立読ブログ

立読師による一人語りのブログ 今後ともよろしう

書店探偵が行く(笑)

2010-05-28 23:54:10 | 
あーいや かっこつけてタイトルにしてしまったけど
ようするに
本屋で目的の本が見つけにくくなってしまったってぇ話
途中からかっちょつけて気取ってますけど内容はかなりしょうもないですよ
その辺お覚悟の上で(笑)
例えば 今回 誰寝 の13巻を買おうと行きつけの書店へ
出かけたとしましょうか
んで いつものジンクスというかおまじないで
きっちり書店の新刊ハードカバーコーナーから流して
順番を守りつつ 今巻も入荷してくれたやろか?と
ドキドキしながら講談社のデカメサイズマンガ本コーナーへ
突入して・・・棚ざしを眺めて・・・いつもの場所に・・・
ない・・・
となったら 一瞬パニクルわけですよ
あわてて今度は平積み棚を見回しても
そう簡単には見当たらないんですよ13巻…
そりゃあね おせん みたいに
一度は曲がりなりにもドラマ化されたような
メジャー選手だったら新刊コーナーに どん と
平積みされてますよその辺は既チェックですよ
しかし誰寝は・・・どうか・・・
半あきらめ状態ですが そこは書店探偵
探偵の前は書店デカだったんで根性が違いますよ(笑)
丹念によくよく平積みを一つ一つつぶしていくんです
まるであらゆる可能性をすべて検証するデカのように
ある意味実験科学者にも通じますねこの姿勢は
そうすると・・・あったぜお嬢さん
平積みの高さが異様に凹んで平積み摩天楼の一角を占める
くぼ地のように誰寝が残り2冊状態で発見確保されるわけです(笑)
ここで おおっし! と快哉を心の中で叫んで
続いては大西科学の新刊を探すべくSFコーナーへ
今回の大西科学の新刊はハヤカワSF文庫で出ている
と いうことは
いつものラノベ棚を探しても時間の無駄だぜ
SF棚は外国人の著作と日本人の著作が混然とならぶ
魔界棚だからなぁ
さて・・・ハヤカワSFのまとまりを探すだけでも骨が折れるぜ
しかも大西科学はそんなにメジャー選手じゃないからな
この書店に入荷されているかどうかも怪しい・・・
そんなことを脳内でぶつぶつ言いながらも
やることは同じさ
ハヤカワSFのまとまりを見つけたら
あとは一冊一冊の背表紙を丹念につぶしていく
まったく書店探偵ってのは地味な作業の繰り返しなのさ
と・・・! あった・・・!
大西科学 著 さよならペンギン
イエッス!! 心の中でデストラーデガッツポーズを決めちまうところは
まだまだおいらがルーキーってことかね
しかし だ
今回の予算的に金700円(税別)はちょいと痛い
この後スーパーでお徳用ソーセージを会社の弁当のおかずに買う予定なんだ
これ買っちまったらソーセージはお預けだ
しかしいまどきの書店での本との出会いは一期一会
つまり次に来たときにまた出会える確立は
限りなく0に近いってこをさお嬢さん
どうする?指をくわえて売り切れになるのを見送るのかい?
とまあ内なる蒼猿にそそのかされて
若い情熱に任せてここで明日の昼飯のおかず代をふいにしちまうのは
昔の俺さ
今はもうちょっと冷静だぜ
また来たときに売り切れていたら・・・
そう 書店で客注して取り寄せてもらうんだよ
おれも大人になったもんだ・・・て 単に深みにはまっただけだって?(笑)

とりあえず 今回の目的は 誰寝13巻
レジを済ませてハードボイルドにドアを閉めるのさ
そしていつものジャックのバーでバーボンをすするのさ
5月の薫風に襟を立てて町をさすらう書店探偵
明日もお目当てのタイトルを探して一日が終わる

って 今回の文章はずいぶん無理したな

おめでたい話

2010-05-23 03:07:50 | 雑記
5月に5月と5月がやってきた

と言う書き出しで始まったのは
たしか となりのトトロ の小説版(原作?)
だったのだが
なにぶんちうがくせい時代に読んだきりの
おぼろげな記憶なので
細部の間違いはご容赦願いたいのだが
まぁなにがいいたいのかというと

