健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

アルコール依存症の「妙薬」

2017-03-29 08:30:11 | 研究
アルコール依存症の妙薬とうたわれ、その治療のためにフランスでは既に処方されている筋肉けいれんの治療薬「バクロフェン」について、同国の研究者らがこのほど、アルコール依存症にも実際に効果があることを裏付ける新たな証拠を提示したそうです(AFPBB NEWS)。バクロフェンを1年にわたり高用量で投与した臨床試験では、アルコール消費量の減少に「好影響」がみられたというもの。仏製薬会社のエティファルムは、アルコール依存症治療薬としてのバクロフェンの仏国内での商品化申請を月内に提出するとしているそうです。発表されたのは、2012年5月から13年6月にかけて18~65歳の大量飲酒者320人を対象に行われた臨床試験についての報告。被験者らは、この薬剤を高用量投与されるグループとプラシーボを与えられるグループの2つに分類。アルコール摂取については控えるようには指示は出されなかったそうです。その結果、飲酒をやめた、もしくは飲酒量が減った被験者は、プラシーボのグループで37%だったのに対し、実際にバクロフェンが投与されたグループでは57%だったそうです。また、同日に発表された別の研究結果でも、プラシーボのグループに比べてバクロフェン投与グループでは、大きく飲酒量が減少したと報告されたそうです。バクロフェンは筋肉のけいれんの治療のために開発され、その用途で広く使用されているが、フランスの保健当局は2014年、アルコール依存症の治療への使用についても暫定的に承認しているそうです。他の国でも、多くの人が処方箋なしでバクロフェンをアルコール依存症の治療に使用しているとみられるそうです。バクロフェンは2008年に仏系米国人の循環器専門医Olivier Ameisen氏が、高用量を使用して自身のアルコール依存症を治療したと著書で明かし注目。この後で行われた臨床試験では大量飲酒者がかなりの割合で飲酒をやめたり、飲酒量が減ったりしたが、別の試験では矛盾する結果も出ているそうです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3121935
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幹細胞使った治験で失明

2017-03-28 08:30:26 | 研究
米Florida州で、脂肪細胞由来の幹細胞を目に注入する治験を受けた女性患者3人が失明していたことがNew England Journal of Medicineに発表された報告から明らかになったそうです(AFPBB NEWS)。この治験は効果がまだ立証されていないものだったそうです。失明したのは進行性の眼疾患「黄斑変性症」を患っていた72~88歳の女性3人で、2015年にFlorida州の医療機関で「乾燥型黄斑変性症における細胞の硝子体内注入の安全性と効果を評価する調査」と題した治験を受けていたそうです。この治験は米国立衛生研究所(NIH)が運営する治験や臨床試験に関する情報提供サイト「ClinicalTrials.gov」に掲載されていたため、患者らは正規の治験だと考えていたそうです。しかし、3人は治験を受けた直後から網膜剥離や出血などの合併症に悩み、結果的に視力を完全に失ったそうです。合併症が起きた原因として、幹細胞の混合過程で汚染が起きたか、目に注入された後で幹細胞が変異した可能性が考えられるそうです。専門家らによれば、脂肪由来幹細胞が黄斑変性症に関わる網膜細胞に成長するかどうかを調べた研究はまだほとんどなく、問題の治験で使用された手法が視力回復を助けるという科学的根拠はないそうです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3121637
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高頻度の遺伝子変異と脳の老化

2017-03-27 08:30:00 | 研究
なぜ一部の人々の脳は、他より速く老化が進むのかを、人口の約3分の1に見いだされる高頻度の遺伝子変異で説明できる可能性があるとする研究結果がCell Systemsに掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。論文によると、「TMEM106B」として知られるこの遺伝子は、高齢者に通常みられる脳の老化を最大で12年速めるというのです。TMEM106B遺伝子は通常65歳前後から、特に脳の前頭葉に影響を及ぼし始めるそうです。前頭葉は、集中、計画、判断、創造といったより高度な精神機能に関与しています。TMEM106B遺伝子の『異常な』コピーを二つ持つ人の前頭葉は、さまざまな生物学的基準から見て、二つの正常なコピーを持つ人より老化が12歳進行するそうです。研究では、明らかな疾患を持たない1904人の死後解剖で得られた脳サンプルの遺伝子データを分析することで、TMEM106B遺伝子を発見。この他にも、アルツハイマー病発症のリスク上昇に関連性がある遺伝子変異「アポリポタンパクE(ApoE)」など、神経変性障害のリスクを上昇させる個別の遺伝子がこれまでに複数特定されているそうです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3121575
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iPS移植で血糖値低下

2017-03-26 08:30:23 | 研究
糖尿病治療のため、iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った膵島をサルに移植し、血糖値を下げることに成功したそうです(YOMIURI ONLINE)。5年後に患者に移植する臨床研究を始めることを目指しているそうです。膵島は、膵臓にある細胞の集まりで、血糖値を下げるインスリンを分泌します。研究では、人のiPS細胞で作った膵島数万個を極細のチューブに封入し、糖尿病の小型サル「マーモセット」3匹の腹部に移植。数日後に血糖値が正常値に下がり、20日後まで持続したことを確認したそうです。糖尿病治療では、脳死した人からの膵島移植が行われているそうですが、提供者が不足しているそうです。iPS細胞を使えば、人工の膵島を大量に作れる可能性があるそうです。

http://www.yomiuri.co.jp/science/20170306-OYT1T50048.html
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ネアンデルタール人は歯痛に鎮痛薬使用?

