健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

大学院入試情報

2014-07-31 08:30:30 | 日記
豊橋創造大学大学院健康科学研究科の入試情報が更新されました。
http://www.sozo.ac.jp/department/health-science/examination.php
今回の入試より、入試についていくつか変更点があります。
1つ目は、受験科目です。一般入試ではこれまで「英語」が試験科目に入っていましたが、今年からなくなりました。
2つ目は、入試区分に「シニア対象入試」が追加された点です。
http://www.sozo.ac.jp/topics/2014/140610.php
入学時において満60歳以上で、同一職種(業種)に25年以上の勤務経験を有し、大学を卒業した者もしくは学士の資格を有する者またはこれにに準じるもので、研究科委員会が認めた者が対象となります。この入試区分では、書類審査と面接のみで選考することになります。
また、平成27年度より、遠隔授業を導入します。
http://www.sozo.ac.jp/topics/2014/140611.php
これまで「大学院に入学して勉強・研究しようと思うけど、仕事の関係で通学するのが難しい」ということで本学大学院への入学を断念していた方に朗報です。豊橋創造大学大学院健康科学研究科では、平成27年度よりインターネットを利用したテレビ会議システムを活用し、遠隔地からでも授業に参加できる「遠隔授業」を導入します。
その他、詳細は大学院健康科学研究科HPを参照ください。
http://www.sozo.ac.jp/department/health-science/
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心筋細胞をペースメーカーにする遺伝子治療

2014-07-30 08:30:46 | 研究
驚きの研究結果が先日発表されていました。心筋に特定の遺伝子を注入して、弱った心臓を強く拍動させることに動物実験で成功したというのです(AFPBB NEWS)。「Tbx18」として知られる遺伝子を、心室の一部にカテーテル注入したそうです。Tbx18は、通常の心筋細胞の一部を、心臓のペースメーカー細胞である「洞房細胞」と呼ばれる細胞に変換するそうです。心筋細胞自身は、通常はペースメーカー細胞が発生する活動電位を伝搬するだけですが、Tbx18遺伝子を心筋細胞に導入して心臓内の特定部位に新たな洞房結節を形成することに成功したというもの。この治療は、「完全ブロック」として知られる疾患を持つブタに対して行われたそうです。この治療法では、開胸手術を行う必要はありません。遺伝子を注入したブタはその翌日には、治療を施していないブタに比べて心拍数が著しく速くなっていたそうです。この治療効果は、研究期間の2週間にわたって続いたそうです。通常は、電子ペースメーカーを埋め込む治療が行われているそうで、米国では毎年約30万件行われ、保健医療制度の費用は年間約80億ドル(約8125億円)に上っているそうです。この治療の最初ターゲットになるに治療の対象になる可能性がある候補としては、ペースメーカー埋め込み術後に感染症を発症する全体の2%の患者が挙げられているそうです。また「先天性心ブロック」と呼ばれる疾患を持つ胎児も候補の一つに挙げられているそうです。先天性心ブロックは、胎児2万2000人に1人の割合で発症し、胎内で不整脈を引き起こすもの。胎児にペースメーカーを埋め込むことは不可能なので、先天性心ブロックを治療するためにできることはほとんどなく、死産という結果に終わる場合が多いそうです。今回のように病気を治す目的で生きた動物の心筋細胞に遺伝子を組み込んだのは初めてだそうです。ただ、人への応用はまだまだ課題が多く、人への臨床試験を行えるようになるにはまだ少なくとも2~3年を要するとも。ペースメーカーの埋め込み手術は必要となる時が意外と早く来るかもしれません。
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ストレスと心臓発作