5月に5月がやってきたのですよ

なに?さっぱりわからんじゃないか だと?
そりゃそうだ
んじゃ こざっぱりと言うと

5月に姪が生まれました

そういうことです駄洒落です

かわいいですよ~
甥っ子が5歳なんですが
あいつもこんなにちっさかったっけ?
小さくて赤くなったりあくびをしたり手を開いたり閉じたり
なんて赤ちゃんってキュートなんだろう
これがあっっちゅうまに大きくなって
いっぱしの口をきくようになるんだろうなぁ
今のところ彼女は
寝る・ぐずる・オムツを替えられる最中泣く・おっぱいを飲む
のコマンドしかないようです
これが5歳になると
お手伝いをしてお小遣いをもらう魔法 が
使えるようになるんだよなぁ
キメラくらいは倒せるレベルの魔法です
って今のドラクエにはいないんですってキメラ
じゃあ キメラのつばさ もないの?
ないんだそうです はぁ…ドラクエⅢは遠くなりにけり

我が家に二度目の赤ちゃんがやってきて
初めて気がついたのですが
いや 最初のときも気がついていてそれを忘れているだけかもしれませんが
赤ちゃんのいる部屋というのは実に臭いますね
お乳という動物性の食物しか摂取していないので
うんちが非常に臭う ということに気がつきました
今の立読師なら部屋に入っただけで
「ワトスン君この家には赤ん坊がいるはずだよ」と
嗅ぎ抜ける自信があります(いらんわそんな自信(笑))
小学生のころ友達の家に遊びに行って
「あれ?なんかこの家は臭うなあ」と思っていたら
実はどのご家庭もその家独特の臭いがあって
住んでいる人にはわからない と
知ったときは驚愕したものですが
赤ちゃんのウンチの臭いというものも
家を構成する大事な匂い要素なのかもしれません
そして家族に赤ちゃんがいなくなって
しばらくすると 家には加齢臭が染み込むのでしょうか(笑)

古い家の匂い成分を分析にかけたら
そういう「人間の匂い」も検出されたら面白いだろうなあ
匂いでその家の歴史をたどれるみたいな?
冗談です

会社本読了

2010-05-23 02:13:57 | 
会社で読んでいた

北京大学てなもんや留学記(文春文庫)谷崎光(著) 文藝春秋

読了しました
本書は中国の最高学府の一つ(英語的表現って便利だなぁ)
北京大学へ語学と経済学を学びに留学した著者の経験を交えた
谷崎さん流中国人レポート
文章を読んで思ったんだけど
谷崎さんは論理の組み立て方がうまい…てしかめつらしく書いちゃったけど
一言で言えば

物語る力が強い

小細工なしに強引でもなく納得させる術を心得ているなぁ
なんつうか…
「ねぇねぇ聞いてくれるかな?こういうことがあってさあ
それでね・・・」
読みながら ふんふん それで?どうなったの?どう思ったの?
と身を乗り出して話に聞き入ってしまった
後にプロの作家になったというのもうなずける
中身スカスカの立読ブログなんて読んでる場合じゃないですよ(苦笑)
中身のみっしり詰まった缶詰のような本でした

それから谷崎さんの立ち位置が
妙に客観的なんですよ
第一者と第二者の関係で起こったエピソードでも
相手(この場合は中国人ですね)に対して
情報環境に始まる社会的背景から分析している
もちろん日本人の感覚として自分の世代の自分の社会的背景を分析している
「(自分も含めて)この人がこういうことを言ったりしたりするにはなにか理由があるに違いない」
そういう基本通念があってこその客観性があるなぁと感じました
言い換えれば
因果律で分析し理解しようとする点は学者肌ともいえます

海外でひどい目にあったりテレビ的においしい体験を
面白おかしく時に相手の国を辱める感じを煽るように書くことは
相手の事情を考慮しないという点で比較的簡単でしょう
でも それじゃあ他人は面白がってくれるけど
それを真実とは思わない思うべきではない
なにも論文の構文になぞった論理展開なんぞせんでもええんです
そんなことせんでも
説得力のある文章が書ける
そこが物語る力の見せ所で
谷崎光の文章はその点実にうまいなぁ と
オススメするわけです


さて ようやっと北京留学記から開放されて
次はなに読もうかにゃぁ 

読了報告~3冊+漫画1~

2010-05-18 00:54:11 | 
こんばんわ 立読師です

本日は自宅の自部屋から更新
つっても読了記録だけどね
読了したのは4冊

てかここ数日で集中的に読めた
読まざるをえなかった
早い話が風邪引いて寝込んでたんだよね
んで 風邪って
しんどくて熱がガッと上がってるときと
頭はクリアなんだけど体がだるいときってあるじゃん?
ま そういう頭は楽なんだけど体がしんどいときを見計らって
本を開いていたら4冊読了にいたっちゃったて訳なんだねぇ

