卓袱台の脚

団塊世代の出発点は、狭いながらも楽しい我が家、家族が卓袱台を囲んでの食事から始まったと思います。気ままな随想を!

地 理 学 サ ロ ン

2013年02月24日 18時34分24秒 | 日記・エッセイ・コラム

 2月19日晩、久し振りに矢延洋泰先生よりメールを頂いた。それまで何度かお誘いをいただいていたが、よく内容の判らないままタイミングが合わず、失礼していた「地理学サロン」への招待メールでした。


 同期の馬の合う仲間が数人グループとなっていた学生時代、矢延さんは、ある理系大学を退学しての入学で、歳は私より2つ上です。私も1年遊んでいましたので、新卒入学者より3歳年上でした。落ち着いた感じの雰囲気が、社会人を感じさせ、知的な兄貴株を漂わせた「学究の徒」でした。4年でさっさと社会人になった私達とは別に、……以後5年留まって博士課程に進んだ……とは、後から知りました。官費でシェナ大学(イタリア)へ短期留学する時に、お見送りに行きました。その時、留学先よりお礼の書簡を頂きました。書簡と一緒に、彼の論文が載っていて、環境問題を主に取り上げた「技術と人間」という雑誌が同封されていました。表紙に、私へ…との矢延さんの署名がありました。今も、本棚の隅に、ひっそりと置かれています。




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  (招待メール)



 サロンの開始時間まで、神宮外苑で時間を潰すことにしました。真っ青の快晴の空に、この時期には珍しい温かい太陽が、昇っていました。この近辺は、仕事でうろつくことはありますが、暇に任せて歩くのは、何十年振りでしょうか? 冬枯れの銀杏が幾何学模様を描いて、目に飛び込んできます。国立競技場では、何かイベントをしているらしく、人々の歓声がフェンス越しに聞こえてきました。



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(神宮外苑 冬枯れの銀杏並木)



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(国立競技場のフィールドでは?)



 日本青年館の脇に、公園と言うには余りにも小さい広場がありました。陽光に誘われてベンチに腰掛けました。足の長い、スタイルの良いモデルさんが、数人のグループの中で撮影されています。競技場に向かう人々のざわめきが肩越しに…、耳に心地よい響きです……。30分ほど、うたた寝して、大学会館に向かいました。


 大学会館7階の会場には、今回で126回になるサロンの発起人の方と世話役、そして矢延さんがおり、二人に紹介されました。3時半まで三々五々、20名ほどの参集者です。中に、まだ小さい子供を2人連れた夫婦連れの方もおります。お互いに声を掛け合い、名刺交換している方々もおります。部活動のOBとして数回訪れた母校ですが、この手の集まりには初めてのため、少々場違いな雰囲気を感じるのは、否めません。学舎(まなびや)を後にして40年……、社会に巣立って、それぞれの道を歩んで来ましたが、畑の違いを今しみじみと実感します。


 タイトルに沿った20ページほどのレジュメ・資料を基に、2時間ほどの矢延先生の講義(発表)がありました。初めに配られたお茶のボトルの他に、飴やお菓子が回ってきます。また、回覧自署の参加者リストには小箱が付いており、「お一人200円」の文字……が! 手弁当の同好の講座会という雰囲気だが、子供の声の他は、咳払いも聞こえない。長年教壇に立って、人の気を逸らさない話術の一端をまざまざと見せつけられた。 ゛ 彼は、これで飯を食ってきたんだなぁ~ ゛と思う瞬間だった。


 6時に終了。以後、場所を変えて、発表者を交えての「シンポジウム」という、液体を介しての第2部が予定されていたが、私は遠慮した。矢延先生にお礼を述べ、久々の充実感を胸に、会館を後にした。


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