2014-07-29 08:30:56 | 研究
慢性ストレスが心臓発作や脳卒中を引き起こす仕組みに関する論文が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。この論文によれば、ストレスが引き金となり、白血球が体に害を及ぼす恐れがあるほど過剰に生成されることがそのきっかけとなるということのようです。過剰な細胞は動脈の内壁の上に凝集して、血液の流れを抑制し、血栓の形成を促します。そしてこの血栓は、血行を妨げたり、内壁からはがれて体の他の部位にまで流れて塞栓や梗塞を引き起こします。今回の研究は、集中治療室(ICU)で働いている専門医学実習生29人を対象に調査した結果だそうです。被験者の職場環境は、生死に関わる決断に対して重い責任を負わされることを考えると、慢性ストレスにさらされている状態のモデルとみなすことができるそうです。勤務時間中と非番時に採取した血液サンプルと、ストレスの認識に関するアンケートの結果を比較調査して、ストレスと免疫系との間の関連性を見出すことに成功したというのです。そして、ストレスが骨髄系幹細胞を活性化し、これによって白血球の過剰生成が誘発されることが確認されたようです。次に、すし詰め状態にしたり、かごを傾けたりなどの方法で、マウスにとってのストレスに相当する状況にマウスを置く実験を行ったそうです。この実験では、アテローム性動脈硬化症を発症しやすいマウスを選んで用いたそうです。その結果、ストレスが原因で生成された過剰な白血球が動脈の内側に蓄積して、プラークの成長を促すことが分かったというのです。なるほど。
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適量の飲酒

2014-07-28 08:30:01 | 研究
グラス1、2杯の酒のような適度の飲酒は健康に良いという説がありますね。でも、British Medical Journalに発表された研究論文によると、この考え方には問題がある可能性がでてきたというのです(AFPBB NEWS)。論文は、アルコールの摂取を少量でも控えることで、冠状動脈性心臓病のリスクを軽減させ、体重の減少や高血圧の抑制にもつながるとしているそうです。研究では、飲酒の習慣と健康についての研究論文50件が調査(対象とされたのは26万人以上の欧州系の人)。研究者らが特に注目したのは、ADH1Bと呼ばれる遺伝子で、これまでの研究では、この遺伝子の変異により、アルコールがより早く分解され、依存症リスクが軽減されるとしていたそうです。今回の研究では、ADH1Bの変異を持つ人は持たない人に比べて1週間あたりのアルコール摂取量が17%少なく、深酒についても78%の確率でしないとの結果が示されたそうです。さらに冠状動脈性心臓病リスクは10%低く、血圧の最高値および肥満の可能性も低かったというのです。つまり、アルコール摂取量が普段から少ない人でも、それをさらに減らすことで、心臓血管の病にかかるリスクを低減できると。ですが、今回の研究は統計的なアプローチだけに基づいている点とADH1Bの変異を持つ人がなぜより健康であるのかについて解明していない点で、ADH1Bの変異を持つ人にだけに当てはまる何らかの要因が存在している可能性がある限り、飲酒について一般的な「助言」をするのは危険とされているようです。一般的に軽~中程度の飲酒とは、1週間のアルコール摂取量が12~25単位とされているそうです。アルコール度数5%のラガービール330ミリリットルで1.6単位、アルコール度数12%のワイン125ミリリットルの単位は1.5程度だそうです。
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赤ちゃんの突然死と寝具の共有

2014-07-27 08:30:26 | 研究
赤ちゃんの突然死は、大人の寝具で添い寝することが最大の要因で、新生児の場合はその傾向が強いとする研究報告が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。この研究は、米国24州で2004~2012年に起きた睡眠に関連する赤ちゃんの死亡例8207件の政府記録を基に実施されたものだそうです。研究では、突然死の69%で眠る場所が誰かと共有され、また生後3か月までと生後4か月~12か月とでは、死亡のリスク要因が異なることが明らかに。寝具を共有していた割合では、生後3か月までの赤ちゃんで73.8%、生後4か月~12か月の赤ちゃんで58.9%。この研究での「寝具共有」は、大人用の寝具で、他の人の近く、もしくはその人の上で赤ちゃんが眠ることと定義。一方、生後4か月~12か月の赤ちゃんの突然死では、眠る場所に毛布やぬいぐるみなどが置かれ、赤ちゃんがうつぶせの状態で見つかるケースが多かったそうです。米国小児科学会(American Academy of Pediatrics、AAP)は、窒息事故を防ぐためには、赤ちゃんを両親やベビーシッターと同じ寝具で寝かせず、保護者の近くにベビーベッドを設置した上で、硬いマットレスの上で眠らせることを推奨しているそうです。また、赤ちゃんを仰向けに寝かせ、枕や毛布、おもちゃなどをベビーベッドの外に出しておくべきとも。
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赤ちゃんの社会的能力向上と音楽・ダンス

