豊田真由子は非常に分かりやすいタイプの独裁者 安倍晋三は陰に隠れて表に出さない、出ないタイプの独裁者

2017-06-24 11:59:14 | Weblog


 自民党衆院議員豊田真由子が自身の(?)車で移動中に運転していた50代男性秘書に後部座席から大声を上げてその頭を叩いたりの暴行を加えていたことを6月22日付のマスコミが一斉に報じた。

 犯行日時は5月20日。先ず「この、ハゲーっ!」と怒りをぶっつけ、「お前はどれだけアタシの心を叩いてる」と繰返し非難、頭を背後から何度か叩いた。

 犯行動機は支持者に送った誕生カードの宛先と名前が間違っていたことや高速道路の出入り口を間違えたことなどだという。

 秘書がテープに録音した、48秒間もの音声を送りつけた「週刊新潮」がインターネット上に公開したために明るみに出たという。

 この音声を聞いた頭がかなり薄くなっているか、それを通り越した50代以上の男性は思わず首をすくめたに違いない。あるいは自分がいつも奥さんに頭を叩かれていて、豊田真由子と奥さんを重ねた中高年男性もいたかもしれない。

 ネットで調べると、豊田真由子は42歳。東京大学法学部卒業し ハーバード大学大学院を修了。厚生労働省に入省して、老健局課長補佐まで務めたという。

 東京大学法学部とハーバード大学大学院で、さらに社会に出て厚労省という勤務先で理性と論理を学ばなかったらしい。

 豊田真由子は自分の思い通りにならないと我慢できない独裁者タイプの女なのだろう。但し非常に分かりやすいタイプの独裁者だと言える。

 勿論、秘書が音声を録音して出版社に送りつけなかったなら、隠れた事実としてその暴力は公になることはなかったかもしれないが、面白くない感情に襲われると、自分の言いなりに強制するために、あるいは矯正するために自ら暴力を振るって独裁者の性格を簡単に表に出すという点で分かりやすい、そういったタイプの独裁者だと言うことができる。

 これが自身が表立って自身の意に反する事実を自身の思い通りの事実に変えるべく行動した場合は自身が不利になると計算できるタイプの人間は自分は表に出ずに陰に隠れて他者に命令して行わせることになるから、自身を表に出すことも表に出ることもないタイプの独裁者と言うことになる。

 当然のことだが、その陰湿さは前者の比ではない。

 安倍晋三はこのタイプの独裁者に入る。

 2013年11月8日午前、参議院本会議は政府が提示した計12機関29人の国会同意人事を与党の賛成多数や全会一致で可決、同意した。この中にNHKの経営委員4人の人事も入っていた。作家の百田尚樹、埼玉大教授の長谷川三千子、日本たばこ産業(JT)顧問の本田勝彦、海陽学園海陽中等教育学校長中島尚正の4人共、安倍晋三に近い人物で、4人共安倍晋三同様の保守に属する思想の持ち主であった。

 NHK会長選任には経営委員12人のうち9人の同意が条件となっている。会長選で新任4人が反対すれば、残る8人の賛成しか得ることができなくなって、9人の同意に1人不足となり、会長は決まらないことになる。

 会長選で4人が主導権を握ることになるが、経営委員12人のうち10人が安倍政権下で任命されたメンバーに入れ替わることになるから、主導権ということでは念には念を入れた形を取ったと言うだけのことなのだろう。

 戦前、軍部大臣を現役の陸海軍大将あるいは中将に限定した軍部大臣現役武官制の遣り方に似ている。軍部はその内閣が気に入らなければ、海軍大臣と陸軍大臣いずれかを送らなければ、内閣は成り立たなくなって瓦解することになり、必然的に軍部は閣内での主導権を握り、発言力を高めていって、軍部独裁に繋がっていった。

 安倍晋三は戦前日本国家を理想の国家像としているせいか、巧まずして軍部大臣現役武官制と似た遣り方を選んだ。

 NHK経営委員を安倍晋三シンパで固めた結果、周知の事実だが、2013年1月25日の就任式で「尖閣や竹島といった領土問題は日本の明確な領土ですから、これを国民にきちっと理解してもらう必要がある。今までの放送で十分かどうかは検証したい。国際放送は、国内放送とは違う。領土問題については、明確に日本の立場を主張するのは当然のこと。政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない」と発言する籾井勝人がNHK会長に選ばれた。

