一生

人生観と死生観

あるキリスト者の凱旋

2010-09-13 17:36:56 | 生活
9月13日 曇り
 今日家内のもとに訃報が届いた。小笠原荘子(まさ子と読む)さんのご子息からであった。彼女は97歳の高齢で8月29日天に帰ったとのことであった。一向に湿っぽくないのがキリスト教の家庭である。この人は長年我が家との付き合いがあった。きっかけははるか昔私たちが水戸市にすんでいた頃、落合さんという美人の奥さんが同じアパートに住んでいて、紹介してくれた。二男充の事故とその後の戦いに大いに関心をもってくれ、東京からわざわざわが家にお見舞いに来てくれた。とても積極的な行動派の人であった。若いときから教会に属し、有名な社会事業家の佐竹音次郎に可愛がられ、その秘書のようなことをやっていた時期がある。音次郎翁の紹介で旅順工大の学生の小笠原隆長氏に会い、結婚したのである。戦争後引き揚げ、いろいろの苦労の後に東京都杉並区浜田山に家を持って、下宿屋をやって生活を支えた経験もある。ご主人は中学校の教師で無教会の信者であったが癌にかかって早くなくなり、それから50年に近く独り立ちしてきたのである。暗さがまったくないので裕福な金持ちの奥さんかと思われもしたがそうではない。苦労をものともしなかったのだ。晩年は目を病んだが、手術によって回復した。時々朝日新聞に投書して採用された。今年も一度それを見た。ご自分が入った介護老人ホームのことを話題に書いてあり、元気に暮らしておられることが偲ばれた。この夏は異常な暑さだったからこたえたのであろうか。もっと長く百歳を越えてキリストの証しを立ててくださることを期待していたが叶わなかった。天の浄福を祈る。