健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

赤ワインのポリフェノール

2014-05-31 08:30:07 | 研究
赤ワインに豊富に含まれている抗酸化物質の「レスベラトロール」に健康に対する効果はないとする研究成果が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。ポリフェノールの一種であるレスベラトロールについては、動物を用いた過去の実験で、健康に良い効果を与える可能性が示されていたそうです。これらの実験結果を受け、レスベラトロールのサプリメントは、米国だけでも年間3000万ドル(約30億円)規模の市場に成長したということです。日本でも、そうした傾向は少なからずあると思います。今回の研究は、イタリア・トスカーナ(Tuscany)地方の2つの小さな村に住む65歳以上約800人を対象に、被験者の尿に含まれるレスベラトロールの濃度が測定され、食事を通して摂取したレスベラトロールが、健康促進に効果を与えているかどうかを調べたそうです。1998年に研究を開始してから9年間で被験者の34%が死亡し、レスベラトロール濃度と早死にとの間に相互関係が確認できなかったというのです。さらに、がんや心臓疾患の発症とレスベラトロール濃度との間にも、特に関連性はなかったそうです。ですので、少なくとも欧米式の食事に含まれるレスベラトロールには、炎症、心臓血管疾患、がん、寿命などへの実質的な効果を持たないというのです。和食に赤ワインの場合はどうなのでしょうね。
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オリーブオイルによる血圧低下作用

2014-05-30 08:30:22 | 研究
オリーブオイルなどに含まれる不飽和脂肪を野菜と一緒に摂取すると、血圧を下げるタイプの脂肪酸ができるということが発表されたそうです(AFPBB NEWS)。硝酸塩や亜硝酸塩を多く含むホウレンソウ、セロリ、ニンジンを、体に良い脂肪を含むアボカドオイル、ナッツオイル、オリーブオイルと一緒に摂取することでニトロ脂肪酸が形成されるというのです。マウスを用いて行った研究によると、このニトロ脂肪酸が血圧を調節するエポキシド加水分解酵素の働きを抑制し、血圧を下げる効果があることが分かったそうです。地中海式ダイエットでエキストラバージンオリーブオイルやナッツを摂取すると脳卒中、心不全、心臓発作といった心血管障害の発生頻度が減ることは、これまでの研究で分かっていたそうです。野菜や魚類、穀物、赤ワイン、ナッツ、植物性オイルを用いた料理の地中海式ダイエットについては、科学者のほとんどが健康に有益だと認めてきたというのですが、その仕組みについての一致した科学的説明はまだなかったそうです。ヨーロッパの人々が高脂肪のチーズや肉類を食べる機会が多いにもかかわらず全体的に米国人よりも健康的なのは、赤ワインを飲む習慣があるためだとの見方もあるようです
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健康長寿

2014-05-29 08:30:42 | 研究
厚生労働省研究班がまとめた「健康寿命」の20大都市別データが発表されました(朝日新聞DIGITAL)。2010年時点で最も長いのは男女とも浜松市で、最も短いのは男性が大阪市、女性は堺市。健康寿命とは、生活に支障なく過ごせる期間の平均を示したもので、75万人を抽出した厚労省の国民生活基礎調査で、「健康上の問題で日常生活に影響がない」と答えた人の割合から計算したものだそうです。この健康寿命と平均寿命(10年は男性79・55歳、女性86・3歳)との差を縮めることが目標となっています。研究班が集計した20大都市別データによると、健康寿命が1位の浜松市は男性72・98歳、女性75・94歳。20番目は大阪市の男性68・15歳、堺市の女性71・86歳。都道府県別のトップは、男性が愛知の71・74歳、女性が静岡の75・32歳。ちなみに、これまでのデータは都道府県別しかなかったそうです。
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若者とうつ病

2014-05-28 08:30:46 | 研究
世界保健機関(World Health Organization、WHO)は、うつ病が若者の疾患と障害における最大の要因であるとの報告書を発表したそうです(AFPBB NEWS)。この報告書によると、若者の死因では自殺が3番目に多いとも。WHOは、10~19歳の各国の若者との直接面談および多くの調査論文をもとにこの報告書をまとめたそうです。報告書はたばこやアルコール、薬物、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、メンタルヘルス、栄養、性と生殖の健康、暴力など、多岐にわたる問題を調査した結果、若者の疾患と障害の要因として、うつ病に次いで2番目に多かったのは交通事故だったそうです。また報告書によると、2012年に死亡した若者は全世界で推計130万人。死因のトップ3は交通事故、後天性免疫不全症候群(エイズ、HIV/AIDS)、自殺だったそうです。交通事故による死亡の確率では、少年が少女の約3倍高かったそうです。一方、少女で最も高い死因は自殺で、出産に伴う合併症がそれに続いたそうです。HIVによる死者数は若者の間で増加しており、アフリカでは他の全ての年齢集団でHIV関連死が減少しているにもかかわらず、若者だけ増加しているそうです。
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乳がん引き起こす化学物質

