立読ブログ

立読師による一人語りのブログ 今後ともよろしう

読了報告~エッセイ二冊

2010-10-31 21:06:54 | 
さて読書感想の三連発となりました
読了感想です
読了はエッセイ(?)二冊
しかしそれぞれ別々の意味で感想が書きにくい(苦笑)


死よりも悪い運命 (ハヤカワ文庫SF) カート ヴォネガット (著), 和田 誠 (イラスト), 浅倉 久志 (翻訳) 早川書房

ワタシは最高にツイている (幻冬舎文庫) 小林聡美 幻冬社


死よりも悪い運命…頭で反芻すると面白いんですが
一方で このおっさんは宗教とか人種とかイデオロギーの
共通分母がないと何もしゃべれないのか?
それともそれがアメリカなのか?
そう突っ込まずにおれない一面もあります
エッセイというかこれは…
講演会でしゃべり散らかした内容に+エッセイだったり
+自伝であったり +回顧録であったりと
むしろ新しい表現方法といったほうが エッセイ と括るより
フィットする感じがする
エッセイの肝って 共感 だよなーと思ってんですが
なんでかってぇと
そうでなけりゃあ有名人のエッセイが良く売れる理由がわからない
価値観が重なっていたり親近感がないと
ぶっちゃけ知らない人のエッセイって手を中々出せないもんですよね
んで この本に興味を持ったのは
タイトルがイカしていたことと
ちょうど没年に発売された「国のない男」を
ブランチで太田光が絶賛していたから

正直な感想を言うと
ヴォネガットの面白さというのは
立読師にはちぃともわからんかった
つまり二冊目も買いたいとはちょっと思わなかった
恥ずかしい話かもしれないが
立読師にとって ヴォネガットは難解でした
あとは 取って置きのジョークを一つ仕入れられたのは収穫だったな
あと ふざけた文体のセンスが翻訳者サイコー(笑)
ツボに来たのが「キリスト教またもや大失敗」「ブラーブラーブラー」
しかし 

何処が面白いのかわかんなーい 

というのは結構ストレスなので
ナローやってやろうじゃねぇかオラぁ! と
燃える闘魂が目覚めまして(笑)
Amazonに「持ってます」登録しましたよ
癒し系エッセイ というよりも 戦うエッセイですよこれは
いつの日か ヴォネガットサイコー とかヌカス日が
やって来るのやら永遠に来ないのやら(苦笑)
ちょっと最近のお笑いが分からないから
意地になって笑えるまでなかなか笑えないバラエティーを
看つづけるよな感じに近いな これ


さて 二冊目の ワタシは最高に~
小林聡美エッセイ最新作(文庫)
これもまた何処が面白いのか人に説明するのが難しいです
ぶっちゃけ小林聡美の好感度がないと
鼻白んじゃう人もいるんじゃないかな
タイトルだけでも「何を高ビーな」けっ みたいな?
小林聡美の文章からにじみ出る可笑しみは
カニ穴からジクジクにじみ出る地下水みたいなもんです
んで 癒し系のエッセイなんですよね
人生指南もジョークも批判もなしで 淡白な日常の
ちょっと面白かった話を一編に書き上げている
なんかこーニッポンの清く正しいエッセイって感じがします
まさに 共感 をメインに狙っているエッセイ
小林聡美のエッセイは 
穏やかな日常に飢えているとくぅぅぅぅっとキマス
まさに極限にあっちぃ夏にあっちい風呂から上がって
火照った身体で冷蔵庫から出して飲むビールのような至福
気張らず気取らず「あ゜~~これよこれ」と
なんでもない一日に訪れるささやかにして確かな幸福感
ファンにはたまらないエッセイです

ちなみにこのエッセイ中で
「ワタシはツイテいるツイテいると言いつづけていると 本当にツイテ来るんだって」と聞いて メールの冒頭に必ず「こんにちは ツイてる小林です」と書くようにしてみた
というエピソードがあります
本当か嘘か んなこたぁこのさいいいじゃないか 
このおまじないにあやかって今回はこう締めくくります

