健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

アレルギー体質の仕組み

2012-11-30 08:30:35 | 研究
アレルギーが起きやすくなる仕組みの一端が解明されたそうです(日本経済新聞)。特定の遺伝子がうまく働かないと、免疫細胞が炎症物質を盛んに出すようになるそうです。アレルギーは免疫細胞の一つである「マスト細胞」から、炎症物質のヒスタミンなどが過剰に出て発症します。人によって症状が違い、遺伝子が一因と考えられています。免疫細胞の表面にある「エルミア3」と呼ぶたんぱく質を作れなくしたマウスに化学物質を与えたところ、皮膚が赤く腫れ上がったり、ぜんそくになったりしたそうです。一方、このたんぱく質が正常に働くマウスでは症状は起きなかったそうです。エルミア3と同様の働きをするたんぱく質はヒトの免疫細胞にもあるそうです。脂質の一種で皮膚などにあるセラミドが重要なことも突き止めたそうです。今後、根本的な治療薬の開発につながる可能性もあるということです。アレルギー体質の方には朗報ですね。
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天才は遺伝か環境か

2012-11-29 08:30:40 | 日記
天才は「生まれか、育ちか」――。才能や成功は遺伝で決まるのか、環境で培えるものなのかという二極論は、答えの出ない永遠のテーマですね。ですが、天才と凡才の間には、少なくとも、目に見える大きな違いがあることが分かったそうです(The Wall Street Journal日本版)。その違いとは、脳の構造だそうです。相対性理論で知られる天才物理学者アルベルト・アインシュタインの脳の写真を調べた結果、前頭葉などが並外れて発達していたというのです。脳の重さは1200グラム強と、平均的な大きさだが、全米保健医学博物館に保管されている14枚の写真を分析したところ、集中力や粘り強さをつかさどる前頭葉や、体性感覚皮質などが大きく、脳のシワである脳回が複雑さを極めていたというもの。これが、たぐいまれなる空間視覚能力や数学能力を生み出したのだろうというのです。このアインシュタインは、偉大な物理学者になるべく、特別な脳を持って生まれたのか。研究に研究を重ねるうちに特定の部位が発達したのか――。つまり、天才は99%の才能と1%の努力なのか、はたまた1%の才能と99%の努力なのかというナゾには決着がつかないままです。さて、答えはあるのでしょうか。
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ホップに動脈硬化予防効果

2012-11-28 08:30:00 | 研究
ビール原料のホップに含まれる成分「キサントフモール」に動脈硬化を予防する効果があることが発表されました(ナショナルジオグラフィック)。キサントフモールにはほかにもガン細胞の増殖抑制作用や、抗変異原活性、抗HIV作用などの生理活性があることが、国内外の研究で知られているそうです。心筋梗塞や脳卒中の発症にもつながる動脈硬化を防ぐには、血清中の総コレステロール値の低下のほか、“善玉”の「HDLコレステロール」値を上げることが、重要と考えられています。HDLコレステロールは、肝臓や小腸で合成されて血清中に存在する「コレステリルエステル転送蛋白(Cholesteryl ester transfer protein, CETP)」によって、“悪玉”のLDLコレステロールや超低比重リポ蛋白に転送され、量が減ってしまうことから、HDLコレステロールの上昇を促すCETP阻害薬の開発が、医薬業界では進んでいるそうです。この研究では、CETPの遺伝子を導入したマウスに、キサントフモール(0.05%)とコレステロール(1%)を混和した餌を18週間摂取させ、血清中のHDLコレステロール値とCETP活性を測定したそうです。その結果、キサントフモール入りの餌を摂取したマウスでは、HDLコレステロール値が増加し、CETP活性は低下したというのです。さらに、動脈硬化を測定する際の指標部位の「胸部大動脈弓」で総コレステロールの蓄積量を測定したところ、キサントフモールの摂取により、有意に蓄積量が減少していたとも。これらのことから、キサントフモールには、CETP活性を阻害し、動脈硬化を予防する効果があることが分かったというのです。これまで食品成分や天然物の成分で、CETP活性の阻害作用をもつものは報告されていなかったそうで、今回のホップ成分「キサントフモール」が、天然物としては世界で初めての発見だそうです。
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散歩で脳に活力

2012-11-27 08:30:40 | 研究
5分以上歩くと、集中力や共感力、意欲などをつかさどる脳の「前頭前野」前側の血流が増加するそうです(ヨミドクター)。さらに脳内の神経細胞間で情報伝達を行う化学物質セロトニンを作る神経が活性化することで、脳がリラックスして心理テストでも緊張や不安、うつ傾向が減り、活力は上がるそうです。ただし疲れ過ぎると逆効果で、30分程度が目安だそうです。太陽を浴びながら歩くと効果が増し、考え事や同行者との会話は避けた方がいいとも。多くの人がお遍路で悩みを解消するのも、歩くことによるセロトニン神経の活性化で説明できるそうです。うつや認知症予防にも効果があるとも。黙々と歩くのですね。
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やる気

2012-11-26 08:30:26 | 研究
運動を制御する大脳基底核の一部にある「腹側淡蒼球」という部位が、報酬の量を予測し、運動や行動の「やる気」につなげる神経回路の一部であることが突き止められたそうです(47NEWS)。腹側淡蒼球の働きはこれまで明らかになっていなかったそうです。今回、腹側淡蒼球が報酬や、やる気に関わることが明らかとなったので、今後はやる気が学習意欲や習熟度をコントロールする仕組みの解明へつながるそうです。
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肥満に関する膜タンパク

