言葉のクロッキー

本とかテレビその他メディアから、
グッと感じた言葉・一文などを残してゆきたい。
その他勝手な思いを日記代わりに。

延命医療

2016-12-03 | 読書 本
・・・新しいテクノロジーの登場により、医療関係者は、自分の施した処置が死にゆく人に苦しみを与えていることに鈍感になった。そして患者の健康を回復しないまま、ただ死期のみを遅らせるケースが目立つようになった。・・・・

科学を信奉する文化は、老化を、医療によって予防や治療のできる病気の集合にすぎないと思いたがる。しかし、この悪魔とどんな取引をしようとも自然を出し抜くことはできない。死期を遅らせることはできるが、老化を治すことは不可能なのだ。加齢を免れる術はないのだ。・・・・

患者の配偶者や子供たちは、生命維持装置の取り外しの判断を求められることになる。それまでめったに考えたことのない、精神的、法律的、医学的な問題に向き合うことになる。

こちらが医師に対して、NOという権利はあるのか?
医療の継続を強制する権利は?
愛する人がどれほど苦しんでいようとも、できる限りの手段を講じて延命をはかるのが、神のご意志なのだろうか?
医療を拒否すれば自殺になるのか?
医療を施さないのは殺人にあたるのか?それは罪か?

愛する家族が言葉による意思表示ができなくなった状態で、家族はどのようにして決定を下せばよいのか。・・・・・

この厄介な状況を作りだしたのは、わたしたち家族ではない。

無限の長壽を礼賛し、やみくもに信奉してきたわたしたちの文化なのだ。

                                                       「天国の扉をたたくとき」

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