まずは一冊目

ドラッカー入門―万人のための帝王学を求めて (単行本) 上田
惇生(著) ダイヤモンド社

まずは図書館本のドラッカー入門
返却期限までに読了は無理か?と
思っていたけど案外イケてしまったねぇ
心憎いぞ 風邪の神(笑)
さて テーオー学 とか聞いちゃうとさ
なんかこぅ 構えちゃわない?
つか 帝王 だからねぇ
名前なんかいちいち覚えちゃいないその他大勢を
従えて傅かせてへへぇぇぇてところをふんぞり返ってても
精神になんら影響なしな?
人を支配して従わせる術こそ帝王学 みたいな?
そんなイメージがある いや あった
しかし安心してくれ
この本を読む限り 帝王学 てのは
ちょっと違うっぽいんだな
少なくとも 万人のための帝王学 てのは 違う
てことがわかった
ドラッカーを読むと読んだ人の数だけ
それぞれのドラッカーがいるってことなんで
私が見たドラッカーも立読視点から見ーたドラッカーで
だからこう読め!的な読解のお手本にもならないんだけど
その上で立読師が あ そういうことか て思ったのを一つ書くと

万人の帝王学ってのは一人一人が自分の王様になるってことと繋がるんだな

誰かに向かって常に「俺は偉い!お前よりすごい!!」と
ゴリ押しでシュチョーし続ける必要はない
奴隷根性で卑屈に奉仕させてもらおうと求めなくてもいい
自分は自分の王様だから必要以上に誰かに威張ったり卑屈にならなくてもいい
つか ならない 王様だから
これって簡単なようで難しいんだなぁ
でも一度クリアしちゃうと後が楽なような気がする
そうして多分 親切にナレルんじゃないかな
生れて 成れて 慣れて 熟れる(笑)
話を少し戻して
立読師はこの本読んでて
歴史的に観察するドラッカー視線によって
因果律の科学思考が実はほんの300年間流行っていた
思想だってことを知って
なぁんだ て 開放された気分がした
モダン ポストモダン イノベーション
カッコつけて流行っているカタカナの訳文を知って
意味が腑に落ちた
ほんで ドラッカーが言う万人のための帝王学ってので
「君は君の王様になってもいいころなんじゃない?」て思ったね
ドラッカーの本てのは自分の王様になるやり方 
自分なりの方程式を作って解くやり方が書いてあるんだなぁ
つまるところ 自分会議に内なる天啓をもたらした本だったよ
もっとドラッカーの本が読みたいなーと思ったね


さて 二冊目は熱がようやく下がり始めて
ぼんやりしている時間に読んだ本
こういうときはのんびり気楽にバカ話を読むのに限るよね
っつうわけで

帰ってきちゃった発作的座談会 (単行本(ソフトカバー))  椎名 誠 (著), 沢野 ひとし (著), 木村 晋介 (著), 目黒 考二 (著)  本の雑誌社

何一つ得るものなく何一つ失うものもない
無意という有意を行うおじさんたちの無意味なだべり
旅館の押入れに隠れて隙間から差し込む蛍光灯の明かりとともに
そっとずっと聞いていたい発作的座談会が帰ってきた いや きちゃった
いい年をしたおっさん…というかすでに老境を迎えたおじさんが
コタツとストーブはどっちがえらい?とか
朝起きたら世界に自分ひとりだけだったら・・・俺は戦車を盗むね 僕は農業書を読んで畑に適したところへ旅に出るよ通りがかったらおーいって呼ぶね とか
議論する姿は間抜け時空が発生しているとしか思えないんだが
ふと そういう私の周りには
そういう話に付き合ってくれる馬鹿友がいるんだろうか
と はたと裏寂しい気持ちになったりもする
来し方行く末趣味思考まったく違えど
若いころからの腐れ縁で付き合いが長く
だいたいの思考がわかる気の置けない友人たちと
愚痴りあいでもなく健康の話題でもなく色の話でもなく
発作的に集まりテーマも決まらないまま気の向くままに
阿房な会話に終始する時間が持てる友人がいる
この4人のおじさんたちのたるんだ絆的繋がりがうらやましくなる
終生の腐れ縁は若いうちに繋いでおくものなんだなぁ


さて 三冊目

MUSIC(単行本) 古川日出男 新潮社

ベルカ、吠えないのか? が犬の物語だった
んで これは猫の話だ とブランチでやっていたんで
文庫化を待ちきれずに購入して一気読み
感想を一言で言うと

すげぇビート!!!!!!

