言葉のクロッキー

本とかテレビその他メディアから、
グッと感じた言葉・一文などを残してゆきたい。
その他勝手な思いを日記代わりに。

永六輔

2016-07-17 | 語録

曲がったことのない横丁を曲がれば、旅になる・・・・

    たまには突き当りももある・・・・


笑う余裕を持ちましょうね

   笑うことはいいことです

               「遠くへゆきたい」

H28前半に読んだ本

2016-07-14 | 読書 本
1.空海の風景
2.能五十番
3.能、ドラマが立ち現れるとき (・・・能はおそらく退屈な芸術である。面白いといって楽しめるものではない。しかし、その退屈な時間のなかで、永遠ではないが、人の一生のなかでは永遠にも思えるほどの記憶が生まれるのも能である。そのためにじっと能を見つづけることが大事なのだ。)
4.旅路
5.能はこんなに面白い
6.精霊の王
7.天下家康伝
8.影法師
9.翼に息吹を
10.武士の碑
11.パウルを探して
12.銀狼王
13.わが黄金のベンガル
14.モーロクのすすめ
15.橋がかり
16.秘すれば花(渡辺淳一)
17.わが屍は野に捨てよ
18.背教者ユリアヌス   (・・・太陽の、あの豊かな、高貴な、白熱した輝きは、なんという崇高な生命にみちていることか。泣きごともない。歯ぎしりもない。退屈もない。それは果てしない充溢であり、巨大な無関心なのだ。)
19.秘すれば花(秋月ともみ)
20.若冲   (・・・鳥も花もすべて、生きることは美しく、同時に身震いを覚えるほど醜い。無数の蟻に食い荒らされる、腐った柘榴。木の枝からぞろりと垂れ下がり、風に蠢く葡萄の蔓。生きることは死ぬことと同義であり、生の喜びを謳うことは、日に日に終焉に向う命を呪うことと紙一重。ならばこれまで生きる苦しみのみを描いてきた自分はどんな画人よりも草木国土がこぞって晴れやかなる命を礼賛する浄土を描くにふさわしいはずだが・・・)
21.西行花伝(  散る花も 根にかへりてぞ または咲く 老こそ果ては 行方しられね

           願わくは 花のしたにて 春死なん そのきさらぎの 望月の頃  )
22.愛と哀しみ のルフラン
23.一〇三歳になってわかったこと   (・・・時間でもお金でも、用だけをきっちり済ませる人生は1+1=2の人生です。無駄のある人生は、1+1を10にも20にもすることができます。無駄はよくなる必然だと思ってます。)
24.拳心
25.風の中のマリア
26.魯山人の書
27.修羅の宴
28.イトマン事件の深層
29官僚達の夏
30硫黄島に死す
31典獄と934人のメロス

第49回のうのう能

2016-07-05 | 能・芸能

能 『野宮』-幽玄の美ー 大槻文蔵 平成28年7月3日    矢来能楽堂

番組

● 仕舞
『葵 上』   観世喜正
             『夕 顔』   観世喜之 
                                 地謡:永島充  坂真太郎 中森健之介 河井美紀             
● 能   『野  宮』
                里女  六条御息所の霊    大槻文蔵 
               旅僧  森常好     里人  山本泰太郎    後見  赤松禎友 大槻裕一
               地謡  観世喜正 桑田貴志 坂真太郎 小島英明 佐久間二郎 永島充
               大鼓:亀井忠雄 小鼓:幸正昭 笛:一噌隆之

源氏物語に出てくる六条御息所を主人公にした曲「野宮」。・・・長けた演者でないとなかなか舞うことが許されない本三番目物の代表的な演目・・・御息所の気高さ、誇りの高さが源氏への思い出を通して描かれ、凛と張り詰めた空気と、輪廻の車で廻り続ける妄執、といったものを品格高く表現云々・・と言われる名曲を関西の長老、大槻文蔵師が務めた。
秋も深い毎年9月7日、この日初めて訪れた、かって愛された男・光源氏を偲んで、華やかだった宮廷の日々を想う中入り前。離れていった男に未練を残すそんなある日、男を一目見ようと出かけたところ、新たに愛されているという女の乗り物と鉢合わせしてしまい、その家来たちにひどい仕打ちを受けてしまい、立ち直れないほどの心の傷を受けてしまう。それはやがて恨みとなり、怨念となって現世をさ迷う。嵯峨野の野宮に訪れた僧に、救われない心の内を語り、成仏するよう回向を頼み消えて行く。
名曲といわれる所以はいろいろあるのだろうけど、この曲は詞章・謡がすばらしいと思う。また宮廷貴婦人のシテの装束といい、簡素な作り物(横に広げた黒木の鳥居)などの素材をもとに能楽師達にとって、どのようにこの濃密な心の葛藤に溢れた物語を表現するか、非常に取り組み甲斐がある曲ということなのではないだろうか。輝くばかりの純白の長絹を纏って悠然と舞う序之舞。美しすぎるその装束ゆえに悲しみもより清冽に伝わるというもの。緊迫感溢れた破之舞。冴えた声と打音がすばらしかった忠雄師。そしてとても美しかった地謡。能楽堂の中は涼しく秋の空気感漂う。これぞ野宮というところでしょうか。 外は今年初めての猛暑、35℃を超えていた。