健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

STAP細胞・第3の幹細胞

2014-01-31 08:30:38 | 研究
驚きの発見ではないでしょうか。細胞に強い刺激を与えることで、様々な組織や臓器に変化する「万能細胞」である幹細胞が作れるというのです(YOMIURI ONLINE)。外部からの単純な刺激だけで、細胞の役割がリセットされる「初期化」が起こり、あらゆる組織、臓器に変化する「多能性」を獲得するという発見は、生命科学の常識を覆す研究成果だと思います。極めて斬新なアイデアでもあります。今回発見した現象を「刺激によって引き起こされた多能性の獲得」という意味の英語の頭文字から、「STAP(スタップ)」と呼び、作製した細胞をSTAP細胞と命名。ES細胞(胚性幹細胞)やiPS細胞(人工多能性幹細胞)に続く「第3の万能細胞」。STAP細胞の作製はiPS細胞よりも簡単で、効率が良いそうです。そして何より遺伝子導入をしていませんので、iPS細胞の課題であるがん化のリスクもかなり低いと思います。こんな考えを実現するなんて、すごいです。見習いたいものです。
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花粉症解明へ

2014-01-30 08:30:43 | 研究
花粉症患者にとっては朗報でしょう。花粉症患者の細胞を使ってiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作製したことが発表されました(YOMIURI ONLINE)。さらに、このiPS細胞を、アレルギー反応を引き起こす原因となる「肥満細胞」に変化させることにも成功したそうです。花粉症の仕組みの解明や新しい治療法の開発に役立つ成果で、近く論文を発表するとのこと。花粉症患者の鼻や目の粘膜に花粉がつくと、粘膜上にある肥満細胞がヒスタミンという化学物質を放出し、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどのアレルギー症状を引き起こすと考えられています。研究では、花粉症の50歳代の男性から皮膚細胞の提供を受け、iPS細胞を作製し、このiPS細胞を肥満細胞に変化させ、スギ花粉を振りかけるとヒスタミンを放出することを確認したそうです。新しい治療法が開発されるのも近いのではないでしょうか。折しも昨日、関東地方は花粉シーズンに突入したと報道がありました。研究成果、期待したいですね。
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入試

2014-01-29 08:30:32 | 日記
大学入試センター試験も終わり、大学入試シーズンに突入です。豊橋創造大学でも、本日一般入試の前期日程があります。月並みですが、受験生の皆様、頑張ってください。健闘を祈ります。
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サイトカイン IL―15の産生細胞を可視化

2014-01-28 08:30:18 | 研究
サイトカインの「インターロイキン15(IL―15)」を産生する細胞の可視化に成功したというニュースが先日報道されていました(日刊工業新聞)。IL―15はリンパ球や免疫細胞のナチュラルキラー細胞(NK細胞)の維持に必要だそうですが、サイトカインを作る微小細胞であるストローマ細胞の実態は不明だったそうです。そこで、まずIL―15の発現パターンを把握するために、蛍光たんぱく質CFPを導入したマウスを作製し、このマウスの免疫組織でCFPを可視化して、IL―15産生細胞を突きとめたというもの。リンパ節ではストローマ細胞と血管内皮細胞、脾臓でストローマ細胞がそれぞれIL―15を産生していたそうです。したがって、IL―15は限られたストローマ細胞で作られることが明らかになったということです。免疫系の微小細胞の機能解明につながると期待されているようです。
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メダカのお見合い

2014-01-27 08:30:51 | 研究
メダカのメスが、「見知らぬオス」よりも「そばにいたオス」からの求愛を積極的に受け入れることが明らかになったそうです(毎日新聞)。同じオスが長時間そばにいるとメスの脳内で特定の神経細胞が働き、「恋心」にスイッチが入るというのです。ヒトの脳で似た機能の神経細胞を探せば、ヒトが恋に落ちる仕組みも分かるようになるかもしれないということです。実験は、透明なガラスで仕切った水槽内でオスとメスを一晩「見合い」させてから一緒にしたというもの。見合いしていないときより、オスの求愛から性行動までの時間が短くなったというのです。メスを見合いしたオス、していないオスの2匹と一緒に水槽に入れると、見合いしたオスを選ぶ確率が約9割に。一方、見知らぬオスの求愛をすぐ受け入れるメダカの脳を調べたところ、ある脳内ホルモンを作る神経細胞に異常が。この神経細胞が正常なメスを調べると、オスが長時間そばにいた後、活発に働くようになっていたそうです。
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C型肝炎の線維化抑制

