健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

超悪玉コレステロール

2011-05-31 08:32:06 | 研究
悪玉コレステロールよりも心筋梗塞を起こしやすい「超悪玉」として注目される新種のコレステロールが、悪さをする仕組みが明らかになったそうです(ASAHI.COM)。超悪玉コレステロールはsmall dsense LDLと呼ばれるもので、いわゆる悪玉コレステロールであるLDLコレステロールより、分子が小さく、比重がやや高いという特徴を持っています。この超悪玉コレステロールは、血中の滞在時間が長く血管壁に接着しやすい性質を持っており、2型糖尿病の患者や高齢者の血中で発見されました。こうした接着性などにより、動脈硬化を起こしやすいということが分かっていました。でも、どうして接着性が増加するのかは謎でした。今回の研究により、超悪玉はLDLコレステロールに糖が結び付いて表面の形が変化することで生じ、血管壁への接着性が向上することが明らかとなったようです。
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ヒ素で生きる生物発見のその後

2011-05-30 08:30:32 | 研究
米国航空宇宙局(NASA)などのチームが昨年12月に、生命活動に必須のリンの代わりに、猛毒のヒ素を利用して生きる細菌をカリフォルニア州のモノ湖で発見したと発表しました。しかし、このひ素を利用して生きる細菌の存在に疑問を投げかける論文が米国科学誌サイエンス電子版が掲載したそうです(YOMIURI ONLINE)。しかも、8本もの論文を。いずれの論文も、「ヒ素はデオキシリボ核酸(DNA)中では不安定」「生命活動に利用しているのではなく体内に取り込んだだけ」などと問題点を指摘し、実験の過程でヒ素が混入した可能性などについても指摘しているそうです。これに対し、NASAチームは反論する論文を同誌電子版に再度掲載したそうです。その反論の論文では、実験方法が適切だったことを詳しく説明し、「全体を考えても、やはり当初の結論が最も合理的な説明」としているそうです。さて、世紀の大発見の結末は・・・・・。

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白血病の治療薬を脳梗塞発症後の初期に投与

2011-05-29 08:03:19 | 研究
脳血管系の障害の1つである脳梗塞。脳細胞に血液を供給する血管が閉塞してしまう病気です。血管が閉塞してしまうと、その血管に血液供給を頼っている細胞が壊死してしまい、その結果として年間約8万人程度が死亡する病気です。最近は医療技術が進歩し、助かるケースが多くなっていますが、仮に助かっても言語障害や手足に麻痺が残ることが多くなります。発症後短時間で血流を回復すれば、機能が戻る可能性が高まるため、急性期と呼ばれる発症後1~2週間の治療が重要とされています。そうした脳梗塞の発症初期に対する新規治療法が開発されたそうです。白血病治療にも使われている血液や血管になる幹細胞を増やす薬を投与することで、脳梗塞発症後の後遺症を大幅に軽減することができるというのです(ASAHI.COM)。白血病の治療薬投与により、神経細胞の細胞死の抑制効果あるいはまた神経細胞の再生促進されるようです。この研究は東海大学によるものだそうですが、もうすでに今年7月から、岡山大学、藤田保健衛生大学と共同で100人規模の臨床試験を始めるそうです。医療技術の進歩は目を見張るものがありますね。
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マイクロRNAでiPS細胞

2011-05-28 08:19:55 | 研究
マイクロRNA。特定のタンパク質をコードしていないRNA。以前は、RNAの断片、つまりRNAが分解したものと考えられていました。しかし、今ではこうしたマイクロRNAなどの非常に小さく特定のタンパク質をコードしていないRNAが遺伝子発現の調節において重要な働きをしていることが明らかになってきました。マイクロRNAは、タンパク質をコードしているmRNAと同様にゲノムから転写されます(作られます)。マイクロRNAはmRNAに結合して、mRNAの働きを抑制してしまいます。つまり、特定の遺伝子発現を抑制する働きを持っています。最近では、マイクロRNAなど特定のタンパク質をコードしていないRNAの機能解析が注目されています。そうした中。マイクロRNAを用いてiPS細胞と似た性質を持つ万能細胞を作るというニュースが入ってきました。皮膚などの細胞にマイクロRNAを3種類添加するだけで、iPS細胞ができたというのです。これまでは、iPS細胞を作る際にはウィルスを用いて遺伝子を導入していました。また、がん遺伝子の導入も。このマイクロRNAを溶液に添加する方法では、安全性も高く、再生医療への応用が強く期待されると思います。マイクロRNAにより作成されたiPS細胞に似た万能細胞は「mi―iPS(ミップス)」細胞と名付けられたそうです(YOMIURI ONLINE)。
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私立歯科大学・歯学部

