健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

マイクロRNAでiPS細胞

2011-05-28 08:19:55 | 研究
マイクロRNA。特定のタンパク質をコードしていないRNA。以前は、RNAの断片、つまりRNAが分解したものと考えられていました。しかし、今ではこうしたマイクロRNAなどの非常に小さく特定のタンパク質をコードしていないRNAが遺伝子発現の調節において重要な働きをしていることが明らかになってきました。マイクロRNAは、タンパク質をコードしているmRNAと同様にゲノムから転写されます(作られます)。マイクロRNAはmRNAに結合して、mRNAの働きを抑制してしまいます。つまり、特定の遺伝子発現を抑制する働きを持っています。最近では、マイクロRNAなど特定のタンパク質をコードしていないRNAの機能解析が注目されています。そうした中。マイクロRNAを用いてiPS細胞と似た性質を持つ万能細胞を作るというニュースが入ってきました。皮膚などの細胞にマイクロRNAを3種類添加するだけで、iPS細胞ができたというのです。これまでは、iPS細胞を作る際にはウィルスを用いて遺伝子を導入していました。また、がん遺伝子の導入も。このマイクロRNAを溶液に添加する方法では、安全性も高く、再生医療への応用が強く期待されると思います。マイクロRNAにより作成されたiPS細胞に似た万能細胞は「mi―iPS(ミップス)」細胞と名付けられたそうです(YOMIURI ONLINE)。
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