フィクション『同族会社を辞め、一から出直しオババが生き延びる方法』

同族会社の情けから脱出し、我が信ずる道を歩む決心をしたオババ。情報の洪水をうまく泳ぎ抜く方法を雑多な人々から教えを乞う。

三つの嵐の残したもの②

2017-09-27 09:18:20 | 美しく生きるという事

オババんちからほぼ姿を消した奴ら。

家の中のいたるところにその足跡があり見つけるたびにいちいち思い出がよみがえる。

見つけたものは、自転車の鍵です。

うわー、こんなにあるの?

と同時に、どれだけのお金を奴らにつぎ込んだのだ?と思いだす。

初めて買った子供用の補助輪付き自転車。

それが小さくなると次は24インチの疑似スポーツ車(子供用)。

高校生になると通学用に26インチのちゃんとしたメーカー品。

それ何台オシャカにしてくれたっけなあ。

それ×3人だよ。

大学生になると、アルバイトして稼いだお金で自分の自転車買っていたな。

 

今の職場にはまだ子育てバリバリ中の主婦が多いので、

休み時間には、子供の持ち帰ってくる製作品について論議が交わされていました。

『すぐにたまりますよね』

『データ化するのも、あまり量があると、もういいかって』

 

そんな会話を聞きながら、オババは、

『わたしゃ、その混沌を乗り越えた!』

と、ひそかにほくそえむ。

思い起こせば、子供たちの使っていたものを処分するのは、本当に心が痛んだものだ。

だけど、とっておけば場所をとるし埃になるし、色あせてきて要らなくなる。

『捨てる』という決断と行為はあくまで先延ばしにしたいものだ。

 

その品物がぼろぼろになっているのであれば、『寿命だね』と気兼ねなく捨てられる。

そうでもない場合が困る。

ずいぶんと人にあげたりしたけれど、それでも残ったものは、

というか敢えて残したものは、プラスチックケース一個分くらいにしてある。

それくらいいいじゃない、と思う。

 

ちなみに子供たちが自分で買ったものは、知ーらない。

私には思い入れがないのでほったらかしにしてある。

 

 

 

 

コメント (1)
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