健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

5つの救命救急センターで専従医がいない

2013-10-31 08:30:54 | 研究
全国に約260ある救命救急センターの内、5施設で専従の意思を配置していないことが明らかになったそうです(医療・介護情報CBニュース)。さらに、重篤患者を行けいれる施設で18の施設が救急専門医を配置していないことも。この調査は今年の3月末の時点で運営していた259施設を対象に、救命救急センターの充実度をA~Cの3ランクで評価している厚生労働省が毎年実施しているものだそうです。今年度の結果では、ランクCと評価された施設が2施設あったとも。緊急時に命を支える救命救急医療。心配ですね。
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統合失調症

2013-10-30 08:30:03 | 研究
脳内ネットワークの過剰な活動が統合失調症の症状に関与していることを発見したそうです(QLife Pro)。研究では、統合失調症患者の一部が保有しているカルシニューリン遺伝子の変異を遺伝子工学によって導入し、統合失調症に似た症状を示す遺伝子改変マウスを作製して、迷路テストを行っている間の記憶に関わる脳の領域である海馬の神経細胞の活動を調べたそうです。その結果、迷路を走った後の休息中、通常のマウスは直前に走った時と同じ順番で場所細胞が活動するのに対し、統合失調症モデルマウスは海馬の場所細胞の活動が順番通りに再現されなかったというのです。代わりに過剰に高いレベルでほとんど同時に場所細胞が活動し、海馬での情報が脳のネットワーク内で正しく処理されていない可能性が示されたそうです。統合失調症は、様々な情報を脳が統合できなくなることで引き起こされる精神疾患で、発病原因は多数あるとされています。ですが、根本的な原因はまだ解明されていません。今回の結果から、幻覚や妄想、思考の混乱など統合失調症の症状が、記憶に関わる脳内ネットワークの機能異常と関連していることが示されたことで、統合失調症の創薬や新しい治療法の開発が期待されるそうです。
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腹部が血液でふくらんだ4600万年前の蚊の化石

2013-10-29 08:30:28 | 日記
米国モンタナ州の河床で、腹部が乾燥した血液でいっぱいの約4600万年前の蚊の化石が見つかったとの研究報告が米国科学アカデミー紀要に掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。最新の器具を使って蚊の腹部を調べたところ、膨らんだ腹部から鉄分の痕跡が検出されたというもの。これほど年月が経過した化石から遺伝子を抽出することは不可能なため、この血液が何の動物のものかは謎だそうです。この古代蚊が、鳥の血液を吸う蚊科に属する現代種に似ていることから、腹部に入っているのが鳥の血液である可能性が高いようです。これまでに発見された最も古い蚊の化石としては、ミャンマーで琥珀に入った9500万年前の蚊が発見されているそうです。まさに映画の世界。ひょっとして・・・・・。
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高度30km気球の旅

2013-10-28 08:30:45 | 宇宙
米国アリゾナ州に拠点を置くワールド・ビュー・エンタープライジズ(World View Enterprises)が、3年後を目途に8人乗りの「贅沢に作られた宇宙旅行が可能なカプセル」による約2時間の空の旅を、7万5000ドル(約730万円)で販売する計画を発表したそうです(AFPBB NEWS)。カプセルは、地球に戻る時には気球から切り離され、パラシュートで降下するそうです。同社によると、旅客は自分の目で、地球の輪郭を見ることができるそです。これまでは宇宙飛行士たちしか見ることができなかった宇宙の暗闇や、星々の輝き、地球を覆う大気圏の薄いベールなど、驚くような眺めを楽しめるとも。
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神経線維形成促進

2013-10-27 08:30:02 | 研究
精神・神経疾患に関与する2つの蛋白質であるセプチンとHDAC6が協働するかたちで神経線維の形成を促進していることが明らかになったそうです(QLife Pro)。脳の発達過程の神経線維の伸長には、線維の芯となる細胞骨格の主要なものである微小管の先端に、チューブリンという蛋白質が付加され、成長していくことが必要であることが分かっているそうです。このチューブリンがアセチル化などすると、微小管が安定化するそうですが、一方で安定化しすぎると、分解によってリサイクルされるチューブリンの供給が減少し、微小管の成長も鈍化するということです。そのため成長には、微小管の安定化を適度に解除する脱アセチル化、脱安定化の機構も必要で、この安定化と不安定化の適度なバランスがコントロールされることが、神経線維における効率のよい伸長に欠かせないと考えられていたそうですが、このコントロールのしくみなど、詳細はよく分かっていなかったそうです。今回の研究で、神経細胞の主要な脱アセチル化酵素である微小管修飾酵素の蛋白質「HDAC6」がアセチル化チューブリンに効率よく結合し、脱アセチル化を促すには、もう1つの細胞骨格である「セプチン」が必要であることを発見したそうです。この発見は、脳の回路形成への理解が深まるきっかけとなるだけでなく、セプチンとHDAC6の相互作用、およびその生理的意義が示されたことにより、この両者が関与する精神・神経疾患の謎を解明する糸口となると期待されているそうです。
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糖尿病性腎症

2013-10-26 08:30:35 | 研究
先日、糖尿病で腎臓の機能が低下する糖尿病性腎症の新しい発症メカニズムが解明されたというニュースが報道されていました(YOMIURI ONLINE)。糖尿病の患者数は推計1000万人で、人工透析の最大の原因になっています。腎臓で血液を濾過する糸球体という部分が損傷し、尿に微量のたんぱく質が漏れ出すのが、糖尿病性腎症の第1段階と考えられていました。マウスの実験で、糖尿病になると糸球体が傷つく前に、尿を作る尿細管から糸球体に放出される「ニコチン酸モノヌクレオチド(NMN)」という物質の量が減ることが今回の研究で発見されたそうです。サーチュインという遺伝子の働きが、糖尿病で悪くなることが原因で、遺伝子改変で、糖尿病のマウスのサーチュインの働きを高めると、糖尿病性腎症の発症を防げたそうです。サーチュインは長寿遺伝子とも呼ばれ、運動やカロリー制限で活性化し、活性化すると寿命延長効果があるとされている遺伝子です。こんな機能もあったのですね。
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シャチの更年期

