言葉のクロッキー

本とかテレビその他メディアから、
グッと感じた言葉・一文などを残してゆきたい。
その他勝手な思いを日記代わりに。

第十三回一乃会

2012-10-29 | 能・芸能
平成24年10月28日(日)   矢来能楽堂

番組

・仕舞
     「柏崎」 観世喜正    「當麻」  観世喜之

・狂言
     「鬼瓦」  シテ:野村万作  アド:月崎晴夫

・能   「誓願寺」 シテ:鈴木啓吾  ワキ:森 常好  間:高野和憲

都の誓願寺で念仏札を配る一遍上人。そのに一人の女が現れ「誓願寺」の額を外して上人の直筆で「南無阿弥陀仏」の名号に架け替えるよう頼む。不審に思う上人に女は和泉式部の霊であると明かし宝篋印塔の陰に姿を消す。上人が額を六字の名号に書き換え、鉦を鳴らし念仏を唱えていると、極楽の歌舞の菩薩となった和泉式部の霊が現れ、誓願寺と阿弥陀仏の救いを讃え序の舞を舞い、六字の名号を礼拝する。(以上チラシから抜粋)
大曲。仏に関する詞章が多く、少々眠たかった。舞、もう少し輝きがあってもいいかも。

役者の仕事

2012-10-24 | 語録
つまり役者ってのはサ エーなんて言いましょうか

ウソの世界で生きる商売ですけどネ

ウソを見せるわけにはいかないわけョ そのウソが

本物に見れなければ リアリティーとは言わないじゃない

つまりそうするために

どうする、どうしたらいいか というのが役者の仕事なんだよね


   NHK BSプレミアム 「大滝秀治 全身役者魂 名優が臨む執念の舞台」

乱拍子・道成寺

2012-10-20 | 能・芸能
神遊 第43回公演  平成24年10月19日  於:矢来能楽堂

   プレ公演 「徹底解剖 秘伝 道成寺」  本番 平成25年3月

 ・能「道成寺」の秘伝トーク  観世喜正 森常好

 ・乱拍子   観世喜正  小鼓:観世新九郎

 ・素囃子 「道成寺組曲」  
        笛:一噌隆之  小鼓:観世新九郎  大鼓:柿原弘和  太鼓:観世元伯

 ・能「道成寺」一部 鐘なし。後半のワキの語りから


  今回は「道成寺」について、その演出のいろいろを可能な限り観客に公開し、この曲をより知ってもらうために企画された。もっぱらお囃子方の裏話が多かったが、鐘そのものについては全てを観客に公開することはできないようだ。他の多くのシテ方の都合もあるのかあるいは能の秘伝の一つとして、やはり公開するにはいたらないようだった。
いろいろと演出について実演を交えて語られたけれど、「乱拍子」がインパクトがあって面白かった。通常囃子は笛・小鼓・大鼓・太鼓で拍子付をしてゆくけれど、乱拍子は小鼓だけでシテと演るのだ。(節目節目で笛が簡潔に吹かれる程度。)具体的には小鼓のメリハリ付けた音とかけ声。それのみでシテが舞う。双方気後れしたり遠慮などしない。気力でそれぞれのパートを努める。シテは小鼓方より前で舞うので、いつ鼓の音が出るか、かけ声が出るか分らない。また小鼓方はいつシテが次の舞に移ってゆくのかそのタイミングが分りずらい。したがって互いの空気感でもって一連の舞を完結させてゆくのだ。シテの所作も能にしてはダイナミックだし、小鼓も思い切り良く観客に音をぶつけてくるので、2人が噛み合ってないと観れたものではないのだ。今回は良かった。挑戦的で戦闘的ですら感じ、緊張感があった。

映画「桃姐」

2012-10-15 | 映画 音楽
タイトル日本名「桃(タオ)さんのしあわせ」 英語名「A simple life」。
60年あまり、ある家族の世話をしてきた家政婦さん「桃」。いまはこの家の主となった雇い主の息子ロジャー。桃がある日、脳卒中で倒れ家に居なくなったときはじめてロジャーは桃の存在の大きさに気づく。そして仕事の合間を見つけて、親身になってその介護にあたる。桃さんには世話した家族しか身寄りはいないのだ。体が不自由になった老女を自宅で介護することは仕事を持った人間にはできないことだ。彼女は老人ホームに入りそこで生活することになった。映画は老人ホームの生活を映し出してゆく。
それにしても人生の終わりに近くなった人たちは、多様な環境に置かれることになるのだなーとつくづく思う。自転車にはねられた、酔って階段から転げ落ちた、風呂で転んで頭打って神経がおかしくなった・・・体が不調になる要因は老人のみならず壮年においてもごく身近なことだ。そのような状況に自分が置かれたらどうするのだ、どうされるのだろうかということのほうが、観ていて強く感じた映画だ。桃さんはロジャーのように気がついて親身になって看取ってくれた人間がそばにいてくれて幸せだったかもしれない。少なくとも孤独のうちに亡くなるということはなかったのだが。  考えさせられるキッカケがたくさんある映画だった。

熱い思い

2012-10-13 | 語録
夢とは幻ではなく、可能性のこと。
    人間は何歳になっても残されている、
     その可能性を信じるべきだと思う。

         三浦雄一郎
    (80歳、3度エベレスト登頂を目指して)