言葉のクロッキー

本とかテレビその他メディアから、
グッと感じた言葉・一文などを残してゆきたい。
その他勝手な思いを日記代わりに。

のうのう能 屋島

2012-06-23 | 能・芸能
のうのう能+PLUS VOL.5 矢来能楽堂

番組

・仕舞  『通盛』 観世喜之
     『景清』 観世喜正

・能   『屋島』 弓流 那須余市語
          前シテ(老漁師)後シテ(義経の霊) 観世銕之丞
          ツレ  観世淳夫
          ワキ  殿田謙吉 館田善博 梅村昌功
          アイ  高澤祐介
           大鼓 亀井広忠 小鼓 成田達志 笛 竹市 学 
           地謡 小島英明 坂真太郎 桑田貴志
              古川充  観世喜正 佐久間二郎

最初に解説があって、小林健二氏が源平合戦について話された。「一の谷」「屋島」「壇ノ浦」の合戦。その合戦にあって「屋島」だけはあまり戦死者が出なかった。死んだのは佐藤継信くらいしかいないのだそうだ。陸の源氏。海上の平家。そして陸で景清と三保の谷、両雄の決戦。余市の扇の的の件。義経の弓流しの件。等など絵巻物の合戦風景が凝縮されたのが「屋島」なのだ。熱演でした。疲れるくらい気合いが入ってました。特にお囃子がよかったように思う。

ヤルヴィのブルックナー

2012-06-03 | 映画 音楽
横浜芸術アクション事業 横浜みなとみらいホール 大ホール PM16~19時
横浜・フランクフルト パートナー都市提携記念
パーヴォ・ヤルヴィ指揮 フランクフルト放送交響楽団
ヒラリー・ハーン(ヴァイオリン)
・プログラム
 『メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64』
 『ブルックナー:交響曲第8番ハ短調』

久しぶりにフル編成のオケを生で聴いた。何と言ってもブルックナーは良かった。メリハリの効かしたティンパニー、トロンボーン・トランペット・ホルンは喨々と鳴り渡り、ヴァイオリン・チェロ・コントラバストは繊細にそしてまたお腹に響くような音を響かせ、音の洪水と言う風だった。見事と言うほかないアンサンブル。フランクフルト放送交響楽団はレコードでしか聴いたことなかったけれど、やはり生はすごい。音の厚み・深さ・音色・音量。楽団員の誰もがすごい技量の持ち主なのだろう。チームワークがいいのだろう。とにかくアンサンブルは最高だった。  深山に滔々と流れる大河。岩を噛む激流。深い霧の中を音もなく流れる大河。あるところでは泉が湧き出で、あるところでは大海にそそぐがごとく、またあるところでは甲冑に身をかためた騎士たちが馬を走らせてるような、色彩に溢れ、まるで美術館にあるデカイ油絵を何枚も見せられたような、そんなようなことを連想させてくれるような演奏に感じた。指揮者のヤルヴィー。名前も初めてだったけれど、あれだけのオーケストラの実力を存分に生かし、ブルックナーを描き切ったというのは、すごい才能の持ち主だと思う。90分近い曲もアッと言う間だった。