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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

斑入りの疑問

2008-04-01 | 研究ノート
・初出勤。本日は晴天につき,気持ちも新たに自転車で勤務地に向かう。少し早く着いてしばらく園内を散策。最近、園内にやたらと繁茂しているアオキが気になる。雌雄異株であるが,同所的に生えている個体では雄株の方が早く花をつけているようだ(雄性先熟か・・・?)。


・雄花は、ほとんど赤紫色の花びらだが、一個体だけ薄い黄色のものがあった。
場所によっては雌株でも花をつけているものも目につくが,まだわずかである。



・看板に”斑入りアオキ”と名前がついているものが植栽されているのだが、どうやら自然に定着もしているようだ。斑入りアオキの幼木が固まっているところもあり,鳥散布で定着したものではないかと思われる。いかにも光合成とか”不利”な気がするのだが、アオキは気にもしていないのだろうか・・・?しかし、いざ開花個体を探すと、ノーマルなものに比べて小型の個体が多いようにも感じる。



・そもそも、なぜ”斑入り”ができるかということなのだが、突然変異説とウイルス説というのがあるらしい。これを検証するには,”ノーマル×斑入り”で交雑すればはっきりする。ということで,いきなり交配実験をすることに・・・。さらには,4倍体スギとニオイヒバの挿し木増殖も計画し,着任早々,我ながら落ち着きのない性分というか,なんというか・・・。季節柄,急き立てられるような気分で、北海道で過ごした早春の気分を思い出した。

・挨拶して顔合わせをした後,再び,園内を案内してもらう。細かいスペースに色々な材料が植栽されているわけだが,これをいかに活用するかとなるとなかなか難しい。しかし中には4倍体のスギやニオイヒバなどもあり,また,“七五三"とよばれているらしい枝によって葉の形態が異なるカエデなど,育種母材としては面白いものが揃っている。

・いきなり、アオキに袋がけをしようと考えたのだが,今日は木々の枝がこすれあうほどの強風で,さすがにあきらめて,明日以降にかけることにする。明日はいよいよ当試験地のメイン(?)イベントの花見である。風がやんで穏やかな天気になることを期待したいところである。