しても直ぐ消えてしまうものや、プレヒート時間に随分な時間を要するものがあり、帯に短しタスキに長しと言ったところです。今回取り上げた2種類は、自作しやすく、強度もあり、周辺機材も百均などに多く出回っているサイズのもので、非常袋に忍ばせておくには、もってこいと判断しました。
(自作アルスト H48のデータ取得中)
【 データ取得方法 】
〇 燃料のそれぞれのMax容量は、「2023年 自作・空き缶アルコールストーブ」(2023.8.29)の上部パーツに挿入直前の蛇腹状態の下部パーツ(底部)に燃料を入れて計量しました。
〇 計測環境、全く無風の自宅個室で、照明の点消灯で着火・予備燃焼(プレヒート)・本燃焼・消火を確認しながら行いました。燃料計量は、100mlガラスビーカー(20ml~100mlまで10ml毎)を用い、着火は、チャッカマン使用。時間計測は、スマホのストップウォッチ、00′00″を使用しました。燃料は、小堺製薬(株)燃料用アルコール「ネンコール」を使い、スチール角型トレー上にアルストを載せ、燃焼させました。
〇 「プレヒート時間」は、着火から本燃焼に移るまでの時間、「総燃焼時間」は、着火から消火までの燃焼時間、「本燃焼時間は」、「総燃焼時間」から「プレヒート時間」を差し引いた時間です。
〇 時間計測において、「ちょうど(00)」と「30分(半)」のそれぞれ前後10秒以内は、繰り上げ、繰り下げを行い、チョット大雑把ですが分かりやすくしました。15秒は、たまたまです。
アルコールストーブの構造として、ジェット孔の下には中隔壁があり、気化室によりジェット噴出を作り出しています。燃料が多く入っていれば、気化室のスペースは少なく、着火より本体と中隔壁の暖まる時間は長くなり、プレーヒート時間は伸び、本燃焼時間は怪しくなってきます。一概に多燃料容量が良いとは限りませんが、同量の燃料で燃費の良いのは、明らかに「SC250221H48」です。10mlの差が、良質な燃費を生むのは、気化室のスペースなのでしょうか?
インスタントラーメンに必要な湯量は400~500ml、写真の小型コンロで500mlの水を湧かしたところ、10分一寸で湧きました。
(H48で500mlの湯沸かし中)