では 今 ツイてる立読師がお送りしました 
See You Next 気が向いたとき じゃね~~ 

読了~小説二冊

2010-10-29 06:13:32 | 
10月は小説月間だ!
というのは冗談で
ちょうど硬めの本の箸休めに
エンタメ小説を2冊続けて読んじまったってぇ話
読了したのは


さよならペンギン (ハヤカワ文庫 JA オ 9-1) (ハヤカワ文庫JA)  大西科学(著)ミギー(イラスト) 早川書房

サクリファイス (新潮文庫) 近藤史恵 新潮社


いずれも夏に買ったもの
物理の散歩道 を読了していないんだが
それを気にして他の本に手をつけないでいると
本当に 読まない という状態で
自分のことを活字中毒者などと気取るのはなんか阿房っぽいが
こうして読まない期間が続いて
ひさびさに小説を読んでわかった
私にとって本を読むということは
愛煙家がタバコを吸うように
嗜好の習慣になっているんだな
以前から私にとって読むってことは
何かを学ぶためだの知識を得るためだの
んなこととはなんか違うなぁ と思っていて
今 それが分かった
まるで禁煙中のニコチン中毒のように
あ…今のタイミングなら読むなぁ
そういうちょっとした時間というのが
生活の中にはニッチに でも結構あって
そういうところが
あ…今吸いたいなぁ と思ってしまう愛煙家(禁煙中)の
心理に近いかも…そう思ったのだ
おう…前振りが長引いてしまった
感想を書かねば


さよならペンギン は
そもそもSFをほぼ読んだことのない
しかも量子SFとか言われちゃうと
星真一 と 敵は海賊シリーズ
ぐらいしか読んだことのない立読師には
大いにひるむなんかむつかしそうですぅ な
帯だったんだけど
読んでみるとなんだなんだ結構読みやすい
なんだSFってそんなに敷居高くないじゃん
なによりも大西科学の筆が
ジョン平シリーズやクジラシリーズといったラノベでは
少しうざいな と思っていた
物理学を用いた世界観の説明に多くの字数を費やす書き方が
SFの舞台ではなんら理屈っぽさを感じさせずに
むしろ物語世界を構築するために自然に存在する
ファクトの描写として無理なく収まっている
大西科学にはSFを書かせたほうが面白い
と目をつけた編集者は慧眼である 拍手

物語は塾講師南部観一郎と彼の相棒ペンダンの日常描写から始まる
ここで量子力学でいう平行世界の存在をうまく解説しているので
なぜか1500年も生きている南部と
いつごろからか彼と共にいるペンダンの存在が
あぁ そういう仮説で南部は自分が死なない理由を
納得しているんだな と胸に落ちる
大西科学独特のどこかのんぴり冗談と嘘で子供をからかうような
ふざけた(ほめてんですよ)文体のおかげで
なんでもない日本の日常風景の中に
異常な存在である彼らが自然に溶け込んで浮いていない
なぜか普段はペンギンの姿をしているペンダンが愛くるしい
南部は自分を 観測者 ペンダンを 延長体 と理解して
自分たちと同じ存在である観測者を探しているがしかし…
この先に転がっていくストーリーは本書を読んでいただくとして

立読師はこの本を毎夜少しずつ読んで
気持ちの弛緩剤にしておりました
ああ…ペンダン…そう思うだけで(´▽`)癒される~


お次はサクリファイス
なぜか4時間ほどで一気に読んでしまった…
ま 読みやすかったってことです
Sacrifice=犠牲 て意味なんですが
これ…「わりにあわねぇ」とも意訳できるなぁ
もしくは「なにもそこまで…」
他人のためにあえて踏み台を買って出ることに
自分の居場所を見出した男たちの話です

