回文は行く その千八百七十二

勘違い訊かずまず牡蛎胃が沈下

回文は行く その千八百七十一

常に待つ夜着と夜伽よ妻に熱

回文は行く その千八百七十

唐紙や亀吐く羽目か闇からか

回文は行く その千八百六十九

寒泳は遠く逝く音肺炎か

回文は行く その千八百六十八

佳人置くしめ縄鞣し久遠寺か

回文は行く その千八百六十七

鳴門にて勇魚見なさい手に捕るな

回文は行く その千八百六十六

鳴神か夜着と夜伽よ髪苅るな

回文は行く その千八百六十五

酒集まりし図やずしり松明けさ

回文は行く その千八百六十四

外おわす旦那ご難だすわお屠蘇

回文は行く その千八百六十三

七日締め武家様叫ぶ雌鹿の名

回文は行く その千八百六十二

六日にて寝かす貸す金手に皆無

回文は行く その千八百六十一

五日には流人タン煮る歯に勝つ胃

回文は行く その千八百六十

こいた嘘寒さかさむさ添う幇間

回文は行く その千八百五十九

仮欝は列ぶ手ぶらな初売りか

回文は行く その千八百五十八

福袋枸杞ごと五穀六分食ふ