そもそも情熱は熱いものだ。
熱だもんね。
熱い最中に(暑い、か……)汗水垂らして踏んだミシン。
汗かかなくなった今、ミシンは暇してるぞ。
おーい、おーい、闇の中から私を呼ぶ声がする。
早く私を使ってよ~。
錆び付いちゃうじゃないの~。
大丈夫よ、油を注せばすぐ元どおり。
あの子は私の思うように動いてくれる。
だからかなぁ、私は他の趣味を渡り歩く。
毎日眺めてはいるのよ。
でも、手は出さないの。
もしかしたらあの子は私以上に手強いこと感じるから。
私、食われちゃいそうだって知っているから。