去年秋、南アフリカのカリナン鉱山で、鶏の卵ほどの大きさの上質なダイヤモンド原石が見つかった
(2009/10/12のニュース)
不純物の原因となる窒素含有量がきわめて少ない「タイプⅡ」と呼ばれる種類で、
507.55ct(100g強)もの大きさゆえ2000万ドル(約18億円)相当と見られています。
一緒に168ct、58.5ct、53.3ctのダイヤ原石も見つかったそうだ。
南アフリカ首都プレトリア近郊のカリナン鉱山は、珍しいブルーダイヤの世界有数の産地としても知られています。
以前は宝石業界大手のデビアス(De Beers)が所有していたが、
2008年アフリカの大手ダイヤモンド鉱業会社ペトラ・ダイヤモンズ(Petra Diamonds)の合弁企業Petra Diamonds Cullinan Consortiumに売却されました。
売却額は100万ランド(約1600万円)といわれているので、オオバケしたことになりますね。
笑いが止まらないことでしょう。
このカリナン鉱山では、1905年に世界最大3016ct(621.2g)のダイヤ原石(10×5×6cm)が見つかりました。
当時の鉱山の所有者サー・トーマス・カリナンの名前にちなんで命名された
カリナン・ダイヤモンド(The Cullinan Diamond)は、
より大きな原石の一部であると考えられているが、その残りは発見されていなかったのでした。
カリナンは南アフリカのトランスヴァール政府に売却され、
そこから1907年イギリス国王エドワード7世へ66歳の誕生日の贈り物として贈呈されました。
エドワード7世はオランダ・アムステルダムにあるアッシャー社にカットを依頼。
9つの大きな石と96個の小さな石が切り出されました。
9つの石にはそれぞれカリナンIからIXの名が与えられ、すべてイギリス王室か王族個人の所有物となっています。
カリナンI(530.20ct)
長い間、世界最大のカットダイヤモンドとして有名で(現在は世界第2位)
偉大なアフリカの星(The Great Star of Africa)」と呼ばれています。
国王の権力と正義を象徴する杖・王笏(Royal Scepter)にルビー、サファイア、エメラルドとともに飾られ、
現在もイギリス王室が所有しており、ロンドン塔で永久展示されている。
カリナンII(317.40ct)
1953年に製作された大英帝国王冠(Imperial State Crown of Great Britain)に飾られている。
カリナンIII(94.40)、カリナンIV(63.60)
メアリー王女の王冠(Queen Mary's Crown)」に飾られており、2つを合わせてペンダントとして使うこともできる。
カリナンV(18.80)
メアリーのブローチに飾られているが、新たな王冠を作るためにメアリーの王冠からコ・イ・ヌールが外されたため、その代わりにはめられることもある。
カリナンVI(11.50)
エドワード7世が妻アレクサンドラに贈り、現在ではエリザベス2世所有のネックレスの一部となっている。
カリナンVII(8.80)とカリナンVIII(6.80)
合わせてひとつのブローチとして使われている。
カリナンIX(4.39)
メアリーのために作られた指輪に飾られている。
その後カリナンと同じプレミア鉱山で1985年に掘り出されたた755ctの原石は、カットされて545.67ctとなり世界最大となっています。
きれいなファンシーイエローブラウン「ザ・ゴールデン・ジュビリー」と名づけられ、タイのプミポン国王の治世50周年を記念して1997年にタイ王室に献上されたそうです。