「多分、そうすることが好きなんだ。かえって自由な気がする。」

語り手である ぼく はロードレースのプロのアシスト
その立ち位置に居心地のよさを感じるタイプ
表彰されて名を残すのはエースでアシストは存在すら知られない
というのもサクリファイスですが
ミステリとして事件が起こり 謎を解くと
本当のサクリファイスは誰なのか
そもそもサクリファイスってどういう…考え込む
本屋大賞2位を取った人気作ではありますが
立読師は「え?それでいいの?それじゃぁ動機としても行動としても心理的に不自然じゃぁ…」
と 思ったところがあるんだけどそこはないしょ
しかしこれのせいで
「これだからミステリってぇのは…」と思ったことだけは記録しておく
ま 個人的な問題なんだけどね
とまれ面白かったのは確か

読了して現在「うえっそれってわりにあわねー」と感じたとき
拳を突き上げ「うーん サクリファイス!」
と割り切るのがちょっとしたブームになってます(笑) 

10月に読了した本

2010-10-19 20:51:27 | 
ぼくらのカプトン 1 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル) あずまよしお 小学館

バシズム 日本橋ヨヲコ短扁集 (講談社コミックスデラックス) 日本橋ヨヲコ 講談社

言葉を育てる―米原万里対談集 (ちくま文庫)  米原万里 筑摩書房

バルサの食卓 (新潮文庫) 上橋 菜穂子 ・チーム北海道 (著) 新潮社


さて、久々の読書感想
まずは漫画二冊から

ぼくらのカプトン は
表紙に一笑して買いました ジャケ買いですよめずらしく
そして久々にアタリです
表紙はどこかのサッカー部の練習風景
ボールを受けようとひときわ高く飛びあがる青年
彼のまわりには敵味方入り乱れて
彼を引き落とそうと腕を引っ張る者
彼に負けじとジャンプしている者
しかし中央高くジャンプする彼が
今にもボールをヘディングしそうです
ああ躍動するサッカーのワンシーン……って…
あれ?ちょっとまってくださいよ?
ちょっとちょっとっ
彼の額めがけて中を舞っている…それって…

「ヤカン」じゃないですか?

え? それってあの あの…当たったらすごく痛いんじゃ…
裏表紙を返すと案の定ですよ
ベコッと凹んだヤカンと頭を抱える青年気遣うチームメイト
よくあるサッカーのワンシーン…て 違う 違いますから
少なくともサッカーでヤカンは使わないはずだ
せりふも効果音も何もなしで表紙だけで思わず
くっと笑わされてしまいました

中身はなんというか…
4コマ漫画にまとめられそうなネタでまるまる一話作ってる感じ
しかしまとめて読むと
コツッコツッと笑いの内野安打が決まるんですよ
くっ プッ フッ ククッ っはっわはは(笑)
これは…贅沢ですねぇ
気がつくとすっかりぼくらのカプトンワールドにはまっています
ささくれ立った気分がゆっくりほぐされる
癒しギャグ漫画です


さて バシズム 
短編集というのは作者の原点を垣間見るような
いい意味で濃ゆく味わい深いものです
逆に言うと 一読で感想がどんっと噴出すような
感動のダッシュ力がないんですが
その作者の原点を知りたい一心で
読んで読んで読み込んで読み解いていくと
だんだん空気感で見えてくる 
ある意味難解な漫画だとも思います
もちろんどんなに読み込んでも
それで日本橋ヨヲコのバシズム良いよー と言っても
どう良いのか50文字以内で答えよといわれるとうまくいえない
あー…あれだ どんなに通いつめても常連の美味い店のことを
他人にうまくオススメできないあのもどかしさに似た気分です
あえて言うなら バシズム は
本気 で生きることのまぶしさと 本音 を吐けないもどかしさを
思春期の若者があがく姿を通してうまく表現している
そんな感じ(照笑)


