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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

無性繁殖技術

2008-04-09 | 研究ノート
・Sさんと技術スタッフ全員に協力してもらい、スギ4倍体と2倍体(クモトオシ、アヤスギなど)、ニオイヒバ4倍体と2倍体(コントロール)を挿し木。倍数性育種は既に過去の遺物という感が強いが、実はまだ可能性があるのではないか、と思っている。ちなみに、挿し木は福岡時代に八女スギ品種の原種木の挿し木を行った以来である。ずいぶん時間が経っていたので細かい段取りとかは完全に忘れている。そこは周りがフォローしてくれて、午前中で終了。



・唐突に思い立って、久しぶりにクロマツの挿し木にもトライ。2年生苗にラベルをつけて、不定芽を採穂。クロマツにラベルが付けられ、苗畑に並んでいる姿はD論を彷彿させる。このラベルには表裏に油性マジックと鉛筆でそれぞれ個体番号が書いてある。日光の力というのはすさまじく、実は油性マジックはかなりの確率で消えてしまうのだが、鉛筆は案外残るのである。それにしても、早めに配置図を作成しないといかん。



・2年生にしてはサイズが少し小さいこともあり、挿し木可能な挿し穂は個体当たり1本から3本程度である。ガラス室で調製して針葉を少なくした後、オキシベロンの原液を一瞬漬けて、案内棒で空けた穴に挿しつける。ミストは1日2回、2分間の設定。うまくいけば、接種前にクローンを確保できるので、”線虫に弱いマツ”が作出できるという算段だ。



・挿し木の一連の作業が終わり、青々とした挿し穂が整然と並んでいる姿を見るのは楽しい。いかにもうまく行きそうな気がするのだが、まずは2週間くらいが勝負である。これらの材料が、当社(?)の”売り”になる日は近い!?