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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

ヨツボシオオキスイと千

2008-06-08 | その他あれこれ
・午前中は天気がもちそうなので、子どもと虫捕りにいく。クワガタはいなかったが、”ヨツボシオオキスイ”だと思われる、これまたマイナーな虫がいた。我ながら、だんだんとマニアックな虫に詳しくなってしまうなあ。



・千と千尋の神隠しのDVDを借りて、家族みんなで見た。どこがいいのかうまく言えないのだけど,この映画は何と観てもイイ。初めて観た下の子は感情移入しすぎて,途中で泣いてしまった。どうでもいいけど、”顔なし”が怒り狂いながら千に迫る様子が、キマワリの動きに似ていると思うのは当方だけであろうか(「細かすぎて似てない物まね」的だけど・・・)。

バードウォッチング事始

2008-06-07 | フィールドから
・教養学部の学生を迎えての実習。午前中は「都市の鳥」と題して、I先生による講義と実習。スズメ、ハシブトガラス、キジバトという最も基準となるところから始めていただいたので、当方にとっては分かりやすかった。試験地内にはシジュウカラが雛とともに忙しくさえずっている。双眼鏡を使うのは、皆さん初めてだったようだが、使用方法を丁寧に教えてくれたので、徐々にみんな使いこなせるようになった。

・当方にとっては、オニグルミの開花調査で使っていたので、多少は慣れている。開花調査では、眼鏡を外してみていたのだが、今回、眼鏡をかけたまま双眼鏡を使う方法を会得した。シジュウカラはなるほど黒いネクタイをしているような姿。小さい上にあまりにも忙しく動き回るので、双眼鏡に入れるのは大変である。

・試験地をぐるっと回った後、今度は試験地の外に出て市街地で観察。試験地の外に出るという行為は、当方にとっては意外と新鮮であった。実習中に見れたのは、スズメ、ハシブトガラス、キジバト、ドバト、ツバメ、ムクドリ、ヒヨドリ、ハクセキレイ、エナガ、コゲラ、メジロである。

・当方が一番感動したのは、コゲラを初めて見ることができたことである。ごく小さなキツツキなのだが、試験地内には30年くらい前から生息しているそうだ。実に愛らしい姿をしている。観察後、鳥とはどういう生物かという講義をしていただいたのだが、これもまた、非常に面白かった。

・午後からは植物ということで、武蔵野を代表する樹木種と実をつける植物を中心に解説。なぜか、「食べると美味しいか否か」という基準で解説すると不思議と理解できるらしい。食欲はやはり、根源的な欲求だからだろうか。ちなみにまだ青いけれど、熟したヤマモモは食べると美味。屋久島ではヤクザルが食べて、種子散布する話をTさんが学会でしていたのを思い出した。



・最後は標本の作りかたを伝授して、実習終了。今回の実習では、当方も少しずつ、樹木が同定できるようになった。一つ一つの樹種についてのこぼれ話も少しずつ覚えていきたいところである。

シデムシの恋

2008-06-06 | 研究ノート
・トドマツ交雑論文をいよいよ投稿しようという段になって、投稿先を変えなければいけないことが判明。全て当方が投稿規程を熟読していなかったのが悪かったわけだが、これはさすがに”がっくり”である。それにしても、最近の投稿システムはどれもこれも面倒である。テキストがワード指定になっているのはまだ許せるとしても、Tableまでも個別にワードのファイルにすることになっている。最初のレビューはPDF一発の方がお互いによほど簡単だと思んだけどねえ。

・Lさんと打ち合わせ、最終的には指数べき分布の結果は論文中では掲載せずに、考察で触れる程度にすることに。これでモデル記述もだいぶすっきりとなった。昨日の執筆作業は結局のところ不要になったのだが、こうした”書いては消し”の作業はヤチダモ論文で(花粉親総説論文でも)散々にやってきたので、当方にとっては慣れっこである。最終的にいいものに仕上がることが一番大事なので、そういう努力はいとわない。2時間ほどで改訂作業は完了し、Lさんに送信。

・再び、交雑論文の仕上げ。Tableのワード化はいったんエクセルにしてから単純に貼り付ければよさそうであることが分かった。Iくんにも最後まで面倒をかけてしまった。それにしても、いったんエクセルにして、ワードに貼り付けないといかんとは、なんたることであろうか。