2014-01-26 08:30:51 | 研究
国内に推定150万人の感染者がいるC型肝炎は、肝臓の組織が壊れて固くなる「線維化」が進むと肝硬変や肝臓がんなどを起こします。この線維化の症状を抑えることに成功したそうです(NHK NEWS WEB)。C型肝炎になった患者の肝臓の中でどのような変化が起きているのかについて、ウイルスの増殖に関わるNS3というタンパク質に注目し、調べたところ、このNS3が肝臓の細胞と結合し、線維化を促していることが分かったというのです。また、このNS3の働きを妨げる物質を作ってC型肝炎のマウスに投与したところ、肝臓の線維化が25%ほど減ることが確認できたそうです。C型肝炎は、日本人の肝臓がんの原因の8割を占めているそうです。NS3の働きを完全に防ぐ薬を作ることができれば、肝臓がんなどの予防法の開発につながる可能性が出てくるそうです。
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オートファジーを誘導するのに必須の仕組み

2014-01-25 08:30:25 | 研究
アポトーシス(プログラム細胞死)を抑制的に制御する、細胞内セリンスレオニンキナーゼ「AKT」に結合する新規の結合因子である「Phafin2」が、真核生物の細胞内において不必要なタンパク質を分解するのに重要な小器官である「リソソーム」の膜上に存在する膜リン脂質「PI(3)P」と結合し、そのAKTをリソソームに誘導する現象こそが「オートファジー(自食作用)」を実行させるのに必須であることが明らかになったそうです(マイナビニュース)。オートファジーは酵母からヒトに至るまでの真核生物に見られる、細胞自身が持つ細胞内タンパク質を分解するための仕組みの1つです(「auto-」はギリシャ語で「自分自身」を表す接頭語、「phagy」は「食べること」の意)。この機構によって、細胞内の異常なタンパク質の蓄積を防いだり、過剰にタンパク質が合成された時や栄養環境が悪化した時にタンパク質のリサイクルを行ったり、さらには細胞質内に侵入した病原微生物を排除したりすることで、生体の恒常性維持などに関与しています。このほか、個体発生の過程での「アポトーシス(プログラム細胞死)」にも関わっている機構です。各種疾患にも関与しており、ハンチントン病などの発生、細胞のがん化抑制にも関わるほか、同機構のタンパク質分解系が異常を起こすと、精神神経疾患や悪性腫瘍、感染症など、さまざまな疾患を引き起こすことも知られているそうです。オートファジーの誘導には細胞中の「PI3K」、「AKT」、「mTOR」間のシグナル伝達の関与が示唆されているそうです。特にAKTに関しては、オートファジーにおいてリソソームを介したそのシグナルが関与していることは推測されているそうですが、その具体的な標的分子やその制御機構は十分に解明されていなかったそうです。そこで研究では、細胞死制御の要となるAKTに結合する新規の結合因子として同定したのが、リソソーマルタンパク質であるPhafin2。さらに分子免疫手法を用いて、Phafin2がリソソーム膜に存在するPI(3)Pと結合し、AKTをリソソームに誘導する現象の生物学的な意義が解明されたというもの。そして、Phafin2-AKT複合体がリソソーム膜に存在するPI(3)Pと結合し、その結果としてPhafin2-AKT複合体がリソソームに移行することが、生体のタンパク分解系の要であるオートファジー誘導に必須であることが判明したというのです。興味深いですね。
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子どもがいる人生

