舛添都知事以下、都議先生方がウソつきであることを露わにした今回の塩村都議に対する女性蔑視発言の波紋

2014-06-23 05:35:12 | Weblog

 

 6月18日の東京都議会の一般質問でみんなの党の塩村文夏(あやか)女性議員(35)が妊娠や出産等に関する子育て支援策についての都の取り組みに関しての質問中、男性都議が飛ばした女性蔑視のヤジが海外のマスコミにも取り上げられて、その品位ばかりか、都議にとどまらない日本人の女性差別意識や女性の地位の低さを反映した男性議員に比較した女性議員の少なさ等が問われ出した。

 昨日日曜日の各局の報道番組も、黙ってはいられないとばかりに取り上げていた。フジテレビの「新報道2001」が都議として許すことができない女性蔑視発言として誰がヤジを飛ばしたのかの犯人探しをしていたが、その過程で分かったことは、ウソつきの都議がいるということである。

 東京が日本の首都であり、代表的な国際都市であるということを省いたとしても、いくら地方政治家と言えどもウソつきの政治家が存在するという倒錯は無視できないはずだ。

 殆どのマスコミが、もしヤジを飛ばしたのが自民党議員だったなら、同じ自民党の安倍内閣の女性の社会進出政策や女性の活躍重視政策に影響を与えかねないといった方向から主として問題視していたが、女性蔑視のヤジを飛ばす政治家、あるいは女性蔑視のヤジに同調して笑うことで同じ感覚の持ち主であることを曝すこととなった政治家、さらには犯人探しのマイクを向けられてウソをつく政治家が女性の社会進出ばかりか、教育を議論したり、青少年の育成を議論したりすることが何よりも問題となるはずだ。

 政治家としての資格があるのだろうかということである。

 番組は塩村都議のヤジは自民党席の方から聞こえたという発言を証言として、3人の自民党都議に犯人探しのマイクを向けた。

 来代勝彦自民党都議(きたしろ かつひこ) 「いやー、私は・・・・、そんな、ヤジは聞いていないですよ。聞こえなかったですね」

 鈴木章浩自民党都議「分からないと思いますよ、きっと。ヤジなんていちいち聞いている人いないですから」

 小磯明自民党都議「私も、はっきりとした、何を言っている、明確にこうね。あのー、内容的な、パッとね、聞こえてこなかったことがあるんですよ」

 言葉は、それが口から発せられるとき、親しみや逆のよそよそしさといった心理的な距離感だけではなく、物理的な距離感を持たせて、聞く者にそれらの距離感を届ける。

 議会で議員席から壇上の質問中の質問者にヤジるとき、その距離を無意識のうちに計算して、届く声の大きさを出す。質問がバカげたものだと思って、周りの2、3人に聞こえる程度に質問を皮肉る言葉を発したとしても、それはヤジにはならない。例えそれが人種差別の言葉であっても、人種差別意識を持った人間であることに変わりはないが、ヤジとしては成立しない。

 それがヤジる発言である以上、基本的にはヤジる対象に届く声を発する。但しヤジる意識で声を発しながら、臆する気持ちがあって、ヤジる対象にまで届かない場合があるが、かなりの範囲にまで届くことになる。ヤジる対象にまで声が届かなければ、ヤジの目的を達することはできないし、ヤジる意味も失う。

 今回の場合、ヤジる対象者の耳に届いたのだから、居眠りさえしていなければ、ヤジった本人とヤジられた対象者の距離の範囲内にいた都議に聞こえないはずはない。笑うことで女性蔑視に同調する複数の都議が存在しながら、それを「聞こえなかった」とか、「ヤジなんていちいち聞いている人いない」とか、「聞こえてこなかった」とか言う。明らかにウソ以外の何ものでもない。

 もし居眠りをしていて聞こえなかったなら、居眠りしていたことを隠すウソをついたことになる。

 もし審議に集中していなかったとしても、普段の議場の雰囲気を破る突然の笑い声に我に返らない程に集中していなかったとしたら、怠慢の誹りを免れることはできない。我に返りさえすれば、ヤジは一回だけではかったのだから、一人で複数回ヤジったのか、他の都議が同調・追従してヤジったのか分からないが、あとのヤジは聞こえたはずだ。