2014-07-26 08:30:00 | 研究
音楽に合わせて他の人たちと一緒に体を揺らすことは、赤ちゃんにとって思いやりを学ぶために効果的であるという研究結果が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。人と人とが一緒に動く活動には、絆や連帯感を強める効果があることはすでに立証されているそうですが、赤ちゃんに対する効果を研究したのは今回が初めてのようです。研究は、2人1組となり、68人の赤ちゃんを対象に実験を行ったそうです。音楽が鳴り始めると、各組の1人は赤ちゃんを抱きかかえて一緒に体を上下に揺らし、もう一人は赤ちゃんと向き合って体を揺らしたそうです。このときにテスト対象のグループの赤ちゃんを抱いた人物は向かい合った研究者と同じリズムで体を上下に揺らし、もう一つのグループは向かい合った研究者とは異なるリズムで体を揺らしたそうです。音楽が止むと、テスト対象の赤ちゃんたちには、子供の利他的行為に関する実験で一般的に使用されるテストを実施。テストでは、赤ちゃんと向かい合わせになっていた研究者がわざと物を落とし、赤ちゃんがそれを拾って助けてくれようとするかどうかを調べたそうです。その結果、研究者と同時に体を動かした赤ちゃんは、異なるリズムで動いた赤ちゃんに比べて相手を助ける可能性が約20%高かったというのです。
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歩き方で人の感情を判別

2014-07-25 08:30:58 | 研究
歩き方を計測することで人の感情を数学的に認識できることが明らかになったそうです(財経新聞)。人は声や顔の表情から感情を認識していると言われていますが、歩き方も同様に感情を認識するための要素であると考えられているそうです。一方、これまで、ロボットに感情を認識させる際には声と顔だけを用いるのが主流で、歩き方に対する定量的な調査は実施されていなかったそうです。今回の研究では、4人の演者が5種類の感情(喜怒哀楽恐)を歩き方で表現し、20人の被験者がどのように感情を認識するか調べたそうです。その結果、歩く速度や姿勢など、特定のパラメータが感情の認識に影響を与えることが分かったというもの。この結果に基づいて感情認識アルゴリズムを作製し、パラメータ(速度、頭や胴体の姿勢)の重み付けを変えるなどして、感情認識の成功率を検証したところ、特定のパラメータが感情認識に大きく影響を与えることが明らかになったそうです。これによって、全体の動作ではなく一部の動きを見るだけで感情を認識できることが示されたそうです。
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脂肪酸結合タンパク質遺伝子の異常と統合失調症、自閉症

2014-07-24 08:30:25 | 研究
脂肪酸結合タンパク質を作り出す遺伝子の発現量や変異によって、統合失調症・自閉症を引き起こす可能性があることを明らかになったそうです(財経新聞)。統合失調症は、幻覚・幻聴・妄想など、自閉症は対人コミュニケーションの障害・限定的な行動や興味などの特徴がみられる精神疾患で、その原因解明や予防法開発が望まれているそうです。これまでに、脂肪酸を体内で運搬する脂肪酸結合タンパク質(FABP)のうち、FABP7を作る遺伝子が統合失調症の原因遺伝子の一つであることが報告されていたそうです。今回の研究では、FARB3・FARB5・FARB7という三つの脂肪酸結合タンパク質を発現させる遺伝子についてそれぞれ調べたところ、統合失調症の死後脳ではFARB5遺伝子の発現量が増加していること、統合失調症の生存している血液細胞ではFARB5遺伝子が減少していること、自閉症の死後脳ではFARB7遺伝子が増加していることが明らかになったというもの。また、マウスを用いた実験では、FARB3やFARB7遺伝子を欠損させると、統合失調症・自閉症と同じような行動変化が見られたそうです。現在、統合失調症や自閉症などの精神疾患の診断に用いる信頼性の高いバイオマーカーはないそうですが、今回の研究でFABP5の発現量と脂肪酸量の変動を組み合わせて検査することでより正確なバイオマーカーとして利用できる可能性が出てきたそうです。また、共同研究チームが以前行ったFABP7の研究と今回の研究によって、一部の統合失調症患者や自閉症患者では脳の発達期に脂肪酸機能の不全があることが示唆されたそうです。このことは、脳の発達期である妊娠期や乳児期・幼児期に適切な量と質の脂肪酸を摂取することや、脂肪酸機能不全であってもそれを補う適切な量と質の脂肪酸を摂取することが、予防につながる可能性を示唆しているそうです。さらに、発症後でも、脂肪酸の適切な摂取が症状の軽減に有効である可能性も。今後は、どの脂肪酸をどの程度、どのぐらいの期間・時期に摂取すれば症状を軽減できるのかを明らかにすることで、新たな治療法の確立につながると期待できるそうです。
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大学院進学を考える(その2 研究課題の設定)

