政府・日銀には投機筋をコントロールする能力がない

１３日の外国為替市場では、日本時間午前６時過ぎに、一時１ドル＝７８円４８銭まで上昇し、戦後最高値（７６円２５銭）を付けた東日本大震災直後の３月１７日以来、約４カ月ぶりの円高・ドル安水準を記録しました。

円の取引が薄くなる日本時間の早朝に急激に円高が進み、すぐに戻したことも、前回と共通しています。

今回も、多くの投資家がロスカットによる損失確定を余儀なくされたはずです。

野田佳彦財務相は１３日午前、財務省内で記者団に対して「ちょっと一方的な動きだ。しっかりマーケットを注視していきたい」と急激な円高をけん制しましたが、実質的には野放しの状態です。



このブログでは以前、３月１７日の円高に対し、政府の介入が丸１日もたってからだったことを受けて、

「政府と日銀は、秒単位で動く今の為替相場をコントロールする能力がない。今回のようなパターンは今後も繰り返されるだろう」

そのような予言をしましたが、残念ながら的中してしまいました。



おそらく、この円高は、前回と同様、経済のファンダメンタルとは関係なく、一部の投機筋が引き起こした不健全な動きです。

日本人投資家の動きが鈍る時間帯を狙って買い浴びせることで、７９円前後に集中するロスカットを巻き込み、連鎖的に円高が進行したと考えられます。

つまり、現在の為替相場においては、ファンダメンタル投資は通用しないのです。

少なくとも、政府・日銀が、一定の水準を割った瞬間に介入するシステムを整えない限りは。



おそらく、早朝の急激な円高は、今後も繰り返されるでしょう。

次の要注意時期は、お盆です。

もしアメリカがデフォルトを回避できなければ、来週にもひと波乱ありそうです。

個人投資家は、リスクの高い円売りポジションから資金を引き上げますから、当面はますます円高傾向が強まるはずです。










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