本家ヤースケ伝

年取ってから困ること、考えること、興味を惹かれること・・の総集編だろうか。

茶の湯考。

2007-01-17 11:38:11 | 
*「うんちくを傾ける」という言葉をgooの辞書で引いたら「うんちく」の国語辞書からしか出て来なかった。これを他者が非好意的に(悪口っぽく?)捉えると(ともすれば)「知った・かぶりをする」というふうに見られがちだということだろうか。
 確かに毎度毎度「うんちくを傾け」られた日には聴く方は疲れるけどね。w

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うんちく 0 【▼蘊蓄/▼薀蓄】

(名)スル
(1)深く研究して身につけた知識。
「―の深さを示す」
(2)物を蓄えること。
「以て余力を―すべし/佳人之奇遇(散士)」
――を傾・ける
蓄えている知識のすべてを傾注する。

三省堂提供「大辞林 第二版」より

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『茶の湯』とは秀吉の時代に利休が始めた茶道の謂いであるが、私の場合は先代(三代目)の三遊亭金馬師匠の落語である。音源はNHKの古典落語シリーズとかに残っていて、そこには以下の解説があった。

・・根岸に居を構えたあるご隠居が、何か風流な道楽をということで茶の湯を始めた。しかしそもそも茶道のことなど何の知識も無いご隠居、小僧が買ってきた青ギナコを椋(ムク)の皮で泡立たせて悦に入り、小僧と揃って腹を壊してしまうという始末。近所の住人にも手紙を書いて茶を飲みに来いと招こうとするが…

 以上引用終わり。

 昔は大店(おおだな)の主人も40代ともなると家督は息子に譲ってしまい、自分はリタイアして田舎の寓居に引篭って悠々自適の日々を過ごしたということである。その際は、この噺のように身の回りの世話をする丁稚どんも連れて行ったようである。
 根岸と言っても当時は一面畑ばかりの田舎である。昭和20年代に生まれて東京都区内に育った知り合いの話では、彼の少年時代にはまだまだ東京にも田んぼや畑が残っていたそうだ。『練馬大根』という標章(商標?)なら私も覚えている。
 
 江戸で鳴らした商人にとっては田舎の生活などというものはおそらく退屈そのもので、このご隠居のように『茶の湯』などといった芸事も始めてみたくなるのも推測出来ようというものだ。
 失敗はおよそ『お茶』とは縁の無い『青黄な粉』と『椋の皮』を、見かけが似ているというだけの理由から茶の湯の原材料として抜擢し、煎じて飲んでしまったということで、当時はポピュラーだったかも知れないこの二品も私の年代では既に馴染みがないのだが、『青黄な粉』の方は大豆の粉末としても、泡立たせるために使用した『椋の皮』の方は、察するに下剤として珍重されていたのではないだろうか。少なくとも『椋の皮を煎じて飲むと下痢を起こす』ということが聴衆の方の基礎知識として予め広く備わっていないとこの話は(原理的には)笑えない筈だ。

 おかしいのは茶の湯に中ったご隠居が「夕べは何回も厠へ行った」とこぼすと、丁稚どんは「わたしは一回しか行かなかった」と応えるので、隠居が「流石若い者は違う」と感心すると彼は「入ったきり出て来られなかった」んだと言い返す件(くだり)で、ここはライヴでは爆笑を誘うシーンである。
 
 金馬師匠というと、他には『居酒屋』という酔っ払いの噺も強烈で、この二つの噺は何回聴いても笑ってしまう。

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*さて、現実に帰ってなぜ私が落語「茶の湯」を思い出したかと言うと、「百均評論家」を自認する私は(はあ?)最近、これまで殆ど無視して来た百均のお茶系統に注目するようになって、その一つに「粉末煎茶」という静岡県産のパック入りのお茶があったのである。
 ときに無用にせっかちな私は「一回の分量は小さじスプーンに三分の一」という指示を前もって読んでいなかったのである。あちゃ~っ。目分量でガバッと入れてしまったため、上澄み液はおいしく戴いたが・・底の方には膨大なヘドロ層が沈殿していて「あ、まるで『茶の湯』だな♪」とそのとき思ったわけでありました。ぷいぷい。

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 *お茶系統は百均では買うものではないというのが従来からの私の持論であった。なぜなら一般的に言って「おいしくない」からである。どうしても買いたいというのなら、セイロンティーに以前からあるようなフレーバー系がいいと思う。これが百均に今置いてあるのである。尤も私が見たのはレモンティーのティーパックだけで、ジャスミンやアールグレイがあるのかどうかは知らない。

 ティーパックではなく、いっそ粉末のパックになった「ミルクティー」や「レモンティー」も、これも意外においしい。100円で3~4袋入っている。
 あと、お茶ではないが「サクマ式ドロップ」(←登録商標の裁判で負けた番頭さんの方である。詳しいことはウィキペディアで読んで下さい。w)の85g入り小缶も売っている。「三丁目の夕陽」的オールドファンには有難い商品である。

(↑ 以上の記述は主としてQQショップ系の百均に関する情報です。w)

(追記:エキサイトニュースというところにもこのドロップに関する記述がありました。うっふっふ。)


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