2014-01-24 08:30:08 | 研究
興味深い記事を見つけました(AFPBB NEWS)。子どもを持つ人は持たない人に比べて幸せか? ──双方に自身の自分人生を評価してもらったところ、米国では評価結果が同程度だったとする研究論文が発表されたそうです。ただ世界的には、子どもを持つことで人生の満足度が減少する傾向が見られたそうです。この研究は、米世論調査会社ギャラップ(Gallup)が世界の約300万人を対象に行った大規模な調査2件を基にしているそうです。米国人約180万人を対象に2008~2012年に実施されたものと、世界161か国の107万人を対象に2006~2012年に実施されたものだそうです。調査では、自分の人生が理想にどのくらい近いか、また前日にどのような感情を抱いたかが質問され、後者の質問に対しては、幸福感、悲しみ、怒り、心配、ストレスなどの答えが予想されたそうです。調査の結果、子どもを持つ人は、持たない人に比べて感情の起伏が激しく、幸福度とストレス、笑顔と怒りなど、回答のあった感情の全てで高い水準だったそうです。子どもを持つ人の多くが関心を抱く学歴、収入、健康状態、信仰心などその他の項目を考慮すると、子どもを持つ人も持たない人も人生に対する満足度は同程度であることが分かったというのです。人生を10段階で評価した場合に、子どもを持つあらゆる年齢の人たちの平均評価は6.82で、子供を持たない人たちの平均は6.84だったそうです。一方、他の国々を対象にした調査では、その結果が異なるとも。少なくとも豊かな英語圏の国以外では、子どもを持つ人たちに人生への満足度が低い傾向が見られたそうです。出生率が高い国ほど、子どもを持つ人は持たない人に比べて人生に対して低い評価を付ける傾向が強いそうです。貧しい国々では個人の幸せを後回しにして、労働力の確保などといった目的が優先される傾向にあると指摘しているそうです。人々は個人レベルではむしろ子どもを持ちたくないと思っていても、社会規範や両親、地域からのプレッシャー、あるいは子供を産むことで果たす社会貢献などのために子どもを持つこともあるとも。
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感染性胃腸炎患者数が急増

2014-01-23 08:30:35 | 研究
ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の患者が全国で急速に増えていて、国立感染症研究所は、調理や食事の前の手洗いを徹底するよう注意を呼びかけているそうです。国立感染症研究所によりますと、今月12日までの1週間に、全国およそ3000の小児科から報告されたノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の患者は、1医療機関当たり10.96人で、前の週の2.6倍と急速に増えたそうです。これは、この時期としては過去10年間で2番目に多いということです。都道府県別に見ますと、大分県が最も多く21.25人、次いで鹿児島県が18.11人、高知県が15.50人、熊本県が14.72人。ノロウイルスは、患者が吐いたものや便などに含まれ、人の手などを介して口から感染するウイルスで、感染力が非常に強く激しいおう吐や下痢を引き起こします。
このため、石けんを使った手洗いを徹底することや、吐いたものや便を処理する際は、マスクや手袋をして、雑巾などで拭き取ったうえで、塩素系の漂白剤などで消毒する必要があります。流行の推移をみると、1月の患者数が過去10年間で最も多くなった4年前と似ているそうです。調理や食事の前の手洗いを徹底するなど対策を心がけてほしいということです。気をつけましょう。
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世界の喫煙率は低下、喫煙人口は増加

2014-01-22 08:30:53 | 研究
世界的な人口増加と中国やインド、ロシアでの喫煙の人気の高まりに伴い、喫煙人口は1980年から2012年の間に大幅に増加していたことが分かったそうです(AFPBB NEWS)。187か国の喫煙人口と喫煙率に関するデータによると、例えば中国では2012年、喫煙率が30年前の30%から24%に低下したものの、喫煙者数は同期間中に1億人近く増えたそうです。たばこの健康リスクに関する認識の高まりから、喫煙率はここ数十年間、全体的に低下しているそうで、米ワシントン大学(University of Washington)保健指標評価研究所(Institute for Health Metrics and Evaluation、IHME)が主導したこの調査によれば、世界全体の喫煙率は1980年から2012年にかけて男性で41.2%から31.1%に、女性で10.6%から6.2%に低下したそうです。喫煙者のおよそ半数が、たばこが原因で死亡しているそうで、喫煙人口の増加は、向こう数十年間で早死にする人が大幅に増えることを意味すると考えられるそうです。
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