言葉のクロッキー

本とかテレビその他メディアから、
グッと感じた言葉・一文などを残してゆきたい。
その他勝手な思いを日記代わりに。

老いる

2015-01-21 | 語録
人間70、80歳になると、もう、あと何年ぐらいということを考えるようになる。
あと数年、あと2~3年ぐらいかという考えにおちいるのが普通であろう。
そうなると、勢い、日々を過ごす過ごし方も、あるいは暮らし方も、
いや、それだけでない、考え方も取り組み方も、どうしても消極的になってしまう。
もう歳だからとか、まあ、あと生きても数年だからとか、ということになる。
何事も前向きに考えない。考えられないから、生活に張りがなくなってくる。
生き甲斐もないから、生気もなくなってくる。老けてくる。
それだけでなく呆けてもくるだろう。
                       江口克彦

九皐会一月定例会

2015-01-12 | 能・芸能
1月11日(日) 午後1時~4時半  矢来能楽堂
番組
● 能『老松』 100分
    シテ:弘田裕一  ツレ:駒瀬直也  ワキ:殿田謙吉  ワキツレ:宝生欣哉 大日方寛      

    後見:佐久間二郎 遠藤和久    間:善竹大二郎

    太鼓:國川純 大鼓:大川典良 小鼓:曽和正博 笛:松田弘之

    地謡:鈴木啓吾 小島英明 桑田貴志 池上彰悟 中所宜夫 永島忠侈 観世喜正 奥川恒治

● 狂言『鬼瓦』

    シテ:善竹十郎  アド:善竹大二郎

● 仕舞

    『田村』 : 長山禮三郎     『草紙洗小町』 : 五木田三郎      『弱法師』 : 永島忠侈

● 能『合浦』 (一拍子之伝) 30分

    シテ:観世喜之    ワキ:宝生閑     間:善竹十郎     後見:観世喜正 中森健之介

    太鼓:観世元伯 大鼓:亀井忠雄 小鼓:幸正昭 笛:一噌仙幸

    地謡:永島充 佐久間二郎 長山耕三 坂真太郎 中森貫太 長山禮三郎 五木田三郎 遠藤喜久


中堅の能楽師達が主の「老松」、そして大ベテラン中心の「合浦」。めでたい時によく演じられる「老松」は華やかで、神々しい感じのする演目と思ったけれど、今回は少し地味で長くて大曲なんだという印象がした。一寸疲れてきたなと思ってから、年古びた松の精が演じる真ノ序の舞となる。これだけで30分近い。座ってるのも辛くなる。ワキツレなど殆ど片膝立ちでいるのだからもっと辛いに違いない。

仕舞「弱法師」は雰囲気があって良かった。

合浦(かっぽ)。中国最南端にあるという地名。そこで釣り上げた珍しい魚を買い取り、海に放してやったら、その魚の精が小雨降る夜に現れ、助けてくれた礼をする。鮫人という名の魚。その涙からなる宝珠。寿命長遠、息災延命、大願成就がなせるというその珠を授ける。曲としては短い。観世家の跡継ぎが初シテを演ずるときに演るそうだ。舞台は能楽師二人、間の狂言師二人で演じる。喜之師80歳、閑紙81歳。閑師は未だ体調万全という風でなく、ちょっと痛々しい。なかで狂言の十郎師の元気さが目立った。