安倍晋三が30年来の腹心の友人だと自ら公言している加計学園理事長加計孝太郎のために愛媛県今治市への国家戦略特区指定と指定を手続きとした加計学園獣医学部新設に政治的な便宜供与を図ったのではないかとの疑惑が浮上し、国会での野党の追及に対して疑惑は益々深まるばかりだが、疑惑解明にまで至っていない。
安倍晋三側答弁のように疑惑など存在しないのか。但し連中は安倍犯罪容疑グループのメンバーである。メンバー同士が示し合わせてか、あるいは以心伝心でか、庇い合い、口裏を併せていてなかなかシッポを出さないということもある。
このような野党の動きに対して自民党副総裁高村正彦が2017年6月16日の党役員連絡会で「加計学園の問題は岩盤規制に政治主導で穴を開けた立派な決定だというのが本質だ。しっかり説明し、野党の一部が言い張るゲスの勘ぐりを払拭(ふっしょく)してほしい」と述べたと「毎日新聞」が
「ゲス」(下司)とは「goo辞書」によると、「心根の卑しいこと。下劣なこと。また、そのようなさまやその人。身分の低い者」と解説されている。
「勘ぐる」とは「あれこれ邪推して悪いように当て推量すること」
いくら野党とは言えども、国民の選択を受けた国会議員を「ゲス」と表現する。ゲスを選択した国民は同類と言うことなのだろうか。それ以下だと言うことなのだろうか。
逆に野党議員をゲスと言う高村正彦は自身を何様に置いていることになる。自身を何様だと思っているから、野党議員がゲスに見える。安倍晋三の驕(おご)りが乗り移っったのか、相当に驕っているようだ。
驕っていなければ、野党議員を「ゲス」に見立て、安倍晋三政治関与疑惑の追及を「勘ぐり」などと侮蔑しないだろう。
もし実際に加計学園獣医学部新設決定に安倍晋三が自らの政治的立場を利用して便宜を図ったのではないかとの疑惑が単なる疑惑ではなく、真正な事実だとしたら、ゲスは安倍晋三自身となり、便宜供与に協力した閣僚や関係省庁の役人ということになる。
どちらがゲスで、それが実際に邪推に過ぎないのか、国民の選択にも影響することになるから、疑惑を残さずにキッチリと晴らさなければならない。
繰返しになるが、安倍晋三の疑惑を調査する閣僚や役人はいわば安倍犯罪容疑グループのメンバーたちである。仲間が仲間同士を、あるいは仲間の頭目を調べる。答は最初から見えている。
当事者が当事者を調べるのではなく、当事者以外の外部の有識者による第三者委員会を設けて、公平・公正な調査を行うべきだろう。国民も納得するし、どちらがゲスなのか、邪推なのか、その判定もつく。
自民党は2016年に東日本大震災発時の民主党政府の初動に関する検証チームを設置して調査している。また東日本大震災時の東電の福島原発事故に関して国会と政府、民間、東電自身の合計4つの事故調査委員会をそれぞれに設置して政府対応や東電側対応の是非を検証している。
国家戦略特区を手続きとした加計学園獣医学部新設認定に「総理のご意向」が働いたのではないかと浮上することになった疑惑が関係省庁と関係者をどう動かして認定に至ったのか、「総理のご意向」という上からの力が働いた事実はなく、公平・公正な手続きによって認定に至ったのか、第三者委員会を設置しての調査に何の不都合もないはずだ。
安倍晋三側も国会質疑応答の時間を疑惑追及に費やすこともなくなる。
ゲスの勘繰りと批判を受けていた側が正当な批判だったことが明らかになるケースもある。ゲスの勘繰りと批判していた側が実際は不正を働いていて、それを言い逃れるために「ゲスの勘ぐり」だと相手を貶めて、さも不正を行っていないかのようにカモフラージュするケースもある。
一方が「ゲスの勘ぐり」と言い、他方が「ゲスの勘ぐりとは何だ」と言っていても決着がつかない。どこに事実があるか、それを明らかにして幕引きを図るためにはやはり第三者委委員会設置が最良であろう。