2012-11-25 08:30:29 | 研究
2型糖尿病は、脂肪組織の慢性炎症が引き金となり、血液中のブドウ糖の量が増加することで発症します。そして肥満は、この2型糖尿病の主な危険因子となっています。肥満に関係があるとされるGタンパク質共役受容体(GPCR)の一種であるGPRC5Bに着目し検討したところ、細胞内シグナルの発信基地となる脂質ラフトと呼ばれる細胞膜上の特別な領域に局在するGPRC5Bが、シグナル伝達に重要な役割を担う酸化酵素と結合して酵素活性を制御していることを突き止めたそうです。GPRC5Bの機能や肥満との関連性を調べるため、GPRC5B遺伝子欠損マウスを作成し、この遺伝子欠損マウスと野生型マウスに高脂肪食を与えたところ、GPRC5Bを持つ野生型マウスは、太って2型糖尿病を発症したのに対し、遺伝子欠損マウスは太らず、血糖値も正常な値を示したそうです。エネルギーの消費と蓄積のバランスが崩れることによって、GPRC5Bが関係した脂肪細胞の慢性炎症を引き起こすメカニズムが分かったそうです。2型糖尿病の新しい治療戦略が開発されるかもしれないと期待できるそうです(医療介護CBニュース)。
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熱帯アリが本州進出

2012-11-24 08:30:19 | 研究
熱帯・亜熱帯地域に生息するアギトアリが、今年に入って東京、神奈川、大阪などで相次いで見つかったそうです(朝日新聞デジタル)。横浜市金沢区の金沢自然公園では2010年から、アゴの大きな見慣れない羽アリが目撃されており、今年7月に営巣しているのを園内にある金沢動物園の職員が発見し、アギトアリと確認されたそうです。このアリは東南アジアの熱帯・亜熱帯に分布し、日本では屋久島、種子島など九州南部で生息が確認されていたそうです。しかし、今年に入り、東京都武蔵村山市、大阪府箕面市、岡山県赤磐市、三重県いなべ市など、本州各地で相次いで見つかったそうです。温暖化の影響でしょうか。生態系への影響が心配ですね。
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ソフトドリンク税

2012-11-23 08:30:50 | 日記
通称Soda Tax (=ソーダ税)は最初にアメリカで提唱されたアイデアであり、2009年から30以上の州で導入されているそうです(Medister News)。米国では肥満、糖尿病は深刻な問題であるため、このような形で国民の消費を抑える必要性に迫られたためです。ソーダ税は炭酸飲料の他にスポーツ飲料、エナジードリンク等も対象となったそうです。ソーダ税のような物品税は米国以外の国でも導入されており、特に北欧のノルウェーでは砂糖が含まれる食品に対しては1キロあたり7.05クローネ(約99円)と定めているそうです。他にもハンガリーやフィンランド、今年からはフランス等の国々でも増税・課税の動きが見られるそうです。ソフトドリンクの飲みすぎは糖尿病、肥満以外にも様々な症状に繋がる恐れがあると考えられています。例えば保存料として含まれている安息香酸ナトリウムは喘息を悪化させる可能性があり、コーラなどに多いリン酸はう蝕、骨粗鬆症、腎臓結石を引き起こすこともあるそうです。マレーシアには砂糖生産に対し補助金があり、これが糖分摂取過多の大きな要因となっているそうです。そこでペナン消費者協会は、ソフトドリンクに対する課税と砂糖生産に対する補助金の廃止、特大のボトルの販売などを禁止するとを訴えているそうです。
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ゲーマーは外科医と同レベル

2012-11-22 08:30:27 | 日記
長時間ゲームをすることで培われる優れた手と目の連係スキルは、世界最先端のロボット手術ツールを使いこなす上で医師と同等であることが明らかになったそうです(MSN産経ニュース)。今回の研究では、ロボット手術で世界をリードするUTMBの研修医たちが、ロボット手術の20種類のシミュレーションテストで、米国の高校生および大学生と対決したそうです。テストに参加した高校生は、TVゲームを1日平均2時間プレイしており、大学生の中には1日4時間という人もいたそうです。彼らの手術スキルはUTMBの研修医たちと同レベルであり、場合によっては上回るケースもあったそうです。ただし、ロボットを使わない腹腔鏡手術のシミュレーションでは、当然ながらUTMBの医師チームに軍配が上がり、ここでは医師が面目を保ったそうです。ちなみに、大学生たちは高校生より2時間長くゲームをプレイしていたそうですが、ロボット外科手術のシミュレーターの操作スキルに関して、この時間差は特に大学生に有利な結果をもたらさなかったとも。
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チンパンジーも中年は・・・・・

2012-11-21 08:30:00 | 研究
「類人猿にも中年の危機」とする論文が発表されたそうです(MSN産経ニュース)。日本を始めとする各国のチンパンジーなどの類人猿を調べた結果、「中年」にあたる年齢で最も幸福度が下がっているとするデータが得られたというものだそうです。チンパンジーなど類人猿の個性について研究しているグループが、日本や米国などで飼育されているチンパンジー、オランウータン508頭を調査したそうです。人間から見た周囲との社交性や日常生活への積極性など、4項目から算出した数値を「幸福度」と定義し、それぞれの個体について担当飼育員2人にアンケートを実施した結果、寿命が50年前後とされるチンパンジーでは「中年」にあたる30歳前後の個体が、幸福度が最も低かったというのです。中年になると幸福度が低くなるのはヒト科の生物的な現象なのではないかとしています。
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