2014-05-27 08:30:48 | 研究
マウス実験で乳がんを引き起こすことが示された日常的な化学物質17種について、人間でも同様の危険性があると警告する論文が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。またこの論文では、これら化学物質との接触を避けるよう女性たちに警告して、接触を最低限に抑える方法について助言しているそうです。乳がんを発症させると指摘されている化学物質は、ガソリン車やディーゼル車からの排ガスや難燃剤、汚れ防止処理が施されている繊維、飲料水内の消毒副生成物などに含まれているそうです。環境内に存在する乳がんの発がん物質で、最も影響の大きいものはベンゼンとブタジエンだそうです。これらは自動車や芝刈り機の排ガスや、たばこの煙、焦げた食品などに含まれているそうです。また、塩化メチレンのような塩素系溶剤や、ホルモン補充療法で使用される薬品、発泡スチロールの材料でたばこの煙にも含まれるスチレンなども危険性が懸念されるそうです。こうした化学物質を避ける方法として次の7つを挙げているそうです。
・車や発電機の排出ガスとの接触を制限する。停車中にエンジンをかけっぱなしにすること(アイドリング)を止める。芝刈り機などの管理機は電動のものを使う。
・調理中は換気扇を回し、焦げたものを食べないようにする。
・ポリウレタンフォームを使った家具を買わない。難燃剤が施されていない家具を選ぶ。
・汚れ防止処理が施されている敷物や家具、繊維を避ける。
・ドライクリーニングを利用する場合には、パークロロエチレン(PERC)などの溶剤を使わないサービスを探す。「ウェットクリーニング」を指定する。
・飲料水の濾過には、炭素ブロック(炭素片)フィルターを使う。
・屋内に化学物質を持ち込まないようにするため、靴は玄関で脱ぎ、掃除機は高性能フィルター(HEPA)の付いたものを使う。水拭きをする。
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King's College Londonからの大学院生

2014-05-26 08:30:13 | 研究
昨年に引き続き英国King's College London(ロンドン大学)の大学院生が、今日から本研究室にやってきました。本研究室で修士論文のための実験を行います。滞在期間は10週間の予定です。昨年は2名の大学院生を受け入れましたが、今年は1名です。予め研究内容を考え、すぐに着手できるように準備はしてきました。しっかりと成果を残してほしいものです。また、豊橋をはじめ日本の文化にも触れてほしいものです。
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肺のタンパク質が老化を抑制

2014-05-25 08:30:04 | 研究
肺で活発に働いている二つのタンパク質が老化を抑制し長生きにつながる長寿遺伝子の作用を保っているという研究成果が報告されたそうです(MSN産経ニュース)。このタンパク質とは、テトラスパニンCD9とCD81だそうです。テトラスパニンは細胞膜上にあり、細胞間の情報のやりとりや細胞増殖などを制御しているものだそうです。チームは喫煙や有害物質の吸入が原因とされる慢性閉塞性肺疾患(COPD)の研究で、CD9とCD81を作れないようにしたマウスを作製したところ、普通のマウスをCOPDにするにはたばこの煙に半年間さらさなければならないが、このマウスは何もしなくても生後2カ月半でCOPDになったと同時に、これらのタンパク質がないと脂肪や筋肉が早く萎縮し寿命が短くなったというものです。でも、論文そのものをよく読んでみないとよくわかりませんね。ひょっとしたら、COPD由来の筋萎縮かも??
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糖化たんぱく質がアレルギー症状を抑制

2014-05-24 08:30:01 | 研究
糖化たんぱく質「メラノイジン」が花粉症などのアレルギー症状を抑える仕組みが明らかになったそうです(日刊工業新聞)。アレルギー症状は(1)原因物質のアレルゲンによる刺激による抗体産生、(2)抗体がのどや鼻の粘膜にある肥満細胞と結合し、アレルゲンに対する免疫反応を記憶、(3)アレルゲンが再び侵入すると抗体が反応し、これと結合した肥満細胞がヒスタミンなどの化学物質を含む顆粒状の物質を放出―という経路で発症するそうです。この顆粒の放出にはカルシウムが不可欠で、アレルギー反応が起きた際には肥満細胞の外からカルシウムを補充する仕組みが働くそうです。カルシウムの細胞内への入り口となる「カルシウムチャネル」の開閉を制御する活性酸素種の生成に必要なタンパクの一つがRacで、その活性をメラノイジンが抑えるということだそうです。メラノイジンを多く含むサプリメントや食品を摂取すれば、アレルギー症状が和らぐ可能性がある?かもしれないそうです・・・・。
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マラリア感染による脳の変化

2014-05-23 08:42:30 | 研究
マラリア感染が重症化して起こる脳症では、においを感じる脳の部位に異常が起き、嗅覚が低下することが明らかになったそうです(日刊工業新聞)。脳症を起こす熱帯熱マラリアは、アフリカを中心に年間100万人前後が死亡しているそうです。国内でも海外渡航者らが持ち込んで年間100人ほど発症しているそうです。これまでマラリア感染に関しては、意識低下や錯乱などの神経症状で診断してきたそうですが、発症後はすぐ死亡してしまう事例が多かったそうです。今回の発見は、新たな早期診断法へと発展する可能性があるものだそうです。
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3Dプリンター活用した移植手術

2014-05-22 08:30:26 | 研究
3Dプリンター。様々なものが作成できるとして、その功罪が議論されていますが、今回はその「功」のニュースを紹介します。重い肺の難病を患う妻の左肺として、夫の右肺の一部を裏返して移植する手術が成功したと発表したというニュースが先日ありましたが、その裏で3Dプリンターが活用されていたそうです(時事通信)。事前に3Dプリンターで夫妻の胸の模型を作り、裏返しによってずれる血管などの縫合が可能か確認したというものです。人間の肺は右側が上葉、中葉、下葉に、左側は上葉、下葉に分かれています。また、右肺は心臓に近い左肺より少し大きくなっています。ですので、左右の肺を逆に移植する場合、気管支や肺動脈などをうまく縫ってつなげるかが大きな課題になるそうです。そこで、3Dプリンターで夫妻の胸の模型を作り、無事世界初の生体肺移植に成功したというものだそうです。
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