・帰る前に試験地を散策。だいぶ蒸し暑くなってきた。オトシブミの残したゆりかごが目に付く。図鑑どおりというか、なんとも見事な製作品である。



・足元に何か甲虫がいると思ったら、交尾中のシデムシ。よく見ると、交尾中の二匹のすぐそばに、別の一匹がたたずんでいる。恋に破れた雄(と、当方は勝手に思っている・・・)におもわず感情移入しそうになったわけだが、試験地内には実にシデムシが多いので、実は全然関係なかったりするのかも・・・。


モデル記述

2008-06-05 | 研究ノート
・Lさんからマングローブ論文の修正原稿が送られてきたと思ったら、すかさず、H先生からモデル記述に関するご指摘を頂く。よく見ると、なるほど指摘された部分はその通りである。モデル部分の記述というのは慣れないとなかなか難しい。久しぶりに自分のヤチダモ論文、Austerlitz et al. 2004Mol Ecol、Bucrzykの論文など各種を机の上に並べて、うんうんとうなりながら作業する。ワードの挿入から数式エディターを駆使して複雑な式を書くのだが、これも慣れないとやたらと時間がかかる。

・今回の花粉と種子の散布モデルは、2成分正規分布に加えて、指数べき分布も動くようになった。というよりも、うまく推定できなかったのは、尤度を求める式の全体にexponentialがかかっていたというオチであった。道理でめちゃくちゃな平均値になるはずである。指数べき分布で求めた平均値は2成分正規分布で求めた値とかなり近く、指数べきのAICの方が少し高いという理想的な結果である。これで、2成分正規分布を使うことの妥当性が証明されるようになったわけだが、その分、モデルの説明が複雑になって、あたふたと修正しているという状態。

・Uくんからウダイカンバ繁殖成功論文がメジャーrevisionで戻ってきたという知らせ。最初からして、”I agree with the reviewer that this is a nice paper”と来るのだから、リジェクトの場合とは厳しさが全然違う。テーマがreviewerの好みと合ったこと、GLMMがらみの解析が理解されたこと、サンプル数が多かったこと、などがよかったようだ。Major Revisionだけに気を抜かないようにしないといけないが、やはり評価されるとやる気もでるというもんだ。

・いよいよ帰ろうと思った途端、窓の外がなにやら音がすると思ったら、いきなりの土砂降りである。梅雨とはいえ、このタイミングの悪さ、相変わらずである。夜になって、Iくんからトドマツ交雑論文の最終原稿が送られてくる。もう一度プリントアウトして再チェック。この期に及んで、まだ細かい手直しを行っているわけだが、さすがに、今晩で完了となりそうである。いよいよ明日は投稿だ!

富良野トンボ

2008-06-02 | フィールドから
・惜しいところで芦別岳の山頂は雲に隠れているが,朝から晴天である。今回はエゾマツ播種実験の実生発生調査の第一回目ということで,当方を含めた教員4名,久しぶりに再会したTさん,樹木園のOさんにも同行してもらって,12林班の試験地へ行く。富良野の新緑の清清しさは例えようがないほどである。そういえば,本州から来た人達を案内するたびにみんなが感動していたのを思い出した。この時期ならではの醍醐味である。

・現地到着。まだ虫も少なく,快適である。最初のプロット高標高の地がき地(HS-1)を調べる。いきなり鹿がピート板に足跡をつけている。ふーむ,まるで実生らしきものは見えず,草本の芽生えがちらほらとあるだけである。こいつは試験そのものが成り立っていないのでは,という恐ろしい疑念が生じてくる。



・次のプロットに行くと,今度はピートブロックを見ていたSさんが何やら忙しそうにしている。もしかしてと思ったら,なるほど数本のエゾマツ実生が頭をもたげている。などといっていたら,本当は出てこないはずの直播で実生がぞくぞくと発見されたり・・・。やはり実生が見つかると騒がしくなってくる。どのように記録するかについて,作業を続けつつあーでもないこーでもないと議論。結局,発見された実生の全数をカウントし,そのうちの被害を内数としてカウントすることに決定。

・被害は,上部を切り取られるもの(虫・鳥・動物??),根ごと浮き上がるもの(抜け),立枯れ病,くらいに分類されそうである。とりあえず,なるべく詳細に記載することに決定。全体として,直播(秋)が結構発芽している。また,見てくれは決して良くない(失礼・・・)ピートブロックが意外と健闘している。凹凸のある形状が発芽実生まわりの超微気象をマイルドにしているのであろうか・・・。