さて 漫画の後は活字文庫本二冊です

言葉を育てる~ は
ようやっと読みきりましたタイチョー(敬礼)!
いろいろ感想の言葉があるのですが
今 頭に浮かんでいる言葉で感想を言うと

インフォメーションとインテリジェンス 米原万里ならインテリジェンス

情報をたくさんライブラリーのように詰め込んで提供するのは
インフォメーション
インフォメーションを切り貼りしてその意味するところを解釈するのはインテリジェンス
大雑把に言うとそういう違いがあるんですが
同時通訳という職業では ただ言葉が分かるだけではなく
発言者の意図を前々から汲み取り情報を取捨選別して
その場に応じて瞬時に要約ししゃべらなければならない
だからインフォメーションというよりインテリジェンスだなぁと
思ったわけです
んで 米原万里という人は自ら表現者として
インテリジェンスを発揮した稀有な存在だったのだな と
んなこというと天国の万里さんが苦笑しそうですが
以前 北京大学てなもんや留学記 の感想を書いたとき
著者の谷崎光女史を「物語る力が強い」と」評しましたが
立読師的には 米原万里こそ 物語る力の強い女性の元祖 
のように見ています
米原万里という人についてはもっと著書を読み漁って
たっぷり語りたいなぁと思います
魅力的な女性です 生前に直に会っていたら怖そうだけど(笑)
あ もし今直に会ったら僕は本気で逃げますけどね(笑)


さて バルサの食卓 は
守人シリーズや獣の奏者 弧笛の彼方 などに登場する
異世界の料理を現実世界の材料で
無理栗再現してしまおう! という(苦笑)
少々乱暴な企画本
池波正太郎の料理本みたいな説得力には欠けますがなんのなんの
料理のレシピ本の体裁をとっていますが
上橋菜穂子が食を語る際どこにフォーカスのピントを合わせているのかが
よくわかります
つまりこの人は食べ物の味そのものだけでなく
食べたときの記憶やシチュエーション
その食べ物がある土地
それを食べる文化
そういったものを総合して食事シーンを書いていたのだなぁ 
いかにも文化人類学者らしい視点だなと思いました
料理の味そのものを言葉を尽くして言い表そうとせずに
食事+αのαに重点を置く手法に
その手があったか! と思いましたです はい 

ダウン

2010-10-02 19:59:59 | 雑記
風邪を引いてしまった

朝起きたら喉が痛い…つか 正確に行こう
鼻腔のあたりがひりついて
なんかスライムでも張り付いているような
嫌な感じだ
痛いし不快だし…頭もぼんやり痛いじゃないか
おかしいなぁ と思いつつ
昼までコタツで二度寝起きるとぼんやり度UP
おんやあ?これは・・・熱があるんじゃないか?
と気が付いて測ってみたら 37.0℃ 
あいや微熱だ どうりでだりいわけだ
風邪薬を飲むためにもむりやり昼餉をとる
…味 わかんね
自室に戻ってうーっむ…と寝苦しく寝返りを打っているうちに
いつの間にか寝入ってしまった

……(夢も見ていない つか 覚えていない)……

お? と目が覚めると4時近く
頭は?大丈夫か? いや そういう意味でなく
ぼんやりしていないか?
うん なんかいいね すっきりしてる
だるさも結構取れた
ふぅーーーー
なにかこうホッとして
ああ そうだ と
それじゃあ今日はポトフ作っちゃおうかな と
過日スーパーの見切り品で

「ポトフに!」

て書いてあった厚切りベーコンを解凍して
表面をバナナピーマンと一緒に表面だけ焼いてみて
ええ感じに茹ってきたジャガイモへ脂もろともドボン
続いて玉ねぎのzoo式切りを投入
あ いけね コンソメ入れ忘れた 慌てて投入
まぁ…ここまで読むと分かると思うけど
ポトフといいつつ かなり直感で「こんなもん?」て作っている
たぶこん料理…いいんだもう
コショウと塩で味付けて味見 
コショウとバナナピーマンの強力タッグが辛い辛い
しかし芯から温まるのも確か
30分ほどコトコトゆわして保温器へ移して
後は本でも読んでれば味がしみて出来上がり
ヌフフ簡単簡単

風邪で内臓方面弱っているだろうなぁ というわけで
今夜はドライ
CSIとコールドケース見たら寝ます

結局何処にも出かけなかった休日