2014-07-23 08:30:50 | 研究
大学院進学を考えている皆さんは、「研究課題の設定」についてどのように考えているのでしょうか。前回も触れたように、そもそも「研究」とは、ある事象を説明する新たな考え(仮説)を証明すべく、仮説を証明するために実験などを計画し、それに基づいて自分の仮説を説明して納得してもらうことです。身近にいろいろな未解決の問題や解決すべき事柄などが結構あることから、こうした課題を研究テーマに設定する学生をよく見かけます。この時、注意しなければならないことがあります。それは、「研究課題」としては良いのですが、「仮説」があるか、そしてその「仮説」を立証するような研究計画になっているか、よく考える必要があります。特に、身近な問題は一見単純に見えるようでも実は非常に複雑で、多くの要因が複雑に絡み合って問題を引き起こしているのがほとんどだと思います。と考えると、そうした課題から「仮説」を導き出すのは非常に難しいことであるということができます。仮に「仮説」を設定しても、その仮説は問題の背景にある断片的な事象であることが多いと思います。また、そうした「仮説」の立証も難しくなります。ですので、大学院とくに修士課程での研究課題は、きわめて単純な基礎的な事象に焦点を当てた方がよいと考えています。例えば、「サルコぺニアの予防と改善方法における○○運動の有効性の検討」という研究課題は難しいですね。そもそも、「サルコぺニア」の発症機序が解明されていないのに、「サルコぺニアの予防法や改善法」が見いだせるとは思えません。仮に、ある運動を試してみたら効果的だったという結果が得られても、それはその対象にのみ限定された効果である可能性は否定できません。では、どのような課題を設定すればよいのでしょうか。これについては指導教官にお尋ねください。(以上はあくまでも私見です。特定の組織や団体の考えを反映するものではありませんので、予めご注意ください。)
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大学院進学を考える(その1 研究)

2014-07-22 08:30:38 | 研究
大学院進学を考えている皆さんは、「研究」ということをどのように考えているのでしょうか。研究とは、ある事象を説明する新たな考え(仮説)を証明すべく、仮説を証明するために実験などを計画し、それに基づいて自分の仮説を説明して納得してもらうことです。従いまして、まずは対象となる事象、つまりこれまでには説明できていない、自分が対象として研究してみたい事象を探すことから始まります。といっても、簡単なことではなく、これまで多くの先人たちが様々な考えをめぐらして多くのことを説明してきていますので、その中からまだ未解明な部分を見出すのは容易な事ではありません。これまでの研究を精査して初めてわかることです。そのためには、最新の研究成果を参照していく必要があります。では、最新の研究成果はどこに記録されているのでしょうか?それは雑誌(ジャーナル)と言われるものです。書籍ではありませんので注意してください。自分の追求したい事象に関連する研究が報告されている雑誌を探し当てることが重要になります。ただ、最近は研究雑誌はたくさんあり、どれを参照すればよいかわからない方も多いと思います。その際は、指導教員あるいは先輩に聞いてみてください。身近にそういう方がいらっしゃらない場合は、その道の先人に直接連絡してみるのもいいと思います。骨格筋に関する研究であれば、お問い合わせください。私が可能な範囲で答えます。さて、仮説が立てられた後、それを証明するための実験を行いますが、実験計画が非常に重要です。その実験を通して得られると予想される結果により、当初の仮説が本当に証明できるか十分に吟味しなければなりません。ただ、実験すればよいというわけではないのです。ですので、実験をしていく途中で、自分の仮説が正しいか間違っているのかがわかっていきます。結果が全部得られたら、それを読者にわかってもらうように丁寧に説明するために考察を書き、論文として仕上げます。最近、科学技術の進歩が目覚ましく、新しい手法を用いて以前には考えられなかった結果が次々に得られています。ところが残念なことに、ただ結果を得ているだけで、仮説が曖昧だったり、結果が仮説を証明していない研究をよく見かけます。なかなか、初めからしっかりとした研究をできる方は少ないものです。ですので、指導者が重要になります。指導者をしっかり選らぶことから研究が始まります。指導者選びを間違えないようにしましょう。(以上はあくまでも私見です。特定の組織や団体の考えを反映するものではありませんので、予めご注意ください。)
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