・天然林になると,日当たりが悪いせいか,実生の発生数がさらに少なくなり,調査も淡々と進む・・・。といいたいところだが,面子が面子だけに終始にぎやかである。当方提案のピート板は、地がき地よりも天然林内の方が成績がよい(フラットな地形が影響しているのか??)。地がき地では、枠のすぐそばの端っこでしか発芽しなかったのだが,天然林では真ん中付近からも発芽している。林内では、ササはかなり丁寧に刈っているのだが,直播はかなり厳しそうである。

・低標高は実生数がさらに多くなり,中には200種子中80種子も発芽している処理区もあった。多くなるとカウントするのも大変であるが,その分,充実感はある。処理による違いも明瞭になりそうな予感で,何となく研究として成り立ちそうな気がしてきた,といったところ。



・Kさんが昆虫のトラップを見たいというので立ち止まったところで、オオカメノキの花が満開である。ちょっとのぞくと、花に見せられた昆虫達が乱舞している。甲虫類も多く、やはり生物相が多様であることを実感させられる。これを子どもに見せると喜ぶんだがなあと思いつつ、デジカメで撮影。この写真をよく見ると、ハナグモらしきものがアブ?を捕食している。

・午後から苗畑での播種試験の実生調査枠の設置と試験区の確認。秋に議論して計画したはずの試験設計をみんなが忘れていたりして・・・。いやはや,人の記憶とはいい加減なもので・・・。当方作成の野帳のメモを見ながらようやく理解でき,10×80cmの特注枠を設定してみる。この枠は重いのでそのまま置きっぱなしにできるところがいいところ。しかも,真ん中が2つに分かれているため,結局,1つの処理について6の反復を取ることができる。

・苗畑での実生の数は想像以上に集中分布で,これだけ近い6個の枠間でも相当のバラツキがあり,データ的にもなかなか楽しい。こちらの試験はむしろこれからが本番といったところ。



・Tさんにお願いしていた標高別トドマツのフェノロジー・データは想像以上に精密で、十分論文に耐えうるものである。相互移植の方はかなりの個体が着花していることが分かる。Tさんは接木個体の方も調べてくれていて、さらには晩霜害のデータも取ってくれていた(すごい!)。



・5月10日に富良野地方を襲った低温(霜)は、この地域に甚大な影響を及ぼしている。K林長が収集した小さな方のブナ産地試験もご覧の通りの有様である。しかし、これは、逆に、自然選択に対する応答反応をみる格好の機会と捉えることもできそうだ。被害のデータはK林長が取ってくれているとのことだが、開葉フェノロジーデータとあわせると、また面白い知見が見えてくるかもしれない。



・ブナの方はまだいいとしても、苗畑の被害(特に床替え苗)は厳しい。開芽の遅いアカエゾマツは大丈夫だが、トドマツとエゾマツは痛々しい状況である。新しい葉が展開し始めてはいるものの、最終的にどのようになるのか注意深く見守る必要がありそうだ。色々と気になること、面白いことばかりで、目がようやく開かれたところだったのだが、当方の都合で今日の最終便にとんぼ返り。すごい充実した出張であった。

高校部活

2008-06-01 | その他あれこれ
・昨晩は実に久しぶりに高校時代のテニス部の仲間と吉祥寺で飲んだ。最初はもしかして分からないのではないかと思ったが(実際,違う人に声をかけそうになった・・・),お互いに多少変わった外見に笑いつつ,近況報告やら・・・。あっという間に気持ちが戻るのは素敵な感覚である。10年以上が経過しているだけあって,人生色々である(当方も人のことは言えないけど・・・)。

・テニス部の同期はとても人数が多かったので,一人ひとりの近況を確認するだけであっという間に時間が過ぎてしまった。高校時代に当方がすごいナサケナイ姿をTV放映された話とか,同期のヤツが好きな女子をつい、いじめてしまっていた話とか,相当おかしかった。心がほぐれるというかなんというか・・・。やっぱり同期っていいもんだ。



・朝から近くの公園に家族で行く。昨日とは打って変わっていい天気である。公園では紙飛行機同好会(?)らしき人々が集まって、思う存分飛ばしている。ゴムをつかって大空高く紙飛行機を飛び出させるのは傍で見ていても気持ちがいい。今度やってみようと子どもと約束する。

・夕方から久しぶりの旭川へのフライト。空港でレンタカーを借りて,富良野へ到着。久しぶりの運転でもさすがに道は覚えているものである。なんとも懐かしいというか,妙な感覚である。