2017-03-25 08:30:30 | 研究
ペニシリンの発明からさかのぼること約5万年前に、歯の膿瘍に苦しんでいた旧人類ネアンデルタール人の若者が、天然の抗生物質や鎮痛成分を含む草木を食べていたことが分かったとする研究論文がNatureに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。研究では、ネアンデルタールの歯石を調べたそうです。現在のスペインのエルシドロン(El Sidron)に当たる地域に住んでいたネアンデルタール人の男性は、抗生物質を産生するペニシリウム属の真菌を摂取し、サリチル酸を含むポプラの木の破片をかんでいたというもの。サリチル酸は、現代の鎮痛薬アスピリンの有効成分。

http://www.afpbb.com/articles/-/3120730
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火星に似た環境下でジャガイモ生育に成功

2017-03-24 08:30:34 | 研究
火星でジャガイモは栽培できるかという、南米ペルーで進められている実験で、今後の成果に期待できる結果が出たと研究チームが発表したそうです(AFPBB NEWS)。この実験は、首都リマにある国際ポテトセンター(CIP)が米国航空宇宙局(NASA)の協力を得て行っている、火星の自然環境に似せた条件下でのジャガイモ栽培実験だそうです。CIPが発表した声明によると、小型人工衛星(キューブサット)の内部に火星の環境を再現し、ジャガイモの栽培を試みたところ、生育が確認されたというもの。実験ではペルー南部にある極度に乾燥した土を使用したそうですが、この土は地球上で最も火星の土壌の条件に近いそうです。CIPでの実験は今後5年にわたり継続する予定だそうです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3121185
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モナリザの微笑

2017-03-23 08:30:44 | 研究
巨匠レオナルド・ダビンチの代表作「モナリザ(Mona Lisa)」が見せる有名なほほ笑みは、しばしば意味深長と評され、数世紀にわたり調査や議論の対象となってきたそうです。今回、モナリザの微笑を見た人々のほぼ全員が、明確な「喜び」の感情を読み取ったとの実験結果が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。実験では、作品を白黒にコピーし、モナリザの口角を上下に調整した画像を計8種類作成。うち4枚は原画より幸せそうな顔に、もう4枚は悲しそうな顔に変え、原画を加えた9枚の画像を12人の被験者に30回見せたそうです。そして被験者は各回、画像9枚を無作為な順序で見せられ、モナリザの表情が喜びと悲しみのどちらを表現しているのかとの質問に答えたそうです。その結果、被験者は97%の確率でダビンチの原画を喜びの表情として受け止めたというもの。次に、モナリザの原画と、口角を第1段階よりもさらに細かい単位で「悲しげ」に変えた画像8枚を使用。この実験でも、被験者は原画を喜びの表情と受け止めたそうです。だが一方で他の画像への認識に変化がみられ、第1段階よりも「表情が少し悲しげだと認識された」そうです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3120972
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グレートバリアリーフで大規模な白化現象

2017-03-22 08:30:06 | 研究
オーストラリアにある世界最大のサンゴ礁、グレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)が、前例のない2年連続で大規模な白化現象に見舞われ、多くの種類の海洋生物にとって完全な回復が困難になる恐れがあるとオーストラリア海洋当局が警告したそうです(AFPBB NEWS)。全長2300キロにおよぶグレートバリアリーフは昨年、3月と4月の海水温上昇により過去最悪の白化現象に見舞われたそうです。政府機関のグレートバリアリーフ海洋公園管理局(GBRMPA)は3月9日に行ったオーストラリア東部沿岸沖の上空からの観察後、3月10日に白化現象が再度、発生していると述べたそうですグレートバリアリーフで2年連続で白化現象がみられたのは初めてで、昨年12月から熱によるストレスが増大しているということです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3120941
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大気中のCO2濃度

2017-03-21 08:30:28 | 研究
米国海洋大気局(NOAA)は、大気中のCO2の濃度が2016年に観測史上最高を記録し、今年1~2月にも上昇を続けているとの報告書を発表したそうです(AFPBB NEWS)。大多数の気候科学者はCO2などの温室効果ガスの増加が気候変動を引き起こしていると主張していますが、米国環境保護局(EPA)の新長官は、CO2は地球温暖化の主な原因ではないとし、多くの科学者らの考えを否定する見方を示しているそうです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3121020
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不健康な食事の影響

2017-03-20 08:30:46 | 研究
不健康な食生活によって、米国では年間40万人以上が心臓病と関連疾患で死亡している恐れがあるとの研究結果が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。研究によると、米国人は、塩分、脂肪、糖分などを多く含む食品を取り過ぎており、その一方で、果物、野菜、全粒穀物などは足りていないのそうです。ナッツ、野菜、全粒穀物、果実などの健康的な食物の摂取不足と塩やトランス脂肪酸などの不健康な食事成分の取りすぎとの組み合わせは、米国での循環器疾患による死亡の主要原因となっているそうです。そして、米国での循環器疾患による死亡の半数近くが、食事の改善によって回避できる可能性があるとも。今回の研究は、米全国健康・栄養調査(NHANES)や国連(UN)の食糧農業機関(FAO)などによる、1990年代までさかのぼる各種調査を通じて収集されたデータに基づいているそうです。
 米国では全死者の4人に1人、年間60万人以上が、心臓病が原因で死亡しているそうです。個人が心臓病を発症する確率には、喫煙、肥満、食事、運動、遺伝などの要因がすべて関与し得るそうです。研究では、米国の2015年の循環器疾患による死亡に関するデータの調査から、食事の選択が、男性22万2100人と女性19万3400人の死亡に関与していることが明らかになったというもの。

http://www.afpbb.com/articles/-/3120873
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