句読点を 、 は半拍 。 は一拍 みたいに
リズムを守って読むと 本当にリズミカルな文字構成
リズムつっても流暢にしゃべるリズムじゃない
生き物のリズム 呼吸のリズムに近い 速い
走る 飛ぶ 潜む 堪える 歩く
ハッ ハッ フッ フッ ふーーーー ウン フッッ
頭の中で息を切らせて文章を疾走しながら読んでいると
くわん と意識がトブ 酩酊するわ これ
お話のガイドラインとかの前知識抜きで
活字の全力疾走をするつもりで読んでみてほしい
それでも 何かヒントを頂戴よ て人には
ドロドロ ケレン味たっぷりのお涙頂戴 恋愛なし
すっげえマクロにまとめると
ありえねえ!?日本版シートン??(笑)
この本をこれから読むなら
読みながらでいいから
血をそそのかす快いアップビートな
鼓動にも似たなにかのMUSICを脳に流すといい
いや 流さずにはいられない
考えるより感じる本だったねぇ


さて 最後になったけどラストは漫画
やっと読めたよ

鋼の錬金術師 25(ガンガンコミックス) 荒川弘 スクェア・エニックス

フラスコの中の小人の思惑は進行し
マスタング大佐に迫る究極の選択
しかしついに無理矢理真理の扉へ!!
「五体満足とは保障できんがね(ブラッドレイ)」うああ…
そしてアルフォンスは自身の「容れ物」と邂逅する
ここでも究極の選択 
それぞれの強い意志による高潔な決断は
はたして戦いに それぞれの思惑に 吉と出るか凶と出るか
人柱対フラスコの中の小人戦の決着が気になる
決着がついたとき それぞれの運命はどう帰着されるのか
すげえ気になる
一応アニメも観てるんですけど
したらあんた 掲載雑誌の来月号でついに最終回 とかいってるじゃないですか
来月って 来月って すぐですよすぐ
先週の放送でもう24巻の話まで来てたから
おいおい 原作に追いついちゃうじゃん
とか突っ込んでたんですが
来月号で最終話 ってんなら話は別ですよ
原作余裕でゴールじゃないですか
原作者もですがアニメスタッフの皆さんも最後まで
わくわくどきどき ええもう手のひらで転がさせてもらいますよ
たーのしみだなぁ オチが(笑) 

読了報告読中書~カモカのおっちゃん・ドラッカー~

2010-05-04 21:51:10 | 

どっく了しました

ああカモカのおっちゃん (ベスト・オブ・女の長風呂) (単行本) 田辺聖子 文藝春秋

ええと…図書館から借りたもので
文春文庫で手に入る「ああカモカのおっちゃん」とは
ちょいと掲載原稿が違うようです
まぁ面白かったんでいいんですけど
Amazonでチョイ読みした内容が
読んでいていっかな出てこないなぁ
と思いながら読み進むと
最後までネットで見た原稿を拝めなかった
というオチで あり? と思ったのは立読師
さて 一言感想は

人間のしょうもなさを新喜劇に表現する

あ これは感想というより要約ですねすいません
しかしまぁ読んでみて
つまりはまあこういうことだなぁ と
思ったことは事実
田辺聖子という人は
腹の立つことに代表されるような
一般的に言えばマイナスイメージのもの
人間の業なるものを
これどうにもできないしょうもなさ と
良きものとまでは言わないが
新喜劇的に表現することで
マイナスイメージの角をまろやかに取る名人ですね
なるほど表現者とはここまで言葉を操れてこそ
と思わされます
嫌なこと腹の立つこと多かれど
表現をまろやかにすることで
自分の中で醸して角をとり
くはっと息を吐いて心の緊張をとりのぞく
人生かくあらまほし
と まぁ思いました


ただ今読中は

ドラッカー入門―万人のための帝王学を求めて (単行本)  上田惇生 (著) ダイヤモンド社

ええ初めての経営学系の本
白状しますと ほぼ日 の影響です
まぁ ついでに言えば
図書館に所蔵されていたんで
個人的に旬が来たな と
借りてきて読んでいます
義務じゃないですが
GW中に読み切る宿題にしています
現在厚さ4mmまで読みましたが
面白いですよこれ
ドラッカーは読む人ごとに
それぞれのドラッカーがある
らしいですが
つまりは 読んでいて胸に思い当たる節が
必ずある ということなんでしょうねぇ

読み手が「つまりはそういうことか」とか
「あ あれはあてはまるな」とか
「いやしかしこの場合は当てはまらないんじゃないか?」とかとか
考えながら読み進めてしまうんです
そういう意味で刺激的で面白くて
元気になる本
とも言えます

企業家とか経済学部の人が読むものでしょ?
と斜に構えずに
逆にそういうものを考えたくないと思っていた人に
騙されたと思ってどうぞ おススメです