立読ブログ

立読師による一人語りのブログ 今後ともよろしう

読了報告~白洲正子雑感~

2011-07-19 22:16:45 | 
なんだか今月はぼうっとしております
あー・・・いや 上気しているわけではなく 残念ながら(苦笑)

まぁ一つの目標にかけていたはしごが外れてしまいまして
放心しておるわけです
それだけのことです

しかし本は会社で相変わらず読んでおりまして
読了したのがこれ

金平糖の味[新潮文庫] 白洲正子 新潮社

「うちの親父は金平糖 あまい中から角が出る」

この文句に プッ とウケてしまいまして
購入したわけです
さて 昨年よく売れたといえば
「もし高校野球部の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら」
ですが これが呼び水になって
本家の「マネジメント エッセンシャル版」が売れに売れているそうです
まぁ それで本当にマネジメントがわかる人がどれだけいるのか?
とか そういう突っ込みはさておき
漫画が古典の硬い本を読むきっかけになる
という流れは 出版業界的に歓迎なことらしいです
しかし もしドラ に限らず
そういった 漫画やドラマ化を呼び水に本家に興味を持たせる
というやり方は他にもあって
ほら…あれ とか それ とか… なんつって
何が言いたいかというと 
立読師にとって きくち正太の「きりきり亭」シリーズや
「おせん」セカンドバージョンは
白洲正子や白洲次郎…小林秀雄 青山次郎といった人々へ
興味の流れこみを作ってくれるもしドラのような存在だったな と
しかるにブラ雲先生は南ちゃんか(笑)


「おせん 真っ当を受け継ぎ繋ぐ。(4)」にしきりにでてくる言葉に

「形」ではなく「容」を見る

というのがあって
つまるところ肩書きやプロフィールに書かれちゃうようなこととかは
(FaceBookに登録するような程度の情報なんかはまさにそれです)
「形」であってそれを見るだけでは「容」は見えない
そういうことかな と思います
僕は自分のとりえは「見る」ことだと思っていましたが
(「見てろって言ったのになんで盗られるんだよ(怒)」「はい 見ていろ て言われたから一部始終見ていました」的な「見る」)
最近 目 で見えないところの事情が重要だったりして
そういう見えないところのところまで考えを及ぼした上で「視」ないと
本当のところは判断できないもんだなぁ と
思ったりしています

んで この白洲正子さんという人の書く文章に対しても
白洲さんの「形」にとらわれていると
なかなかケツの穴が小さくなって楽しめない
その辺りの白州さんの影を見事に漫画の絵が覆ってしまうことで
彼女の言うことが初めて「腑に落ちる」んですよ
いやぁ 金平糖~を読んでいて
頭の中で再生される妄想映像はまんま
ブラ雲先生のエロ説教(爆)画像でした
しかしその方が不思議と素直に「ふんふん」とうなずけるんです

白州さんはたしかに形を見れば
高慢で我儘なお嬢様の道楽者 やな感じーに見える
しかし 容を視ようとすると
芯となる思想 プリンシプルをこれほどはっきり表現する人も
…めずらしいとは思いませんか
オレ的には芸能人の人生相談よりアリだと思いますが…ま それは個人の趣味ですか 趣味ですね


多分 これからも
白洲正子の本を読むたびに
僕は頭の中で この やな感じー な白州さんと
でもさ…という気持ちが交錯すると思います
完全拒絶も出来ないけどオールマンセーになるのもなんだかねぇ…と
それが立読師的白洲正子の本の読み方になるんでしょうねぇ(苦笑)
そしてこの 形 と 容 の言葉を頭の中で繰り返すんだと思います
きくち正太を呼び水に少しずつ
決着はいつか着くかも知れないけれど
長い時間がかかるかもしれない
ゴールが見えませんが
この件に関してだけは 見えないまま ときどき思索していくのが
ちょうど良いのかもしれません

まぁ(苦笑)
白洲本を読了するたびにこんな感想ばっかり書いていたら
怒られちゃいそうですけどね
そこは まぁいつものお約束で
「ああ また…(略)…ばかだねぇ」と流しておくれ