2011-05-27 08:30:03 | 研究
大幅な定員割れが問題になっている私立歯科大・歯学部で、今春も全国17校のうち10校が定員を満たさなかったそうです。半数を超える大学の定員割れは3年連続で、全体の競争倍率も1・52倍と低く、「大学によっては質的に一定レベルの入学者が確保できていない」との指摘も出ているそうです(YOMIURI ONLINE)。私立大学の入試は一般、推薦などを含め、入学定員1825人(前年度比66人減)に対し、4393人(同75人増)が受験、合格した2896人(同72人減)のうち、1524人(同35人増)が入学したそうです。でも昨春に比べて、定員割れした学校数は1校減り、定員充足率も83・5%と5ポイント改善したそうです。それは、5つの大学で定員を削減したことが大きな要因だそうです。ちなみに、最も充足率が低かったのは、奥羽大学で25%。北海道医療大学、神奈川歯科大学、松本歯科大学でも充足率が6割を切っているそうです。国公立では、東北大学だけが定員割れだそうです。競争倍率が、十分に選抜機能が働くとされる2倍を下回った大学は14校。6校が1・1倍以下とほぼ無競争に近い状態で、松本歯科大学は81人の受験者全員が合格だったそうです。
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タミフルは若いと脳に入りやすい

2011-05-26 08:30:28 | 研究
インフルエンザの治療薬、タミフル。インフルエンザウィルスの増殖を抑制し、症状の悪化を防ぎます。ところが、タミフルを投与された子どもに異常行動が認められることが次々と報告され問題となりました。なぜ、こうした異常現象が子どもだけに起こるのか分からなかったと思います。それが、初めて実験的に解析が試みられたようです。陽電子放射断層撮影(PET)装置を使い、タミフルを投与したアカゲザルの脳内濃度を調べたところ、人間なら10歳未満の生後9か月のサルでは、5~6歳(人間の成人相当)のサルと比べ、投与してから20秒後に平均2・5倍濃度が高まったそうです。人間なら10歳代の2歳のサルも2倍濃度が高くなったといのです。脳に取り込まれるスピードを解析すると、9か月~2歳のサルは大人の1・3倍速いこともわかったそうです(YOMIURI ONLINE)。こうしたタミフルの脳内への移行速度が、異常行動発現に関わっているのかもしれません。

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国民の幸福度

2011-05-25 08:04:18 | 日記
皆さんは幸せでしょうか?日本人は他の国の人々に比べて幸せなのでしょうか?普段はあまり考えませんが、第三者から聞かれると答えに窮してしまいますね。経済協力開発機構(OECD)は、各国の生活の豊かさを示す新たな指標「より良い暮らし指標」を発表したそうです(YOMIURI ONLINE)。国民の幸福度を国際比較することを目指しているそうで、国民生活に密接に関わる住居や仕事、教育、健康など11項目を数値化したそうです。11指標の平均でトップはオーストラリア、次いでカナダ、スウェーデンの順だったそうです。日本はというと、OECD加盟34か国中、19位だったというのです。どうでしょう。納得できる順位でしょうか。日本は11指標のうち、殺人や犯罪の発生率に基づく「安全」が10点満点で9・7とOECD加盟34か国中トップ。そして、「教育」も8・8とフィンランドや韓国などに続く4位だったそうです。これには、納得ですね。一方、「ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)」はトルコ、メキシコに続くワースト3位、「生活の満足度」はハンガリーやポルトガルなどに続くワースト8位だったそうです。う~ん。何となくうなずける値でしょうか。いや、そんなことはなく、十分幸せでしょうか?どうでしょう?
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大学院へのお誘い

2011-05-24 21:41:06 | 研究
大学院とは?研究というと?様々な疑問を持たれる方が多いかと思います。大学院修士課程では研究指導を行います。といっても、研究者としての第一歩を踏み出すのをサポートするということです。
研究というと、遭遇しているあるいは予想される問題などを解決するために戦略を立てて、解決するということです。この際、現場での問題をそのまま目的にできる場合とできない場合があります。というのは、問題解決するには問題点を適切に抽出して、それを解決する適切な方法を選択していくことが最も重要になります。どうしても、目の前の問題を解決したくなります。これは当然です。でも、一度に解決できるとは限りません。特に臨床現場で起こっている問題は、様々な要因が複雑に関与してることが一般的であるからです。ですので、こうした問題の中で、主要な問題でかつ解決することが意義あることを見出さなければなりません。これは非常に難しいことです。

でも、考え方を変えると、大学院では研究遂行能力を養う場です。ですので、自分が解決したい問題と直接関係のない研究に取り組むのも非常に良いことだと思います。研究の姿勢、論理的な考察などを養うばかりでなく、他の分野の考え方を研究を通して学ぶことは、必ず職場や将来に役立ちます。こうした観点で、まず、2年間の修士課程の研究をお勧めします。

