死んだら談志2024

水仙花死んだら談志完成す
回文俳句&吾郎関連の諸事雑事
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新・回文解体新書 その一

2006年01月01日 00時19分56秒 | Weblog

よき年よき仲儚きよし時よ

言霊の悪戯。そうとも思えるのだ。掲句は年賀状にキャッチとして掲載しようとした句の、ある落ち着き型。
元々、「よきとしよきなか」(良き年良き仲)というモチーフがあった。正月らしいいいフレーズだ。そして天の配剤か「◯かなきよしときよ」(◯かなき良し時よ)と返ってくる。回文の醍醐味。鴨がネギ背負って来たような、チューリップ満開の絵。あとは◯に一文字加えれば、一気通貫完成。‥‥となるはずだった。
が、ハタと困った。いや、これが正月用の御目出度い句でなければ、掲句のようなアイロニカルな線で堂々と凱旋帰国するのだが。「◯かなき」の◯には何をいれても、その後の「なき」がネガティブな方向に連れて行ってしまう。曰く「赤なき」「生きなき」「浮きなき」「益なき」「翁記」「柿亡き」「危機なき」「苦期なき」「卦期」「古希なき」「先なき」「士気なき」「隙なき」「籍なき」「蘇期なき」「多喜なき」「知己なき」「ツキなき」「敵なき」「時なき」「泣き泣き」「二季なき」「抜きなき」「根期なき」「軒なき」「儚き」「惹きなき」「附記なき」「壁なき」「補記なき」「撒きなき」「幹なき」「無期な忌」「芽期なき」「喪期亡き」「焼きなき」「行きなき」「良きなき」「拉期なき」「力なき」「流期なき」「礫なき」「櫓木なき」「和気なき」‥‥。
無理はあるが、これでもかっていうくらいのネガティブ攻撃。上記ならかろうじて「翁記」「危機なき」「敵なき」が通関可能組。それにしても年賀状にあって欲しい文字面ではない。それはないよ~~、これだけ美味しそうな餌ぶら下げといて‥‥。そうか「よき仲」の裏返しは「なきよ」。「良き仲なきよ(世、夜)」。トラップだな。地雷が埋めてあったか‥‥‥。
綺麗な薔薇には棘がある。甘い毒。回文/言霊恐るべし‥‥。

ま、ということで、気持ちも新たに今年も回文製造に勤しみますので、ひとつおつきあいくだされ。あ、賀状には「よき年よグッドなドッグよし時よ」ということで送らせていただきました。
笑ってポン!




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コメント (1)
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