立読ブログ

立読師による一人語りのブログ 今後ともよろしう

読了報告~漫画二冊~

2011-04-30 09:19:10 | 
ドリフターズ 1巻 (ヤングキングコミックス) 平野耕太 少年画報社

初めてその意味を知りました
いや ドリフ いうたらあんた
私らの世代じゃ
「おいっすぅ もいっちょおいっすう」「ちゃんちゃかちゃーちゃーちゃーちゃーちゃー♪」「志村ー!うしろうしろーー!!」「ほぁんほぁんほぁほぁああああん♪ ちょっとだけよぉ~」
のドリフターズですから
なんかね もう
表紙の真剣なアンちゃんの刀を構えた
かっちょええはずの画も
どこかおもろおかしいものを連想してしまっていたのですよ
いや すいません

Drifters=漂流者(達)

さて ストーリーを要約すると
歴史上死んでいった武士 志士 兵士達が
死後の瞬間異世界へと放り込まれ
そのファンタジック異世界で
自空を超えた英雄たちが死闘を繰り広げる
バトルドリームマッチ漫画

何しろ信長と那須ノ与一がつるんでいるわ 新鮮組は出てくるわ ジャンヌ・ダルク と天草史郎は殺戮の限りを尽くすわ 終いにゃ第二次世界大戦の神風特攻隊のゼロ戦は飛んでくるわのブチ込みっぷり

こーれは 歴史キャラファンにはたまらない(笑)
たぶん次巻あたりから
この無茶苦茶な世界観の謎が説明されていくと思いますが
とりあえず
グラップラーバギで 
プロレスはショーとして割り切ってやっているけど実はジャイアント馬場は練習道場では無茶苦茶強くて 猪木も馬鹿みたいに強くて その二人が地下闘技場でガチバトル
なんて設定に うおおっ と無条件にコーフンしてしまう人にはお薦めです

しかしちゃんと意味を知ると
あのザ・ドリフターズって結構かっこいい名前だったんだぁ


スカイハイ 1 (ヤングジャンプ・コミックス) 高橋ツトム 集英社

ドロドロです(笑)
ストーリーを要約すると
殺人などによって不慮に殺されてしまった 死んでしまった人が行きつくあの世への門 そこの門番に提示されるのは「天国へ行って幸せに生まれ変わる」か「幽霊となってこの世を彷徨う」か「恨みの一人を呪い殺す」か もちろん最後の選択をした場合恨みを晴らした時点で永遠に地獄行きです あの世への門へやってきた人それぞれが選択したのは…
という 一つのルール上でそれぞれのケースではどういう結末になるか?
を楽しむケースバイケースストーリーズです

これ…それぞれの話に登場する死者って
交通事故とかじゃなくて 殺人 で死んだ人なんですよ
だから殺されるまでのバックグラウンドが
今生きている僕らが鬱積させているストレスなんかと
結構リンクするんです
生きているけど なんか もう
オレ人生終わってる感 を感じている人には
結構シンパシーを感じちゃうと思います
そして 恨みを晴らしたい という気持ちも…
と同時に その生きている僕らの
恨みを晴らしたい という感情が
実はけっこう身勝手なものだということにも
気付かされます
まぁ作中の死者はその身勝手感のまま死んでしまったのだから
恨みを晴らして永遠の地獄に行く という
選択肢を躊躇なく選んでしまうのもわからなくはない
とすると読み手としては
こいつらみんな身勝手だ! と
嫌悪感を抱くよりも
人間ってそういう業があるよね と
受け入れてしまう方が楽に読めます

オレ もう人生終わってるよ

てくらい今苦しい思いをして
頭の中でなんども「死」をもてあそんで
それでもなお生きにくさを感じて生きている人よ
なんというか…その…
人間関係って 「しょうがねぇなぁ」とぶつくさ言いながらも
突きあいふれあい突き放し突き落とし関わりあい譲り合いしながら
なんだかんだでうまくひしめき合っていくもの
なのかもしれないよ なぁ?


さて ドリフターズは漫喫で
スカイハイは愛車のスタットレスタイヤの交換で
三菱自動車の工場での待ち時間に読みました
ドリフは表紙の絵柄に惹かれて気になっていたんですが
漫画の絵をみると・・・うーん・・・
もうちょっとかっこよく殺陣シーンが描かれていたらなぁ
でも歴史キャラの性格設定に
ついていけるのといけないのとがありますね
ま それは個人的な好みの問題 か(笑)
スカイハイは高橋ツトムの作品ということで
手に取ってしまった本
私にとって高橋ツトムといえばモーニングで連載していた

鉄腕ガール

これの主人公がかっとんださっぱり系のいーい女で
うわーかっちょええーって好きでした
絵柄もまたその垢ぬけた主人公の性格に合っていて
惹き込まれる絵だったんですよ
ま だからスカイ~も手に取ってしまったようなもんです
しかし高橋さんはどうやら
えげつなく残酷な現実をいかにリアルに感じさせるか?
という方向へ行ってしまったようで
漫画に現実逃避を求める派には
ちょっときつい作家さんになってしまいました