2013-10-25 08:30:06 | 日記
シャチに関するニュースを紹介します(National Geographic)。シャチは、メスが閉経する数少ない生物種の1つだそうです。閉経することが確認されている種は、シャチを含めてわずか3つだそうです。生殖を終えた後も長く生きることで、シャチのメスは自分の子ども、特にオスの子どもが、成熟して間もない困難な時期を生き延びることを助け、その後は孫の養育を助けるそうです。閉経は、シャチ以外ではヒトとゴンドウクジラでしか確認されていない、進化的にまれな特徴であり、シャチの種の繁栄に大きく関与している可能性があると考えられているそうです。
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ALS原因遺伝子

2013-10-24 08:30:41 | 研究
また、筋萎縮性側索硬化症(ALS)に関するニュースです。ALSの新たな原因遺伝子が見つかったというのです(QLife Pro)。ALSは、家族性ALSの一部を除いて原因不明で、根本的な治療法が見つかっていない疾患です。今回の研究では、ALSの原因遺伝子として知られている遺伝子には変異が見られない家族性ALSの一家系において、遺伝子マーカーによる連鎖解析と次世代シーケンサーを用いた全ゲノムの解析を組み合わせて分析した結果、新たな原因遺伝子ERBB4を発見したというものです。さらに国内外の他施設共同研究により、稀ではあるものの、このERBB4遺伝子の変異を有する家系が人種を越えて存在することも確認。また、孤発性ALSのなかにも、本人における突然変異である新生突然変異を有する例があることも分かったそうです。ERBB4遺伝子によってつくられるErbB4蛋白質は受容体型チロシンリン酸化酵素で、神経栄養因子であるニューレギュリンに刺激されると、自己リン酸化され機能を発揮するそうです。培養細胞に変異したERBB4遺伝子を導入したところ、ErbB4の自己リン酸化能が低下し、ErbB4の機能低下がALSの原因となることを確認できたということです。この研究結果は、ニューレギュリンのような神経栄養因子により、ErbB4を活性化することが、ALSの根本的な治療につながる可能性を示唆しているそうです。また、従来の方法では疾患原因遺伝子を発見することが困難であった小規模な家系に、DNAの塩基配列を高速かつ大量に解析可能な次世代シーケンサーを用いて全ゲノム解析を行ったことで得られた成果で、さらなる研究の進展も期待されるものだそうです。すごい研究成果だと思います。
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腰椎椎間板変性症発症に関連する遺伝子

2013-10-23 08:30:12 | 研究
老化に伴って生じる腰椎椎間板変性症(LDD)の発症に関連する遺伝子「CHST3」が発見されたそうです(QLife Pro)。老化に伴う変性によって生じる骨や関節の疾患のなかでも、腰椎椎間板変性症(LDD)は最も頻度が高いそうです。有病率30%と言われる腰痛症や、椎間板ヘルニアの起因となるLDDは、腰に負担がかかる動作等の環境的な要因だけでなく、遺伝的要因で発症する多因子遺伝病であると考えられているそうです。研究では、全ゲノムのからLDD原因遺伝子の存在する領域を絞り込み、55万個の一塩基多型(SNP)から病態と強く相関するSNPを複数同定し、これらのSNPを、日本人、中国人、フィンランド人からなる25,000人の集団を用いて相関解析を実施して、最も強く相関するSNPを見つけ出したというもの。このSNPを含む領域は、香港の大学が中国人のLDD患者18家系のゲノムワイド連鎖解析で強い相関を示した領域と重なっていたそうです。この両者の研究から示された領域にある遺伝子「CHST3」が、LDDと関わっていると考えられたとのことです。CHST3の発現パターンを、LDDの主な病変部位である軟骨、椎間板、骨で調査したところ、これらの組織でのCHST3発現は高くなっていたそうです。CHST3の詳細な解析により、CHST3の特定の部分にLDDと非常に強い相関を示す別なSNPがあること、CHST3から転写されたメッセンジャーRNA(mRNA)の配列のうち、翻訳されない末端の領域に、翻訳を抑制するマイクロRNAとの結合配列があること、このSNPによってCHST3のmRNAが不安定化し、mRNA量が減少することがわかったそうです。色々なことが分かっていきます。
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ヒトの皮膚から直接軟骨細胞

2013-10-22 08:30:09 | 研究
ヒトの皮膚細胞から、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を経ずに軟骨細胞の特徴を持つ細胞を作製することに成功したそうです(MSN産経ニュース)。これまでの流れでは、様々な細胞に分化可能なiPS細胞は皮膚などの細胞から作る。今回はiPS細胞を経ず皮膚の細胞に遺伝子を導入、別の細胞を直接作製する「ダイレクト・リプログラミング」という手法だそうです。作製期間が短く、病気やけがで変性した軟骨治療に役立つと期待されるそうです。iPS細胞作製に必要な「c-MYC」「KLF4」と、軟骨細胞に分化するのに必要な「SOX9」の三つの遺伝子をウイルスを使って新生児の皮膚細胞に導入し、2週間以内に軟骨細胞の特徴を持つ細胞ができたというもの。マウスの体内にこの細胞を移植すると軟骨組織が形成され、腫瘍は見られなかったそうです。移植に必要なだけの細胞を作るのにかかるのは約2カ月で、iPS細胞を経た場合のほぼ半分だそうです。
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