 番組によると、「子どももいないのに」、「自分が早く結婚すればいいんじゃないか」、「まずは自分が産めよ」、「子どもを産めないのか」のヤジがあったとしている。

 実は舛添都知事も、6月20日の記者会見でヤジに笑ったものの、ヤジそのものは聞こえなかったと発言している。

 《【舛添知事定例会見詳報】(上)都議会でのやじ 「品位のない野次は慎むべきだ」》MSN 産経>/2014.6.21 12:00)と《【舛添知事定例会見詳報(下)】やじは「なんにも聞こえないです」「ざわめいたと きに私もつられて笑みを浮かべたという、それだけの話です」》MSN 産経>/2014.6.21 12:00)から、都知事の発言を引用。


 記者「今週開かれた都議会の一般質問でみんなの党会派の塩村文夏議員が 一般質問をしているときに、『早く結婚した方がいい』などといった野次が飛んだと思うのですけども、知事もその議会にいらっしゃって、どのように感じられたか、またどのように受け止めておられるか、お聞かせいただけますか」

 舛添知事「まず、ああいう品位のない野次は断じて慎むべきだと思います。それから、都議会のみなさん方が良識に従って、これはきちんと対応さ れる。知事がどうしろ、ああしろというような権限があるわけでもありませんし、議会の話ですから、議会がしっかりとやっていただきたいと 思っております」

 記者「私も上から見ていたましが、ひとりそのような発言があったときに、ざわついて笑い声がしていて、何人かが笑っていたんですけども、知事も笑っていたようにうつったんですが、その時の状況をどういう形だったのか説明し ていただけますか」

 舛添知事「あのですね、知事席に座ります。あなた見ていればわかりますが、私が何やっているかとっていうのは、一言一句、聞き漏らさないために、質問者の方をずっと見ています。それはわかりますね。そして、答弁のときも、その質問者が席に着いたら、その人の目を見なが ら明確に答えていますね、そこまではわかりますね。そうするとね、ざわついたのはわかりますけども、何言っているか。私がここにいて、質問者がいて、そっち見ていますから。まったくわからないんです。そして、議員がにこっと笑われたんですよ。私は誰かが面白いことをおっしゃったので笑われたのかなって、同時ににやっと笑ったので、私もあれ何か楽しいことがあったのかなと思って、笑みを浮かべた、それだけの話です。そして、だからわかりません。こうしてどう答弁しようかって、一言一句いつもやっているでしょ。それやって、それで議席に議員がお戻りになったので、答弁する責任がありますから、彼女の目を見ながら話しましたね、このやっぱり、おっしゃったような問題は大切な問題だから、しっかり都としてもやりますということを言ったんですけども、その時に急に泣き始められたので、なんで泣いたかもわからなかったんです。

 だから、私は、なんで泣かれているのだろうと。それで、できれば、私の希望を言えば、こう目を見ながら、一生懸命答えているので、私の目を見て聞いてくだされば良かったのになという思いでいて、そしたら、後でテレビ報道なんかを見ると、こういうんだったと。私の席からは彼女全部の表情を見ながら一言一句を見ているので、それがそういう状況です」

 記者「早く結婚した方が、というような発言は知事の方には」

 舛添知事「なんにも聞こえないです。なんにも聞こえないです。何かざわめいて、私が見ていて、彼女が笑ったので、何か彼女が笑うようなことを誰かが言ったのかなと思って、その認識しかないです」

 記者「私には結婚というのは聞こえたんですけども、耳には入らなかったということか」

 舛添知事「もう、彼女の質問を一言一句落とさないようにチェックしているわけですから。だから、何かざわめいたのは聞こえているんですけども、それが今の現状です。それ以上のことはありません。だから、なんで泣いたかさえ、わからなかったですよ。あそこ座ってみてくだ さい。そして、質問者のところで、私がやったのと同じことなったら。必ず鉛筆握って、一言一句どうだってしているでしょ。質問者だって、準備したのと違うことをおっしゃるかもしれない、順番違えて答えるられるかもしれない。私はこう答えないといけないというのをこうやっているわけですから、それだけ構えているわけですよ。だから、にこっと笑われたので、ざわめいたときに、何かそんなことかなっていって、みんなこう笑っちゃったんで、私もつられて笑みを浮かべたという、それだけの話です」 