 確かに政府が尖閣や竹島は日本の固有の領土だと言っていることと違うことを言うわけにはできないが、それを「政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない」と表現することとは、そこには国家権力に対する追従の意味が含まれていることになって、明らかにNHKのトップとしての適格性に欠けることになる。

 安倍晋三がNHK経営員を安倍シンパで固めたことによって自身と同種の保守系の、そういった適格性に欠けた人物をNHK会長に選んだのである。

 安倍晋三は与党が多数派を握っていることをいいことに国会同意人事という公式の制度を使ってNHKの経営委員に自らに近い保守系の人物を送り込んでNHK会長選挙に間接的に関与して好みの人物を据え、会長やNHK経営委員のうちの安倍シンパを通してNHKの放送制作を間接的に監視できる人事を巧みにつくり上げた。

 このように取り立てて自分を表には出さずに、あるいは自分では表に出ずに自身の意に反する事実を自身の思い通りの事実に着々と変えていく。独裁者タイプの政治家にありがちななかなかの権謀術数を巧みに用いている。

 次も周知の事実となっているが、安倍晋三が2014年12月の衆議院選挙前の11月18日にTBS「NEWS23」に出演した。番組がアベノミクス景気について街の声を6人の男女から聞いた。

 6人ともアベノミクスが謳っている景気の好循環を実感できないとそれぞれ口にした。

 安倍晋三(ニコニコ笑いながら)「これはですね、街の声ですから、皆さん選んいると思いますよ。もしかしたら。

 だって、国民総所得というのがありますね。我々が政権を取る前は40兆円減少しているんですよ。我々が政権を取ってからプラスになっています。マクロでは明らかにプラスになっています。ミクロで見ていけば、色んな方がおられますが、中小企業の方々とかですね、小規模事業者の方々が名前を出して、テレビで儲かっていますと答えるのですね、相当勇気がいるのです。

 納入先にですね、間違いなく、どこに行っても、納入先にもですね、それだったら(儲かっているなら)、もっと安くさせて貰いますよと言われるのは当たり前ですから。

 しかし事実6割の企業が賃上げしているんですから、全然、声反映されていませんから。これ、おかしいじゃないですか」

 第2次安倍政権から4年半が経過するが、今以って景気が実感できないという声は大半を占めている。だが、安倍晋三は番組が情報操作していると見た。アベノミクスの悪いことを言う人間だけを街の声として登場させたと疑った。

 安倍晋三の自己愛性パーソナリティ障害が如実に現れた瞬間である。自身を完璧な政治家だと信じて批判を非常に不快な攻撃として許さない感情を持ち、完璧な政治家だと信じるあまり自身に不都合な事実は頑なに認めようとしない性格のことである。

 結果、自身に都合のいい事実のみを流布する情報によってで安心を得たい衝動が働くことになって、報道に圧力を加えたい独裁意志を覗かせることになる。

 まさにこの通りの経緯を取ることになった。11月18日のTBS「NEWS23」出演2日後の11月20日、「自由民主党 筆頭副幹事長 萩生田光一/報道局長 福井 照」の差出人連名で在京テレビキー局の編成局長、報道局長宛てに「報道の公平中立・公正」を求める文書が送付された。

 ・出演者の発言回数及び時間等については公平を期していただきたいこと
 ・ゲスト出演者の選定についても公平中立、公正を期していただきたいこと
 ・テーマについて特定の立場から特定政党出演者への意見の集中がないよう、公平中立、公正を期していただきたいこと
 ・街角インタビュー、資料映像等で一方的な意見に偏る、あるいは特定の政治的立場が強調されることのないよう、公平中立、公正を期していただきたいこと

 ――等々が書いてあった。

 まさしく安倍晋三は自分では表に出ずに、あるいは自身の感情を目につく形で表には出さずに自分では思いどおりにならない事実を自分の思い通りの事実に変えようと意志して、身代わりに行動を起こさせた。いわば独裁者像を表に出さずに独裁意志を満たそうとした。

 もし番組が放送法が規定している「政治的に公平であること」に違反していると見たなら、裁判所に訴えて、国民の前でどちらが正しいか正しくないか決めて貰えばいいことを、安倍晋三の腰巾着を使ってソフトな姿勢を装いつつ、実際には報道への介入に出た。

 豊田真由子のようなタイプの独裁者は表に出るから、分かりやすいし、扱いやすい。だが、安倍晋三は自分は表に出ず、独裁意志を国民の目に付く形で表に出さないまま発揮するタイプの独裁者だから、第2次安倍政権になってから、気がつかないままに世の中が右傾化しているのを見ても分かるように極くごく気をつけなければならない。

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