ということで、豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学分野では大学院生を募集しています。

現在、当研究室では(1)骨格筋可塑性発現機構の解明、(2)組織幹細胞による再生機構の解明、(3)全身糖脂質代謝改善策、について最新の細胞分子生物学的手法を用いて検討を進めています。

これらの研究に興味がある方、あるいは「健康」に興味があり、やる気と実行力(根気)がある大学院生を歓迎します。文系、理系、出身学部を問わず広い分野からの応募をお待ちしています。詳細はお問い合わせください(長期履修制度やTA制度等大学院生支援制度も用意しています)。

また、上記以外のテーマで研究を希望される方もお気軽にお問い合わせください。「人間の健康と生活」に関するテーマであれば指導可能です。

もちろん、研究室の見学も大歓迎です。研究に多少でも興味のある方は、まずはお気軽にご連絡ください。

平成24年度入試日程が発表されました。


願書受付期間は以下の通りです(いずれも必着)。

一般入試  一期  平成23年8月8日(月)~8月31日(水)
一般入試  二期  平成24年2月6日(月)~2月23日(木)

社会人入試 一期  平成23年8月8日(月)~8月31日(水)
社会人入試 二期  平成23年11月9日(水)~11月25日(金)
社会人入試 三期  平成24年2月6日(月)~2月23日(木)


平成24年度入学者選抜試験日程

一般入試  一期  平成22年9月5日(月)  試験科目(小論文、英語、面接)
一般入試  二期  平成24年3月6日(火)  試験科目(小論文、英語、面接)

社会人入試 一期  平成22年9月5日(月)  試験科目(小論文、面接)
社会人入試 二期  平成23年11月30日(水) 試験科目(小論文、面接)
社会人入試 三期  平成24年3月6日(火)  試験科目(小論文、面接)


応募要項や願書締切など大学院の入試および全般的な事柄についての詳細は、
本大学院HP(http://www.sozo.ac.jp/graduate/health-s/index.html)をご参照ください。
お気軽にお問い合わせください。


連絡先

豊橋創造大学大学院健康科学研究科
生体機能学分野
後藤勝正
〒440-8511 愛知県豊橋市牛川町松下20-1
E-mail:goto「アット」sozo.ac.jp(「アット」の部分は、@に変更してください。)
豊橋創造大学入試広報センター
TEL:050-2017-2100

たくさんのご応募お待ちしています。
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骨肉腫の転移を抑えるマイクロRNA

2011-05-24 08:32:59 | 研究
マイクロRNA。あまり聞きなれない言葉だと思いますが、最近注目されている分子の1つです。「マイクロ」という言葉が示すように小さなRNAということです。RNAというとDNAから遺伝情報を写し取ったメッセンジャーRNA(mRNA)が有名だと思います。mRNAはある特定のタンパク質のアミノ酸配列を示した直接的な設計図です。一方、マイクロRNAとは特定のタンパク質を作る設計図でないアミノ酸の配列を示したもので、ノンコーディングRNAの仲間になります。このマイクロRNAは遺伝子発現を抑制するとされています。様々な組織に特異的なマイクロRNAが発見されていますが、その中の1つがマイクロRNA143。このマイクロRNA143には、骨肉腫のがん細胞が周囲の細胞組織を壊して広がるのを抑える働きがあるそうです(ASAHI.COM)。
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超高齢社会を生き抜く

2011-05-23 08:26:31 | 研究
「国立社会保障・人口問題研究所」がつくった人口ピラミッドのデータ。裾広がりの山、いわゆるピラミッド型の1930年の人口分布が、2010年には団塊の世代と団塊ジュニア世代が膨らんだ壺型になり、2050年には70代後半をピークに若くなるほど少ない電球型になるという(ASAHI.COM)。そして、「健康寿命」と「平均寿命」との差は7、8年あるそうです。現代の医学、いや健康科学の大きな課題はこの差をいかに短くするかです。高齢単身世帯は2003年から2008年までの5年間で76万世帯増え、414万世帯だそうです。しかし、高齢者向けの設備がある住宅は半分にも満たないそうです。例えば、「またぎやすい高さの浴槽」がある住宅は22・9%に過ぎないそうです。その一方で、デイケアの訪問入浴サービスを受けるには要介護認定がいります。結局、ひとり暮らしの高齢者は、冬でもシャワーで済ませたりしているというのです。さらに、ひとり暮らしの高齢者が亡くなると、空き家が増加することに。そこで、これから超高齢社会では「コンパクトシティ」という考え方が重要だそうです。中心市街地を活性化し、生活に必要な諸機能が狭い範囲でまかなえるというものだそうです。欲しいモノが1カ所で間に合う、昔で言うならよろず屋のような小さなスーパーがあることがよいという考えのようです。確かに、理にかなっているかも。
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