 記者「でも、そうすると泣かなければ、ずっとあのまま見過ごされるということか」

 舛添知事「それはわかりません。それはわかりません。他の方は聞いていたかもしれない。私は答弁の準備に一生懸命で、答弁することに集中していますから、何であったかはわからない。それだけのことなので。それはわかりません、そこは、仮定の話なので。よろしいでしょう か」

 記者「確認で、品位のない話があったというのは、あとの報道で気づいたということ」

 舛添知事「そうです。そうです。あとで言われて、聞きましたので、そういうことは慎むべきだということです」(以上)

 最初の記者の質問に対する舛添要一の最初の答弁は饒舌に過ぎる。私も経験があるが、ウソをつくとき、自然と饒舌になる。ウソを本当と思わせたいためにこれでもかと説明しなければならなくなって躍起となるからだろう。

 記者から、「知事も笑っていたようにうつった」と問われて、「一言一句、聞き漏らさないために、質問者の方をずっと見て」いたから、「まったくわからな」かった、いわば聞こえなかったと言い、だが、笑った理由については、「議員がにこっと笑われたんですよ。私は誰かが面白いこ とをおっしゃったので笑われたのかなって、同時ににやっと笑ったので、私もあれ何か楽しいことがあったのかなと思って、笑みを浮かべた、それだけの話です」と釈明している。

 「新報道2001」で塩村都議がヤジを受けたときの表情の瞬間を映像で映し出していたが、舛添要一が言うように「やっと笑った」という積極的な表情ではなく、戸惑いと苦笑が入り混じった笑みを口元にほんのりと見せて口をわずかに開いた程度にしか見えなかった。

 だが、他人が笑ったからと言って、笑った理由も分からないままに自分も笑うのは自分を持たない人間がすることである。都知事である以上、なぜ笑ったのだろうかと怪訝な面持ちとなる程に自分を維持していなければならないはずだが、単に他人の笑いに意味もなく追従(ついじゅう)した。

 問題は、「一言一句、聞き漏らさないために、質問者の方をずっと見て」いたと言いながら、あとから、「もう、彼女の質問を一言一句落とさないようにチェックしているわけですから」と言い、「必ず鉛筆握って、一言一句どうだってしているでしょ。質問者だって、準備したのと違うことをおっしゃるかもしれない、順番違えて答えるられるかもしれない。私はこう答えないといけないというのをこうやっているわけですから、それだけ構えているわけですよ」と、鉛筆を握りながら質問通告書と耳に聞こえる発言を照らし合わせせながら、質問通告書に目を落としてチェックしていたと、両方は同時にはできない矛盾したことを言っている。

 「一言一句落とさないようにチェック」するには、耳で塩村都議の発言を聞くのみで、目は質問通告書に常時向けていなければならない。その目をどうして質問者の方に、「一言一句、聞き漏らさない」ように向けることができると言うのだろう。

 だが、そうすることができて、塩村都議が笑ったことまで目に入った。

 舛添要一が質問通告書に目を落とすことに集中していたとしても、質問者の声に神経を集中させていればいる程、その集中に比例して、質問者の発言を遮る何らかの破調が生じたことに気づくのが人間の自然である。少なくとも二度目のヤジ、三度目のヤジに耳を向けざるを得なかったはずだ。

 舛添要一はウソをついた。ヤジを聞いて、他の都議と同じように女性蔑視のヤジを笑った。

 再び言う。このような都知事、都議が教育を議論したり、青少年の育成を議論したりする資格が果たしてあるのだろうか。

 今回の女性蔑視ヤジが都議会の女性差別を炙り出しただけではなく、ウソをつく都知事、都議の存在まで炙り出し、さらに自民党が都議全員から聞き取りをすることを決めたり、みんなの党が声紋鑑定することにしたことまで波紋を広げている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする