立読ブログ

立読師による一人語りのブログ 今後ともよろしう

完読!十二国記!

2013-01-23 06:21:43 | 
図南の翼 (講談社X文庫―ホワイトハート) 小野 不由美、 山田 章博
黄昏の岸 暁の天(そら)〈上〉―十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート) 小野 不由美、 山田 章博
黄昏の岸 暁の天(そら)〈下〉―十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート) 小野 不由美、 山田 章博
華胥の幽夢 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート) 小野 不由美、 山田 章博

リーチマン(1) (2)(モーニング KC)


はぁ……読み切ってもうた 十二国記…
しかし面白かったので良しとしよう
たとえこれで未完のまま終わっても( p_q) 
ともあれ一話づつ感想を…
まずは

図南の翼

供国供王珠晶が恭麒に選ばれるまでのー…少女登山小説(笑)
ホワイトハート版では実に不遜で小賢しそうな少女の表紙ですが
いやぁ イラストにたがわず実にビッチ(笑)
「私、あなたのこと嫌いなの」
「もう、国を治めるって大変なのよ」
「本当、麒麟って馬鹿な生き物なんだから」
とかとかとか
おいおい 仁を持って国を収めるのが王様じゃ…
とはいえ 後に続く理由のセリフはしごく真っ当で
グウの音も出ない
なるほど 麒麟は王を選ぶけど
素質があっても必ずしも最初から
人品卑しからぬ「正しい人」とは限らない
例えば悩める陽子が自身の成長と共に王道の歩を進めるように
不完全な人間であっていいのだ十二国の世界では
たとえ性格がビッチでもオッケーなのだなぁ


さてお次 黄昏の岸 暁の天(そら)<上・下>
風の海 迷宮の岸<上・下>で 確か戴国には王が立った
…はず…なのに
その後の作品では戴国に偽王が立ち国が傾いている
あれ?時系列が違う?いやいやいや んなこたぁない
トドメに 別冊 魔性の子 では戴麒がもう一度日本に帰ってるし
どういうこっちゃ?
という疑問に応える話ではあるけれど
どちらかというとそれはストーリーの骨格であって
舞台は陽子の治める慶
じゃあ悩める女王の成長譚かというと
陽子がやりたいことを見つけて
十二国を巻き込む事業を進める話
この巻までくると 天帝だとか神の存在意義と
人の想いとにギャップが生じ
神様はいるけどあてにならない という
新しい十二国記感が立ち上がってくる
麒麟が王を選ぶとか人が木になるとか使令とかの奇跡は
十二国特有の物理現象であって
多分神様はこれにあまりタッチしていないんじゃないかなぁ
「カミサマ助けて!」「……俺に言われてもなあ」


んで未完の十二国記最新巻 華胥の夢
これはそれぞれの巻スピンオフ短篇集
陽子と楽俊の書簡とか
謎の男利巧の旅だとか
奏国前王の墜落っぷりとかとか

個人的には戴国のその後がものっそ気になるんだけど
それはなし
小野さん 次回はその話ですか?それとも柳国の?


十二国記を通してみると
王というものが実は個人のメタファーであって
理想の王たらんとすることは自分がどう生きたいのかという問いだろう
アニメでは「自身が自身の王であるか」と言わせているが
何かにすがったり己を哀れんでいたら
国の平安=自分の幸せ は得られないよ
小野不由美はそう言っているように思う


さて 最近買った漫画より

リーチマン

この主人公のヨネダタツロウというのが
図体はでかいが小心者とゆーか頼りないとゆーか
経済的な生活力はゼロの男
その点では嫁さんのほうがずっとしっかり稼いでいる
しかし造形師になりたい夫としてはこれではいかん
という自負はある
しかし現実には無収入でうだつが上がらない
このギャップにうじうじと悩んだり
これからどうしよう…と不安で落ち込んだり
このままではオレ嫁に捨てられる!!と苦悩する
でもね 嫁さんは経済的な問題にあまり執着してないんですよ
もちろん周りには正しい意見というやつで説教する人もいますが
二人でいることで何に納得しているか
どこに魅力を感じているか波長があうか
それは結婚している当人同士が納得していれば
それでいいんじゃない? と思っている
ときにタツロウ目線でときに嫁目線で共感できる
穏やかな夫婦円満物語です

あ 一応フォローしておきますが
ヨネダタツロウ 経済的生活力は皆無ですが
性格はとてもいいやつです
弱っている時に癒される存在

気が付けば2013~十二国記~

2013-01-06 20:58:17 | 
2012年は年末年越しに私的ブックランキングやらなかったなー
まぁ 去年のことを1月に振り返るのもなー
と いうわけで
今日読了した本の感想

風の万里 黎明の空〈上〉十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート) 小野 不由美、 山田 章博
風の万里 黎明の空〈下〉十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート) 小野 不由美、 山田 章博

これは!
やっぱり十二国記は陽子の話が一番グっときますねぇ
いくつになっても大人になれない女子には
いいをんな になる成長剤です
まぁなんだ 単に立読師が成長譚が好きなんだがな
舞台は十二国の内 慶 芳 才 
同時系列ですすむ少女3人の成長譚でありロードムービー
小説を読み通しひとつの物語を体験することで
人はまったく異なる視点を得 気づき 成長する
この本は読むべくして読んだ そう思わずにはいられない
メッセージは恐ろしいほどに正しいことしか言っていないのだが
書き手による愚直なまでのメッセージを訴えてくる筆力は
心を奥深くから揺さぶる

なんとすごいものを書き上げたのだろう小野不由美は

この十二国記
残すはあと三話
お次は発刊当初本の雑誌社の上半期ベスト1をかっさらった
図南の翼
今作でなかなかやり手だがビッチな女王が
女王になるまでの登山小説らしいが(笑)
さて 楽しみだ